100人の写真家がアフリカのある1日を撮影
2002年2月28日、著名写真家約100人がアフリカ大陸の53か国に散らばり、撮影した写真を使い写真集をつくるという壮大なプロジェクトが実行されました。『A Day in the Life of AFRICA』(あるアフリカの1日;以下DITLA)と名付けられたこのプロジェクトのために、写真家たちは世界26か国からパリに集結、そこからアフリカに飛び、さらに船、小型飛行機、鉄道、バイクなどさまざまな交通手段を使って、この困難なテーマに挑んだのです。
24時間の間に写真家たちによって切り取られたのは、5万枚に及ぶ子どもたちの笑顔や学ぶ真剣なまなざし、野菜や果物が並ぶ市場の喧噪、農園作業や漁労にいそしむ人々、コンピュータの並ぶ近代的なオフィス、祭りや伝統文化、風の吹きすさぶ砂漠、夕日に彩られる湖、じっとこちらを見つめるマウンテンゴリラ……。多くは何気ない日常の1コマであり、アフリカの美しい自然でした。そこには、人々の躍動感と希望に満ちた姿が映し出されていました。
しかし、現実にはアフリカは、干ばつや洪水、貧困、感染症の蔓延、紛争といった問題を抱えています。1日の生活費がたった1ドル以下の最貧国といわれる国々がこの大陸に広がっています。HIV/エイズの問題も深刻です。アフリカには子どもを含め2,500万人もの感染者がおり、1分間に2人の割合で増えているといわれています。
そうした厳しい現実がありながらも、人々はたくましく生きています。DITLAの目的は、アフリカで暮らす人々の日常を見せるとともに、HIV/エイズの状況を世界中の人々に伝え、その出版の全収益をアフリカで猛威をふるうHIV/エイズのための教育に役立てることにありました。
オリンパスはこのプロジェクトに企画段階から参加、公式スポンサー兼撮影機材サプライヤーとして協力、デジタルカメラやその周辺機材、その場で写真を確認するための小型携帯プリンタも提供、約6割は初めてデジタルカメラを触るというプロ写真家たちへのトレーニングや24時間テクニカルサポートも行い、プロジェクトの遂行を全面的に支援しました。この写真集は、全面的にデジタルカメラを使った写真集としても画期的なものでした。オリンパスの技術はこのDITLAの完成にとってなくてはならないものでしたが、同時にこの過酷な撮影を通じてオリンパスは、写真家の信頼を獲得するとともに、その要求を認識することができました。
写真展の収益をミレニアム開発目標(MDGs)のために寄付
写真集は2002年末、英語、フランス語、ドイツ語版が世界20か国以上で発売され、大好評を博しています。
オリンパスでは「アフリカ年2003」(外務省制定)にちなみ、写真展『A Day in the Life of AFRICA』を、東京都写真美術館をスタートに世界で開催。多くの皆様に御来場頂くとともに、「アフリカの見方が180度変わった」、「マイナス面に隠されていたアフリカの明るい一面、美しさを見ることができた」、「さまざまな問題がありながら明るく生きる人々に感動した」などと絶賛されました。
この写真展は、国連開発計画(UNDP)の協力により、2003年10月にニューヨークの国連本部での開催が実現しました。オープニングにはアナン国連事務総長夫人のナーネ・アナン氏やガンバリ国連事務次長兼アフリカ担当事務総長特別顧問などの国連幹部が参加。この席上オリンパス(株)会長・岸本正壽より、「ミレニアム開発目標(MDGs)」達成に役立てるためにとして、東京での写真展の全収益33,000ドル注1が寄贈されました。(肩書きは当時のもの)
国際機関・国際社会とのパートナーシップを推進
ミレニアム開発目標(MDGs)は、国連ミレニアム宣言とそれ以前に採択されたサミットなどの国際開発目標を統合した、国際社会の合意にもとづく約束です。貧困と飢餓の撲滅、普遍的初等教育の実践、男女平等と女性の地位向上、乳幼児死亡率の削減など、国際社会が2015年までに達成すべき8つの目標を掲げています。この中にはHIV/エイズを始めとする感染症の蔓延防止も含まれ、DITLAの目的とも一致していました。一方国連は、DITLAのメッセージがHIV/エイズの啓発にとどまらずミレニアム開発目標の啓発にとってもふさわしいものと考え、オリンパスとパートナーシップを組んだのです。UNDPを通じてこの寄付注1は、HIV/エイズ啓発のための音楽CD『We are the Drums - for an AIDS free Generation- 』として実を結びました。このCDはアフリカのミュージシャンが曲をつくり演奏、歌詞にはHIV/エイズの知識や予防方法が盛り込まれています。現地アフリカのラジオでもこのCDに収められた曲が流され、啓発に役立っています。また、CDは2007年12月1日の世界エイズデーに合わせて中国・北京の中国美術館で開かれたDITLA写真展でも配付されました。同時に、国連ネットワークを通じ、アフリカ全土のメディアに配布されています。
DITLA写真展は現在も各地で開催を続けています。2008年には横浜で開かれる第4回アフリカ開発会議(TICAD IV)に向け、複数の会場で写真展が催されました。会場にはミレニアム開発目標(MDGs)についての説明パネルが展示され、訪れる人にその意義を知ってもらう機会を提供しています。
2004年より、オリンパスは国連が推進する「グローバル・コンパクト」に参加しています。グローバル・コンパクトは、企業がビジネスに取り入れるべき人権、労働、環境及び腐敗防止に関する10原則を定めたもので、いわば企業が国際社会と交わす約束です。オリンパスはその順守にとどまらず、今回のプロジェクトのような国際社会の約束「ミレニアム開発目標達成」への支援を含め、国際的課題の解決に向け、国連機関や国際社会とのパートナーシップ活動を積極的に進めていきます。
注1:これは写真集の収益寄付とは異なる行為です。
活動の詳細・最新情報はA DAY IN THE LIFE OF AFRICAのサイトへ
■ MGDs啓発のために作成されたロゴ
協力:(特活)ほっとけない世界のまずしさ
■ ミレニアム開発目標
1. 極度の貧困と飢餓の撲滅
2. 普遍的初等教育の達成
3. ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
4. 幼児死亡率の削減
5. 妊産婦の健康の改善
6. HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止
7. 環境の持続可能性の確保
8. 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進
■ We are the Drums エイズのない世代へ向けて

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