オリンパスメディカルシステムズ株式会社（以下オリンパス、社長：森嶌 治人）は、Medinol LTD.（以下メディノール社、本社：イスラエル･テルアビブ市、CEO：Dr. Judith Richter）の協力に基づいて、狭窄した胆管の拡張、維持を目的とした胆管メタリックステント^※1「X-Suit NIR^®」（エクスートニア）の商品化を実現し、欧州およびアジア一部地域で2009年3月27日から、米国では同年4月24日からオリンパスが独占的に販売を開始します。なお、日本では製造販売承認取得後に発売を予定しており、全世界での販売を目指します。

オリンパスは消化器内視鏡のリーディングカンパニーとして、膵胆管診断・治療に貢献するために、様々な十二指腸内視鏡や膵胆管処置具を商品化し、ユーザーニーズに応えてきました。今後さらにメタリックステント商品群のラインアップ拡充を図り、内視鏡処置具の総合的な価値提供により事業を拡大していきます。

※1	メタリックステント:金属でできた網目状の筒で、人体の狭窄した部位（血管、胆管、食道、気管など）に留置して狭窄を解除する医療機器。

主な特長の概要

1. 形状記憶合金に独自のセルデザイン「NIRflex^TM Cell Design」を採用
2. 優れた拡張力と柔軟性を両立
3. 優れた挿入性能と安定したステント留置性能を実現するデリバリーカテーテル

「オリンパスメディカルシステムズ株式会社　代表取締役社長 森嶌 治人」のコメント

「胆管病変の内視鏡的治療に必要不可欠なメタリックステントを、まもなく発売できることになりました。このステントはイスラエルのメディノール社の協力のもと、商品化に向けて長期間にわたって研究・開発した製品です。ステントの性能として極めて大切な”拡張性”と”柔軟性”の両方を兼ね備えた、いわば”オリンパスらしい独自デザインで高品質なステントシステム”として、自信を持ってお勧めできる製品に仕上げることができました。」

胆管メタリックステント留置の手技例

1．十二指腸内視鏡の鉗子挿通用管路を通じて、十二指腸乳頭から胆管まで挿入されたガイドワイヤをガイドに、先端にステントが装填されたデリバリーカテーテルを狭窄部位まで挿入。
2． ステント留置位置をX線で確認しながら、デリバリーカテーテル手元側の操作によってステントを留置。
留置中	留置後

主な特長の詳細

1．形状記憶合金で独自の網目構造「NIRflex^TM Cell Design」を採用

太く大きな山のワイヤと、細く小さな山のワイヤを交互に連結する独自の網目構造により、メタリックステントに要求される優れた拡張力と柔軟性を両立させました。また、向かい合ったワイヤの山と山が重ならない構造により、曲げた際にも平坦な表面を維持するとともに、細かい網目構造により、胆管壁への高い密着度を実現します。 さらに、デリバリーカテーテル先端から留置する際のステントの短縮もほとんどなく、所望の位置に留置することが可能です。

「NIRflexTM Cell Design」

2．優れた拡張力と柔軟性を両立
太く大きな山のワイヤが強い拡張力を、細く小さい山のワイヤが縦の力を横に逃がす働きにより高い柔軟性を生み出しています。これにより、屈曲した胆管にも座屈せずにフィットするとともに、再狭窄のリスクを軽減します。

3．優れた挿入性能と安定したステント留置性能を実現するデリバリーカテーテル
最適なテーパー形状と硬さを実現した先端チップ搭載のカテーテルにより、十二指腸乳頭への挿入性と胆管狭窄突破性能を高めました。また、カテーテルの内筒と外筒の間に中筒を採用することにより、カテーテルが曲がった状態でも内径が確保されるため、一定の力でステント留置が可能です。

主な仕様

ステント直径	ステント全長	デリバリーカテーテル有効長
φ8mm	40mm	1900mm
	60mm
	80mm
	100mm
φ10mm	40mm	1900mm
	60mm
	80mm
	100mm

メディノール社の概要

社名：	Medinol LTD.（http://www.medinol.com）
設立：	1992年
CEO：	Dr. Judith Richter
所在地：	Bldg. #7, Entrance A, 5th floor Kiryat Atidim PO Box 58165 Tel Aviv, 61581, Israel
従業員数：	約200名
事業内容：	メタリックステントおよびステンティングシステムの開発、製造