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2009年2月16日

消化器や呼吸器領域の幅広い超音波内視鏡手技に対応
世界初、電子走査とメカニカル走査を1台で実現

「内視鏡用超音波観測装置EU-ME1」を世界同時発売

「内視鏡用超音波観測装置 EU-ME1」 内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS LUCERA SPECTRUM」のトロリーに搭載された「内視鏡用超音波観測装置 EU-ME1」

「内視鏡用超音波観測装置 EU-ME1」

内視鏡ビデオスコープシステム
「EVIS LUCERA SPECTRUM」のトロリーに搭載された
「内視鏡用超音波観測装置 EU-ME1」

オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:森嶌 治人)は、食道がんや胃がんの深達度診断、膵臓がんや肺がんの確定診断・病期診断などを目的に、幅広い超音波内視鏡 手技に対応し、世界初の電子走査とメカニカル走査を1台で実現した「内視鏡用超音波観測装置 EU-ME1」(以下、「EU-ME1」)を3月2日から世界で同時発売します。
従来は異なった本体装置に接続していた当社製超音波スコープ7機種、超音波プローブ 14機種を本装置1台に接続が可能です。また、当社製内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS LUCERA」シリーズのトロリーへの搭載が可能で、共通のハイビジョンモニタ、キーボードを使用して消化器内視鏡から超音波内視鏡検査までを効率的に実施することが可能です。

※  2009年2月16日現在、超音波内視鏡分野において自社調べ。

発売の概要(国内)

商品名 発売時期
内視鏡用超音波観測装置 EU-ME1 2009年3月2日

主な特長の概要

  1. 世界初、電子走査とメカニカル走査を1台で実現する汎用的なシステム
  2. 高画質を実現した電子走査に各種ドプラ機能を搭載
  3. 当社製内視鏡ビデオスコープシステムとの互換性を確保

「内視鏡用超音波観測装置 EU-ME1」の導入の背景
超音波内視鏡は1980年代に体外からのアプローチでは検査が困難な膵臓がんの早期発見を目的に開発、実用化されました。以降、胆道がんの診断や胃がんの深達度診断、2000年代には肺がんのリンパ節転移診断を目的に超音波ガイド下穿刺が実施されるなど、応用が拡大してきました。超音波内視鏡を世界で初めて実用化した当社は、このような手技の発展とともに、組織表層から深部臓器に至るまで高画質で観察するための高解像化や電子化などの機器開発を通じて医療現場に貢献してきました。「EU-ME1」は、医療現場の様々な診断手技に応じて効率的にご使用頂けるように「汎用性」、「高画質」、「使いやすさ」を実現する機種として8年振りにモデルチェンジしました。

主な特長の詳細

1.世界初、電子走査とメカニカル走査を1台で実現する汎用的なシステム
当社製の画像診断用の電子ラジアルスコープ、メカニカルラジアルスコープ、超音波プローブと超音波ガイド下穿刺に用いる電子コンベックススコープが「EU-ME1」に接続可能。これにより、食道や胃などの消化管や膵臓・胆道領域、呼吸器領域の画像診断から超音波ガイド下穿刺による組織・細胞診断に至るまで幅広い手技に対応。

2.高画質を実現した電子走査に各種ドプラ機能を搭載
汎用機でありながら高精細な電子走査式の超音波画像観察が可能。さらに、関心領域の血流動態から血管の位置を認識する、カラーフロー、パワーフローの2種類のドプラ機能に対応。

3.当社製内視鏡ビデオスコープシステムとの互換性を確保
本体装置の小型化により、当社製の内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS LUCERA」シリーズのトロリーへの搭載が可能。また、同シリーズとの互換性を確保し、共通のハイビジョンモニタ、キーボードを使用して内視鏡検査から超音波内視鏡画像診断までを効率的に実施することが可能。

参考資料

超音波内視鏡について
スコープ先端部に超音波振動子を搭載した内視鏡のことで、体腔内から人間の聴覚では捉えられない周波数の高い音波を発信し、反射波の様子によって対象物の状態を画像化します。体外から観測しにくい食道・胃などの消化管や膵臓・胆道領域、呼吸器領域で広く使われています。

超音波内視鏡の走査方式について

-メカニカル走査方式
超音波振動子に電圧を加えモーター駆動で回転させることにより、超音波を送受信する方式。当社では、振動子を回転させることで360°に渡って画像が表示できるメカニカルラジアル走査方式の超音波内視鏡および通常内視鏡の鉗子挿通用管路に挿入できる超音波プローブを商品化しています。

-電子走査方式
短冊状の多数の振動子を電気的に制御することで順次超音波を送受信する方式。 当社では、短冊状の振動子を円周上で並べた360°電子ラジアル走査方式の超音波内視鏡を実現しています。また、スコープの挿入方向と同一方向に扇形上に超音波を走査することで、スコープの鉗子挿通用管路に挿入した検体採取用の吸引生検針を超音波画像で確認しながら穿刺手技が可能な電子コンベックス走査方式の超音波内視鏡を商品化しています。

ドプラ機能について
ドプラ現象(観測者が音源に近づきつつあるときに、音の周波数は高く聞こえ、逆に遠ざかりつつあるときには、周波数が低く聞こえるという現象)を利用して超音波断層像中の動き(主に血流)を検出し、その血流の有無(パワーフロー)や血流の方向を色分け(カラーフロー)して表示する方法。

主なオリンパスの超音波内視鏡の歴史

1978年 膵臓がんの早期発見を目的に、超音波内視鏡の開発をスタート
1980年 超音波内視鏡試作1号機を開発(ミラー反射式、5MHz、画像表示範囲90°)
1981年 超音波内視鏡で胃壁の5層構造が発見され、胃がんの深達度診断の基礎となる。
1982年 <世界初>内視鏡用超音波観測装置「EU-M1」発売(振動子回転式、7.5MHz)
1988年 内視鏡用超音波観測装置「EU-M3」発売(7.5MHzと12MHz切り替え式)
1990年 内視鏡用超音波プローブ「UM-1W」発売(膵・胆管に挿入可能)
1991年 内視鏡用超音波観測装置「EU-M20」発売(20MHzに対応)
1993年 超音波内視鏡のビデオスコープ化
1996年 内視鏡用超音波観測装置「EU-M30」発売(EVISシステムとの互換性確保)
2001年 内視鏡用超音波観測装置「EU-M2000」発売(高解像化、超音波プローブ画像の3次元立体表示)
2001年 超音波観測装置システム「EU-C2000」発売(コンベックス走査方式)

「内視鏡用超音波観測装置 EU-ME1」の主な仕様

寸法 370(W)×185(H)×480(D)mm(本体標準寸法)
393(W)×41(H)×205(D)mm(キーボード)
質量 23.0 kg(本体)
2.7 kg(キーボード)
走査方式 電子ラジアル走査
電子コンベックス走査
メカニカルラジアル走査
ヘリカル走査
表示方式 Bモード
パワーフローモード
カラーフローモード
周波数 【電子走査】5MHz、6MHz、7.5MHz、10MHz、12MHz
【メカニカル走査】C5、C7.5、C12、C20、
7.5MHz、12MHz、20MHz、30MHz
表示パターン 全円、上下半円表示
スクロール機能
計測機能 距離計測
面積・周囲長計測
信号出力 標準TV信号、B/W信号、HDTV信号
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