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2000年 9月 6日
輸血前の血液適合確認を1枚のカードで可能に
~医療におけるリスクマネジメントの向上~
「マイクロタイピングシステムCrossmatchカード(mono)」新発売
受血者A型と供血者A型の適合例 受血者A型と供血者AB型の不適合例
受血者A型と供血者A型の適合例   受血者A型と供血者AB型の不適合例
「マイクロタイピングシステム Crossmatchカード(mono)」
オリンパス光学工業株式会社(代表取締役社長:岸本 正壽)は、輸血用血液製剤と患者血液の輸血適合検査をより確実に簡単に行うために、ABOおよびRh0(D)血液型の異型確認と互いの血液の適合性を確認する交差適合試験を1枚のカードで同時に実施できる「マイクロタイピングシステムCrossmatchカード(mono)」を新発売いたします。本製品により、輸血前検査判定の「標準化」「効率化」を実現し、近年重要性が高まっている医療リスクマネジメントの向上を図ることができます。
従来輸血前検査は、試験管に検体(測定すべき試料)と標準試薬を入れ、これを遠心して凝集をつくり、その後検査者の手で試験管を振りほぐすことにより凝集反応を判定していました。最終的に検査者の熟練度に依存するため、判定結果の「標準化」、「効率化」は大変困難でした。また、検査も血液型の異型確認と交差適合試験は別々に行われてきました。
一方、「マイクロタイピングシステムCrossmatchカード(mono)」はクレジットカード大のカード内で凝集反応を行うという全く新しい発想で検査を行えるカードです。検査試薬が入ったチューブに輸血用血液製剤と患者血液の血球浮遊液(血球と専用希釈液の混合液)を入れ、あらかじめ設定された凝集反応パターンを読みとることで客観的な判定が行えます。また、一度検体をカードのチューブに分注した後は、検査者と検体が直接触れる操作がないため、感染や汚染の危険性がありません。さらに、凝集反応像が長時間(一週間程度)安定であるため、直接コピーによる判定結果の記録が可能です。
今回発売する「マイクロタイピングシステムCrossmatchカード(mono)」を含め、当社のマイクロタイピングシステムは、輸血検査の全ての段階において「標準化」、「効率化」、「安全性」を実現します。その結果、現在では世界70ヶ国以上で幅広く用いられており、日本においても多くの病院、検査センターでご使用頂き、高い評価を受けています。
また、カード用分注機、カード用リーダといった自動機と接続し、血液製剤管理のデータベース化が可能な弊社の製剤管理システムとの併用により、輸血業務全般のリスクマネジメントの向上が図れます。
尚、本製品は9月13日~15日までパシフィコ横浜にて開催される「日本臨床検査自動化学会第32回大会・展示会」に出展致します。
製品名 包装単位 発売時期
「マイクロタイピングシステム
Crossmatchカード(mono)」
48カード/1キット 2000年 9月15日
「マイクロタイピングシステムCrossmatchカード(mono)」の主な特長
  1. 血液型異型確認と交差適合試験が1枚のカードで可能
    1枚のカードで、供血者と受血者の血液型(ABO及びD)の異型確認と、間接抗グロブリン法、酵素法による交差適合試験が同時に実施可能。

  2. 異型輸血のリスクを低減
    供血者と受血者の血液型(ABO及びD)の異型確認が容易なので、異型輸血のリスクを低減。血液型異型の場合は反応凝集像が2層に分かれ一目で確認可能。

  3. 供血者と受血者の血球浮遊液は血液型異型確認と交差適合試験で同一
    濃度0.8%、分注量50μLの同一の血球浮遊液で検査可能な為、検査効率が向上。

  4. 判定結果の客観的な判断が可能
    判定像は、4+から1+までの陽性4段階と、-の陰性、DCP(ダブルセルポピュレーション:+-が2層で出現)と6種類に分類。試験管による検査法で困難だった判定結果の客観的な判断が可能。

  5. 反応像が長時間安定で、コピーによる判定結果の記録が可能
    検査試薬のゲル内で凝集する為、反応像が長時間安定。カード型なのでコピーによる判定結果の記録が可能。

  6. 自動化、データベース化等のシステムの拡張が可能
    検体・試薬を自動分注するカード分注機、カードの遠心と判定像の読み取りを行うカードリーダー、検査結果と製剤管理を行う製剤管理システムなどを用意。輸血業務のトータル管理によりリスクマネジメントを向上。
「マイクロタイピングシステムCrossmatchカード(mono)」の構成および主成分
抗Aチューブ 抗A抗体(マウス由来・モノクローナル抗体)含有ゲル40μL/マイクロチューブ×1/カード
抗Bチューブ 抗B抗体(マウス由来・モノクローナル抗体)含有ゲル40μL/マイクロチューブ×1/カード
抗Dチューブ 抗D抗体(マウス由来・モノクローナル抗体)含有ゲル40μL/マイクロチューブ×1/カード
バッファーチューブ バッファーゲル40μL/マイクロチューブ×1/カード
抗ヒトグロブリン抗体
(多特異性抗体)チューブ
ウサギ由来ヒトグロブリンポリクローナル抗体(多特異性抗体)含有ゲル40μL/マイクロチューブ×2/カード
「マイクロタイピングシステムCrossmatchカード(mono)」の保管
貯蔵方法 10~30℃保存
有効期間 自家試験に合格した日から12ヶ月
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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