胆のう摘出手術で「腹腔鏡の素晴らしさ」を実感:ラパコレ体験

岩澤宏さんのストーリー

オリンパスのHR組織人材開発部門に所属する岩澤さんが、胆のう結石の診断を受け、胆のう摘出のためにラパコレ(腹腔鏡下胆のう摘出手術)を経験したのは2016年のこと。腹腔鏡による低侵襲手術のおかげで術後5日目には職場復帰し、現在は健康に生活しています。手術を受けた時のことを振り返ります。

初めて受けた腹部超音波検査で"胆石の疑いあり"

岩澤さんは50代前半のときに、社内健康診断のオプションで初めて腹部超音波検査(体外エコー)を受けました。そして胆のう結石 新規タブで開きます の疑いと診断されます。もともとラーメンのような脂っこいものが好きで、血中脂質やコレステロールの値は高めでした。一方で「タバコは吸わないし普段はお酒もほとんど飲まない。自覚症状も特にないし、まあ大丈夫だろうと、それまで腹部超音波検査をサボってたんです」(岩澤さん)50代になったし、試しに受けてみるかという軽い気持ちで受診した腹部超音波検査で、要精密検査と指摘されます。

手術をしないという選択肢もある。「ただ、胆のう炎などのリスクもあるよ」

精密検査を受けところ、正式に胆のう結石症と診断されました。しかも、胆のうが結石で詰まり動かない状態とのことでした。一般的には結石といえば激痛を伴うイメージがあります。しかし、岩澤さんの場合は全く自覚症状がありませんでした。「自覚症状が全くないのに、まさか自分の胆のうに石が詰まっているなんて・・・ いや、驚きましたよ」と岩澤さん。同時に医師からは「胆のう壁が肥厚(ひこう)して固くなっている。胆のうが全く機能していない」と告げられ、胆のうの摘出を勧められました。

自分の臓器の一部を摘出することは多かれ少なかれ誰しも抵抗があります。「今まで胆のうが機能していない状態でも自覚症状がなかったんです。もしかして、無理して摘出しなくてもよい…なんて選択肢はありませんか?」と岩澤さんは聞いてみたそうです。岩澤さんの質問に対し、医師はこう答えました。「その選択肢もあるよ。ただ、急性胆のう炎やその破裂からの腹膜炎などのリスクもあるよ」この言葉で岩澤さんは胆のうの摘出を決断します。

手術前の不安を和らげたものとは

岩澤さんは当時、基礎医学講座の社内講師も担当しており、ラパコレに関する知識を持っていました。このため、手術が決まった際もそれほどネガティブな気持ちにはならなかったと言います。ただ、一つだけ心配事がありました。それは腹腔鏡による手術中に胆のう動脈に傷が入るなどの不測の事態が起こることです。確率は低いですが、そうなればすぐに開腹手術に切り替わります。普段は楽天的な岩澤さんも手術当日は少し緊張したそうです。しかし、手術室に入ってオリンパスの外科内視鏡システムを見た瞬間に気持ちが落ち着きました。「会社のロゴを目にすると不思議と安心した気持ちになりました」(岩澤さん)

内視鏡技術と医師への信頼が支えに

オリンパスには、安全・安心な内視鏡製品を開発して世に送り出すために必要なSOP(Standard Operating Procedures)とよばれる標準作業手順書があります。製品の仕様や製造手順だけではなく、品質や法規制への対応など全ての情報がSOPと紐づいています。「開発・製造メンバーがSOPを基に品質・安全を重視した内視鏡を製造している。そして内視鏡技術に熟達し、経験を積んだ先生が手術してくださるのだから大丈夫」岩澤さんは自然とそう思いました。

入院期間は4泊5日。自身だけでなく、家族の負担も少なくてすんだ。

手術は無事終了しました。傷口は多少痛かったそうですが、すぐに痛痒さに変わり、今ではその痒みも完全に消えました。岩澤さんの場合、入院期間は4泊5日。手術前日に入院し、手術の次の日には病院の廊下を散歩できました。術後3日目には無事に退院。退院翌日は日曜日だったため自宅でゆっくり過ごし、術後5日目には普段通り出社できました。入院期間が約半月で退院後も2~3週間は自宅安静を必要とする開腹手術と比べて、体への負担や入院日数や費用、家族の負担、会社業務への影響もはるかに軽くて済む腹腔鏡手術のメリットを実感したそうです。

「腹腔鏡手術のメリットについては以前から理解はしていましたが、実際に経験したことで、あらためてその素晴らしさを実感しました」(岩澤さん)

実際の岩澤さんの胆石(摘出直後は水分を含んでおり、この写真の約2倍の大きさがあったという)

「自覚症状はなくても、定期的な検査はこれからも受けようと考えています。人生100年時代と言われている今、健康な体で会社員生活やセカンドライフを楽しみたいですね」。インタビューでは自身の経験を穏やかに語ってくれた岩澤さん。穏やかな語り口からは、逆境を乗り越えたからこそ得れられた強さや優しさが感じられました。

ラパコレとは?:ラパロスコピックコレシステクトミー(laparoscopic cholecystectomy:腹腔鏡下胆のう摘出術)の略称