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2008年9月1日

腹腔鏡下外科手術を超えて将来の低侵襲治療の実現に向けた
コンセプトモデル「マルチタスク内視鏡システム」を開発

「マルチタスク内視鏡システム」コンセプトモデル 軟性内視鏡先端の2本のアーム

「マルチタスク内視鏡システム」
コンセプトモデル

軟性内視鏡先端の2本のアーム

オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:森嶌 治人)は、患者さんに負担の少ない内視鏡治療の発展に貢献するために、軟性内視鏡を用いた腹腔内手術の新手技「NOTESTM※1を始めとする新しい低侵襲治療の実現に向けたコンセプトモデル「マルチタスク内視鏡システム」を開発しました。
同コンセプトモデルは、体腔内の観察・処置への寄与を目的としており、軟性内視鏡とその先端部に取り付けられた2本のアームを操作するシステムです。アーム操作部の両手操作によって、2本のアームは上下左右に、またアームに挿入された専用処置具は回転、進退、先端部の開閉を自由に操作することが可能です。
今後は、医師と共に基礎研究を通じて新たな手術手技に合わせた機器の改良を進めることで、実用化を目指していきます。

※1 「NOTESTM」について
  Natural Orifice Translumenal Endoscopic SurgeryTMの略で、「経管腔的内視鏡手術」を指します。胃・大腸・子宮・膀胱などの管腔臓器を通じて軟性内視鏡を腹腔内にアプローチする外科・内科境界領域の内視鏡治療手技です。患者さんへの負担軽減を目指した手技として、基礎研究がグローバルにさかんに進められています。

なお、本コンセプトモデルは2008年9月2日から5日までパシフィコ横浜で開催される「第11回世界内視鏡外科学会(学会長:大分大学医学部第1外科 北野 正剛 教授)」に展示されます。

技術開発の背景

当社は、長年に渡り内視鏡のリーディングカンパニーとして低侵襲治療の発展に向けて、消化器内視鏡をはじめ処置具や内視鏡下外科手術用機器、治療機器に至るまで低侵襲診断・治療事業を幅広く展開しています。内科・外科医及び各専門学会とのパートナーシップを通して臨床現場のニーズを捉え、患者さんのQOL向上に貢献する機器やサービスを提供しています。「NOTESTM」などの学際的な低侵襲治療手技の実現に向けた医師の基礎研究活動を支援するとともに、消化器内視鏡、処置具、外科内視鏡の融合技術によって将来の「NOTESTM」を含む低侵襲治療の実現に向けた技術開発に取り組んでいます。




将来の低侵襲治療の実現に向けて当社の
取り組み強化を表明するスローガン
スローガン

オリンパスメディカルシステムズ株式会社 代表取締役社長  森嶌 治人のコメント

1980年代後半に開発された「腹腔鏡下外科手術」は、開腹手術に比べて患者さんへの負担が少なく、例えば胆嚢摘出は、先進国においてほとんどが腹腔鏡下外科手術で行われるまでに普及してきました。当社は、内視鏡のリーディングカンパニーとして、更なる低浸襲治療手技の開発のための医師の基礎研究活動を支援するとともに、消化器内視鏡、処置具、外科内視鏡の技術を融合することによって、新たな機器開発に取り組んでいきます。

「マルチタスク内視鏡システム」について

  1. 高力量、多自由度を実現する軟性内視鏡先端の2本のアーム
    軟性内視鏡の先端部に取り付けられた2本のアームは、それぞれ2つの湾曲部を有し、臓器や組織を持ち上げる力を想定して湾曲部の剛性を高めています。また、2本のアームは上下左右に、またアームに挿入された専用処置具は回転、進退、先端部の開閉を自由に操作することが可能です。
  2. 直感的操作を実現するアーム操作部
    アーム操作部はあたかも腹腔鏡用処置具の操作の感覚で、両手を使った機械式駆動によって2本のアームを自在に操作できます。
  3. 直感的操作を実現するアーム操作部

  4. 複雑な作業を実現する入れ替え方式の専用処置具
    様々な種類の専用処置具の入れ替えが可能で自在に動く2本のアームに加えて、軟性内視鏡の鉗子挿通用管路にも通常の処置具が入れられるため、合計3本の処置具を使って複雑な作業を実現します。
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