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薬師洋行(やくしひろゆき)
スポーツ写真家。1969年からスキー・ワールドカップ、ほか10回の冬季五輪など多岐スポーツに渡る。日本スポーツプレス協会副会長。
光と影をどう画角に収めるかを瞬時に判断し、
“雪山に絵を描く”かのように構図を決める。
このときが一番楽しい瞬間です。
カメラとの出会いは中学生のときでしたか、兄のカメラを借りて撮ったのが最初でした。高校時代には、学校の体育祭なんかで“記念写真屋さん”をやってましたね。
自分のカメラを持ったのは大学の写真部に入ってからです。近くに「立山」があって友人にスキーヤーがいっぱいいたせいか、自然とスキーの写真を撮るようになっていました。基本的にはこれがスポーツ写真を撮った最初でしょうか。
本格的に競技スキーの写真を撮るようになったのは、1969年のスキーワールドカップからです。ただしこのときはまだ学生でしたからプロの意識はありませんでした。1970年の11月に「アサヒグラフ」の特派員というかたちで取材費を出してもらって行ったのが、本格的なプロデビューといえます。
当時、スポーツ写真を撮る人は新聞社のカメラマンだけでしたから、先生がいなくて僕らは外国のスポーツ雑誌をスクラップしては、構図などを参考にしながらテクニックを身につけていきました。
そのころ、“競技写真はこれだ!”という、その後の写真の方向を決定づけるような一枚が撮れたのを記憶しています。
スキーの写真は光と影をどう画面に収めるかが重要です。それを効果的に表現するにはスキーヤーのどちら側に回り込んだらいいかをまず判断し、つぎに“雪山に絵を描く”ようなイメージで構図を決めます。緊張感を伴うこの瞬間が一番楽しい時間ですね。
ご紹介する写真のひとつ、スノーボードの滑走シーンは、光と影の境界にいい感じで雪煙が上がるよう計算しました。スノーボーダーとの呼吸がぴったりと合ってイメージ通りの写真が撮れたと思います。
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