オリンパスメディカルシステムズ株式会社（社長：田口　晶弘）は、超音波内視鏡検査で使用する内視鏡用超音波観測装置「EU-ME2」シリーズを、2013年12月から日本で販売開始し、各地域でも順次発売します。

超音波内視鏡検査とは、通常の内視鏡の先端に超音波振動子がついた特殊な内視鏡を用い、これを口から挿入して消化管壁や周囲の臓器などの検査を行うものです。体外からの超音波検査（体外エコー検査）では観察しにくい膵臓などの深部臓器や、胃などの消化管壁を、体内からより近くで観察でき、膵臓がん・肺がんの精密検査や胃がん・食道がんの深達度診断などを目的として行われます。

内視鏡用超音波観測装置とは、超音波内視鏡検査の際に内視鏡と接続して超音波を送受信する装置です。今回発売する「EU-ME2」シリーズは、従来品^※1と同様のコンパクトサイズでありながら、より高精細な画像を実現し、ノイズを軽減する機能や組織の硬さを画像化する機能など、多彩な機能を新たに搭載しました。腫瘍や血流情報などの鮮明な画像描出をサポートします。また、本製品は当社製内視鏡システム専用のカート^※2に搭載でき、当社製内視鏡システムと組み合わせて使用可能です。優れた操作性で検査を効率的に実施することができます。

なお、本製品は第49回日本胆道学会学術集会（2013年9月19日～20日：ヒルトン東京ベイ）で展示致します。

※1	内視鏡用超音波観測装置「EU-ME1」（2009年3月発売）
※2	写真参照

発売の概要（日本）

販売名	発売予定日
EVIS EUS 内視鏡用超音波観測装置　OLYMPUS EU-ME2 PREMIER PLUS	2013年12月
EVIS EUS 内視鏡用超音波観測装置　OLYMPUS EU-ME2

主な特長

1. 高精細画像を実現し、腫瘍や血流情報などの鮮明な画像描出をサポート
2. コンパクトサイズで多彩な機能を新たに搭載
3. 当社製内視鏡システムと連携し、優れた操作性を実現

発売の背景

超音波内視鏡は、1980年代に膵臓がんの診断を目的に実用化されました。膵臓は深部臓器であり、体外エコー検査では、手前にある胃や腸が障害となって観察しにくいという問題点がありました。そこで、膵臓の近くにある胃や十二指腸に挿入した内視鏡から超音波を発することで、膵臓をより正確に観察することを目的に、超音波内視鏡を実用化しました。以降、胆道がんの診断や胃がん・食道がんの深達度診断、肺がんのリンパ節転移診断など、使用範囲が拡大しています。近年では、超音波画像下で病変を観察しながら、穿刺し組織や細胞を採取して診断を行う手技も行われています。これらの手技は、日本でも保険収載され、ますます広がりをみせています。

超音波内視鏡を使用した手技が普及するにつれて、超音波内視鏡検査の果たすべき役割が高まってきています。より正確な診断や安全な手技へのサポートが求められるなか、鮮明な超音波画像を描出できる装置への期待に応えるため、今回新製品を発売します。

主な特長の詳細

1.高精細画像を実現し、腫瘍や血流情報などの鮮明な画像描出をサポート
超音波の送受信処理を高精度化することで、従来品よりも高精細な画像を実現しました。腫瘍や血流など、鮮明な画像描出をサポートし、信頼できる治療方針の決定に貢献します。

2.コンパクトサイズで多彩な機能を搭載
コンパクトサイズでありながら、従来品にはなかった多彩な機能を搭載しました。たとえば、THEモード^※3を使用することで、ノイズを画像信号処理で除去し、より鮮明な画像を得ることが期待できます。
また、超音波を用いて組織の硬さを画像化するELSTモード^※4を新たに搭載しました。これが、病変の良悪性などの判断の一助となる可能性があります。
その他、血流の速さや流量等、血流の詳細情報を表示するPWDモード^※5や微細血管も描出可能なH-FLOWモード^※6なども搭載しています。詳細な血流情報を得ることで、超音波画像下で穿刺を行う場合でも、血管を避けてより安全な手技をサポートし、診断精度の向上に貢献します。

3.当社製内視鏡システムと連携し、優れた操作性を実現
本製品は、当社製内視鏡システムの専用のカートに搭載でき、当社製内視鏡システムと組み合わせて使用が可能です。共通のキーボードを使用して、内視鏡検査から超音波内視鏡画像診断まで行うことができ、優れた操作性で検査の効率性を高めます。

※3、4	「EU-ME2 PREMIER PLUS」に搭載。
※5	得られた血流情報を基に、動脈と静脈を見分けることができます。「EU-ME2」、「EU-ME2 PREMIER PLUS」の両製品に搭載。
※6	「EU-ME2」「EU-ME2 PREMIER PLUS」の両製品に搭載。