Galapagos Islands「絶海に生きる - ガラパゴス諸島」

第1話:19歳のときに出会った、驚異の大自然。僕に動物写真家への道を歩ませたガラパゴス諸島へ。


Galapagos Islands
面積10km2を超える13の島と、100以上の島や岩礁が広範囲に点在。これらの島々は海底火山の噴火によって出来たと考えらている。ホットスポット(マグマの吹き出し口)があるのは、現在のフェルナンディナ島周辺の海底下。この一帯にあるナスカプレートは年間数cmずつ東南東へと動いているため、形成された島々も東南東へと移動し、東ほど古くに出来た島、西側は新しい島といわれている。

僕が動物写真家となったルーツともいえる場所、それはガラパゴス諸島だ。19歳のとき、動物写真家であった父の助手としてガラパゴス諸島を訪れたのだが、大自然の驚異にすっかり圧倒されてしまった。そのときの感動が、僕に動物写真家としての道を歩ませた。
ガラパゴス諸島は南米大陸の西方、赤道直下に点在するエクアドル領の島々。チャールズ・ダーウィンが進化論の着想を得たところとして知られ、「世界自然遺産」の第1号でもある。生息する野生動物の多くは、ガラパゴスゾウガメをはじめ、ここでしか会うことのできない固有種。かつて一度も大陸と陸続きになったことがない絶海の島々には、長年の間に独自の進化を遂げた爬虫類や鳥類などが生息している。
僕はこれまで3回訪れたことがあるが、2015年10月、ほぼ1カ月間をかけ、4回目の撮影取材を行う機会を得た。ネコのロケ取材などを終えたその足で、世界一周チケットを手に、ブラジル・サンパウロからアメリカ・パナマシティに向かい、そこからエクアドルのグアヤキルに入って一泊。翌日、ガラパゴス諸島の小さな島、バルトラ島の飛行場に降り立ち、まずサンタクルス島へと船で渡った。


サンタクルス島の森

サンタクルス島は、諸島で2番目に大きな島。メインストリートには土産物屋がずらりと並び、世界中から集まる多くの観光客で賑わっている。僕が初めて訪れた1970年にはクルマも1~2台しか見かけなかったが、1978年に初めての「世界自然遺産」に登録されて以来、観光地化が進み、人口が急増したという。ガラパゴスはエクアドル経済にとって稼ぎ頭なのだが、一方で、島外から持ち込まれた外来生物による生態系の破壊が懸念されている。2007年には、その価値が危ぶまれる「危機遺産」リスト入りするまでの事態となったが、環境保護政策によって2010年には解除された。世界自然遺産になったことが、かえって環境にダメージを与えるという皮肉を招いているのなら、考えさせられる問題だ。
さて、僕は撮影取材に備え、ガイドさんと打ち合わせをした。彼は、72歳のベテランだ。チャールズ・ダーウィン研究所のスタッフであり、ピンタ島に生息していたゾウガメの最後の生き残りの一頭「ロンサムジョージ(孤独なジョージ)」が2012年に逝ってしまったとき、背負ってお墓まで連れていったのが、彼である。
さあいよいよ、ここサンタクルス島から、ガラパゴスの野生動物たちの撮影開始だ。

ガラパゴス諸島 ギャラリー