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2012年6月8日

新しいオリンパス創生に向けた中期ビジョン

~「原点回帰」により信頼を回復し、オリンパスの再生と、新たな企業価値創造を実現~

オリンパス株式会社(社長:笹 宏行)は、2012年4月20日付で発足した新経営体制により、2013年3月期を初年度とした5ヵ年の新中期ビジョンを策定しました。中期ビジョンのスローガンを「原点回帰」とし、オリンパス創業の原点に立ち返り再出発をすることで、ステークホルダーからの信頼を回復し、オリンパスの再生と、新たな企業価値の創造を目指します。

経営方針

新経営体制における経営方針を「原点回帰」、「One Olympus (ワン・オリンパス)」、「利益ある成長」の3方針としました。過去の不祥事の反省にたち、「原点回帰」を全ての戦略遂行、行動の基本とし、「One Olympus (ワン・オリンパス)」=世界中の社員が価値観・目標を共有して一丸となることで、「利益ある成長」を目指します。

・原点回帰
オリンパス創業の原点に立ち返り、将来を見据え再出発することで、ステークホルダーからの信頼を回復し、オリンパスの再生と、新たな企業価値創造を目指します。
(オリンパス創業の原点とは)
(1)製品・ソリューションを通して社会の発展に貢献するという使命感
(2)世界初、世界一流の製品づくりに挑戦
(3)顧客原点、顧客ニーズへのこだわり

・One Olympus (ワン・オリンパス)
世界中の社員が価値観・目標を共有して一丸となり、英知を結集し、チームワークを発揮しながら、価値創造の最大化を図ります。

・利益ある成長
事業ドメインを「医療」「ライフ・産業」「映像」と再定義したうえで、これまでの過度な売上偏重から脱却すると共に、コスト構造を徹底的に見直し、効率性を追求しながら利益ある成長を図ります。

基本戦略

上記の経営方針に基づき、オリンパス再生と新たな企業価値創造を実現するため、以下の基本戦略を実行します。

1. 事業ポートフォリオの再構築・経営資源の最適配分
事業ドメインを「医療」「ライフ・産業」「映像」と位置付け、「医療」事業を中心に戦略的に経営資源を投下します。

医療事業では、消化器内視鏡分野においては、更なる基盤の強化によって安定的な収益を確保しつつ、先進国をはじめとする内視鏡医療の高度化や新興国市場等での市場拡大を収益面での成長に確実に結び付けていきます。また、外科分野では、高齢化の進展、低侵襲治療ニーズの高まり、医療コスト削減に対応し、手術室イメージング領域でのシェア拡大とエネルギー(電気メス、超音波メスなど)ビジネスの基盤確立により飛躍的な成長を目指します。

ライフ・産業事業では、全社の基盤技術を活用し、産業分野において商品構成を積極拡大し、対象市場を広げ成長を図るとともに、ライフサイエンス分野では、生産拠点の見直しによる製造原価低減、調達のグローバルコントロールや業務効率化等による販管費削減を推進し、収益構造の抜本的な改革を行います。

映像事業では、ミラーレス一眼、高価格帯コンパクトへ経営資源を集中することで商品構成を見直し、収益性の向上を図ります。加えて、既存製造機能の再編による生産性の向上、広告投資の選択と集中、要員最適化による販管費の削減により、2013年3月期の黒字化と、その後も継続的に安定した利益を創出できる収益体質の構築を目指します。

非事業ドメインは、事業、子会社ごとに最適な事業価値向上策を再検討します。具体的には、事業ドメインとの関連性の見極めと最適な事業価値向上策を再検討したうえで、収益性、将来性等の観点から、オリンパスグループ内での事業継続が難しいと判断した事業、子会社については、大胆に売却、縮小、整理、撤退をします。なお、これら非事業ドメイン領域への新規の成長投資は原則として行わない考えです。

2. コスト構造の見直し
全社的な収益力を向上させるため、原価低減、販管費の大幅削減に取り組みます。具体的には、「要員の最適化」、「製造拠点再編と調達力強化による原価低減」、「全社的な販管費削減活動の加速」を強力に推し進めます。

要員の最適化については、各事業の機能や本社部門の間接要員等の効率化に加え、子会社やグローバルでの製造拠点等の再編を通じ、2014年3月期末までに、約2,700人(2012年3月末時点 グローバル従業員数の約7%)規模の要員が減少します。

製造拠点再編と調達力強化による原価低減の取り組みでは、全世界に現在30拠点ある製造拠点について、2015年3月期までに、統廃合等により約4割を再編し、コスト競争力の強化を図ります。さらに、全社の購買機能を一元的にコントロールし、調達コスト低減にも取り組みます。

全社的な販管費削減では、2011年4月から推進してきた販管費削減の取り組みをさらに加速します。具体的には、2017年3月期までの5年間で、事業機能の効率化、要員の最適化を通じた取り組みにより、人件費等の固定費を削減し、事業ドメイン(医療、ライフ・産業、映像、本社部門)の売上高販管費率を約6.6ポイント低減させます。

3. 財務の健全化
各事業戦略の確実な実行により安定した事業収益を確保し、株主資本の積み増しを図ります。さらに、R&D、設備投資等の今後の成長投資を、医療を中心に振り向け、投資効率を改善することによりキャッシュフローを最大化し有利子負債を削減します。こうした取り組みに加え、遊休固定資産等の非効率な資産の早期売却、在庫など棚卸資産の圧縮等による資産のスリム化を図り、自己資本比率を早期に改善し、経営の安定化を実現します。尚、資本の充実については、今後の成長投資を支える財務基盤の強化、及びオリンパス再生に向けた事業基盤の強化という観点から、重要な経営課題と認識しております。

4. ガバナンスの再構築
2012年4月20日開催の臨時株主総会で承認・可決された新たなコーポレートガバナンスの仕組みに基づき、経営の執行と監督を明確に分離した経営を推進します。同時に、過去の損失計上先送りのような不祥事を二度と起こすことのないよう、高い倫理観の醸成とコンプライアンスに対する意識改革、コンプライアンス推進体制強化に努め、全社一丸となりガバナンスの再構築に取り組みます。

評価指標と目標水準

こうした基本戦略遂行の成果を、「投下資本利益率(ROIC)」、「営業利益率」、「フリーキャッシュフロー」、「自己資本比率」の4つの指標でモニタリングします。

(評価指標) (2012年3月期実績値) (2017年3月期目標水準)
投下資本利益率(ROIC) 2.7% 10%以上
営業利益率 4.2% 10%以上
フリーキャッシュフロー △48億円 700億円以上
自己資本比率 4.6% 30%以上

(補足) 投下資本利益率(ROIC)について (=Return On Invested Capital )

企業が投下した資本(IC)に対して、どれだけの利益を出せたかを測る指標です。当社では、以下の前提により算出しています。
Return (税引き後営業利益) / IC (株主資本+有利子負債)

ご参考

(連結数値計画)

(単位:億円)

  2013年3月期 2015年3月期 2017年3月期
売上高 9,200 10,100 11,600
営業利益
(営業利益率)
500
(5%)
900
(9%)
1,300
(11%)
経常利益
(経常利益率)
210
(2%)
700
(7%)
1,150
(10%)
当期純利益
(当期純利益率)
70
(1%)
400
(4%)
850
(7%)
EBITDA
(EBITDAマージン)
950
(10%)
1,400
(14%)
1,850
(16%)

<為替前提> 1ドル=80円、1ユーロ=100円

(セグメント数値計画)

(単位:億円)

  2013年3月期 2015年3月期 2017年3月期
売上高 医療 3,830 4,700 5,700
ライフ・産業 970 1,080 1,200
映像 1,490 1,600 1,700
情報通信 2,370 2,340 2,450
その他 540 380 550
合計 9,200 10,100 11,600
営業利益 医療 750 970 1,260
ライフ・産業 55 80 140
映像 10 70 90
情報通信 50 50 50
その他 △65 10 50
全社・消去 △300 △280 △290
合計 500 900 1,300
営業利益率(%) 5% 9% 11%
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