ミラーレス一眼カメラOM-D E-M1 Mark II長年の技術の蓄積により誕生した革新的モデル

オリンパスの映像事業は2016年、事業開始から80周年を迎えました。1936年に当社の前身である高千穂製作所がズイコー(瑞光)レンズを開発し、カメラ第1号機「セミオリンパスI型」を発売して以来、長年にわたってカメラ開発に取り組んできました。ここで紹介する、ミラーレス一眼カメラ「OM-D」シリーズのフラッグシップモデル「OM-D E-M1 Mark II」は、その長い年月をかけて培われた「オリンパスのカメラ開発技術の集大成」ともいえる高性能なカメラです。オリンパスのカメラ開発へのこだわりや歴史に触れながら、「OM-D E-M1 Mark II」の技術的な特長を解説するとともに、オリンパスの高性能レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」と独自の手ぶれ補正技術について紹介します。

ここに掲載されている内容は2017年1月25日時点の情報です。

「大きさは半分。性能は倍」を基本理念に、高性能な小型・軽量カメラを開発

80年を超える長い歴史を持つオリンパスの映像事業ですが、フィルムカメラ時代から現在のデジタルカメラにいたるまで、製品開発で最も重視しているのは「カメラの小型・軽量化」です。1959年発売のハーフサイズカメラ「オリンパスペン」に代表されるように、これまでにはない革新的な小型・軽量カメラの開発にこだわり、妥協のないモノづくりに取り組んできました。

オリンパスがカメラの小型・軽量化を重視するのは、小さくて軽いほうが携帯性にすぐれ、ユーザーの利便性が高まるからです。ただし、小型・軽量化することで性能が低下しては意味がありません。そのため「大きさは半分。性能は倍」を一貫した基本理念とし、小型・軽量ながらも高性能なカメラを開発するために日々、研究開発を続けています。

設計と生産が一丸となり技術を蓄積

小型・軽量で高性能なカメラを開発するには「技術の蓄積」が欠かせません。カメラは光学や機械、電子設計が複雑に絡み合った精密機器で、一朝一夕で小型化したり、性能を向上させることはできません。小型・軽量と高性能を両立するには、細かな技術の積み上げと、それを高めていくことが極めて重要です。

過去には、ハーフサイズカメラ「オリンパスペン」のほかにも、当時の世界最小・最軽量をうたった35mm一眼レフ「OM-1」、“カプセルカメラ”の愛称で親しまれたスライド式カバー採用の「XA」、世界で初めて生活防水に対応した全自動コンパクトカメラ「AF-1」といった革新的なカメラを数多く商品化してきました。コンパクトカメラ「μ(ミュー)」シリーズでは小型デザインと生活防水の進化を取り入れ、「Tough(タフ)」シリーズでは水中撮影が可能な防水性能や耐落下衝撃性能により圧倒的なタフネス性能を実現しました。このように次々と新しい機能や性能を実用化できたのは、ひとえに技術の蓄積によるものです。これまでの開発で培った小型・軽量化、防水性能等の技術は、最新のミラーレス一眼カメラにも活かされています。

また、カメラを製品化するには、すぐれた加工・生産技術が不可欠です。オリンパスでは設計と生産が「小型・軽量で高性能なカメラを開発する」という同じ目標を共有し、培ってきた技術を応用しやすく、また新しい技術を形にしやすい体制を整えています。

プロフェッショナルのニーズに応える次世代の高性能ミラーレス一眼カメラ「OM-D E-M1 Mark II」


高性能を実現したミラーレス一眼カメラ「OM-D E-M1 Mark II」

「大きさは半分。性能は倍」という基本理念はデジタル一眼カメラでも引き継がれています。オリンパスは、デジタル一眼カメラを小型・軽量化するために、ミラー機構を省略するミラーレス化に率先して取り組み、2009年にマイクロフォーサーズ規格のミラーレス一眼カメラ「オリンパス・ペン E-P1」を商品化しました。今後はミラーレス一眼カメラがカメラの主流になると予見し、その後も、レンズから取り入れた光を電子信号に変換する撮像素子や、電気信号から画像データを生成する画像処理エンジンといったデジタルカメラならではの技術に磨きをかけながら、時代の先を行く小型・軽量で高性能なカメラの開発に取り組んできました。

オリンパスは「どれほど厳しい環境下でも持ち歩くことができ、最高の描写力を約束する」をテーマにカメラを開発しています。ミラーレス一眼カメラ「OM-D」シリーズのフラッグシップモデルとなる「OM-D E-M1 Mark II」は、この目標を最大限に具現化した製品です。厳しい環境でも使用できる防塵・防滴・耐低温設計の小型・軽量ボディを開発しながら、撮像素子や画像処理エンジンといったカメラ内部の技術を一新することで、圧倒的な高性能を実現しています。製品の開発に当たっては、各開発部門の技術ロードマップから達成できる性能を見極め、それぞれに非常に高い目標を設定しました。そして各部門がその目標をクリアすることで、期待を超えるスペックのカメラが誕生しました。


厳しい環境でも使用できる防塵・防滴・耐低温設計


「OM-D E-M1 Mark II」では撮像素子と画像処理エンジンを一新

性能面の大きな特徴としては、デジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデルをも上回る、最高約18コマ/秒(AF/AE追従時)という高速連写性能を小型・軽量なボディで実現したことが挙げられます。約18コマ/秒の高速連写時でも、オートフォーカス(AF)や自動露出(AE)が正確に動作し、高精細の高速電子ビューファインダーには被写体が途切れなく滑らかに表示されます。さらに、オートフォーカス性能にも磨きをかけ、新開発の像面位相差AFでは121の測距点すべてをクロスタイプとすることで、被写体の捕捉・追従性能を大幅に向上させました。これらの高い性能は、長年にわたりカメラの小型・軽量化に取り組み、ミラーレス一眼カメラをいち早く商品化し、その技術を磨いてきたオリンパスだからこそ実現できたものです。

高速連写と高速オートフォーカス機能を備えた「OM-D E-M1 Mark II」は、野生動物やスポーツなど、フィールド撮影を行うプロフェッショナルの期待に応えられる、革新的なミラーレス一眼カメラに仕上がったと自負しています。


最高約18コマ/秒の高速連写性能を達成


121点オールクロス像面位相差センサーを搭載

小型・軽量と高解像力を両立した超望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」


焦点距離600mm相当(35mm判換算)の超望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」

カメラの小型・軽量化は、ボディとレンズを組み合わせたカメラシステム全体で図られる必要があるとオリンパスは考えます。カメラ本体だけでなく、レンズもコンパクトでなければ、本当の意味での小型・軽量なカメラとは言えません。特に「M.ZUIKO PRO」レンズ・シリーズは、「大きさは半分。性能は倍」の基本理念を徹底して追求し、小さな筐体ながらボディと同様の防塵・防滴・耐低温性能と高解像力を兼ね備えた高性能レンズとして、プロカメラマンからも高い評価を得ています。

この小型・軽量で高性能なオリンパス・レンズを代表するのが、最新のレンズ技術を惜しみなく投入した「M.ZUIKO PRO」シリーズの超望遠レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」です。35mm判換算の焦点距離が600mm相当という超望遠域の画角で、絞り開放F4という明るさを実現し、オリンパス史上最高レベルの解像力と他には類を見ないスペックを提供しています。

このレンズの開発では、「手持による600mmの超望遠撮影」をテーマに掲げ、筐体をできる限り小型化し、手ぶれを抑えて撮影できるしくみを模索しました。そこで生まれたのが、ボディ内の5軸手ぶれ補正機構とレンズ内の手ぶれ補正機構を協調させる技術「5軸シンクロ手ぶれ補正」です。その補正効果は6段分で、600mmの超望遠撮影でも手持ちで手ぶれのない写真が撮れるのはもちろんのこと、薄暗い状況でも感度を上げることなく高画質で撮影することができます。

さらに、色にじみや色収差の抑制に効果のあるスーパーEDレンズを3枚も使用しており、オリンパスのレンズ史上最高レベルの解像力を実現しています。「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」で採用された大型のスーパーEDレンズは加工が非常に難しいと言われていますが、フィルムカメラ時代から培ってきたレンズ加工技術に加えて、オリンパスが手がける顕微鏡の高精度対物レンズのノウハウを活かすことで量産に成功しました。AFユニットについては、画質に影響が出ないように、位置精度をミクロオーダーで設計し、位置を確認しながらレンズを動かすフィードバック制御を新たに取り入れました。その結果、高速・高精度な駆動が可能になりました。また、レンズ製造には非常に精度の高い製造技術が求められますが、設計性能と生産性の両立をしながら品質を確保する公差設計を取り入れることで量産化を実現しています。

「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」と「OM-D」シリーズのフラッグシップモデル「OM-D E-M1 Mark II」の組み合わせは、類似するスペックのレンズを搭載したデジタル一眼レフ・システムに比べて、二回り以上コンパクトなサイズに収まります。カメラ本体だけでなく、レンズにも防塵・防滴性能と耐低温性能が備わり、圧倒的な機動力を持つ信頼性の高いカメラシステムとして、過酷な環境下で撮影するプロフェッショナルからも高い評価を得ています。


「M.ZUIKO DIGITAL ED 300mm F4.0 IS PRO」と「OM-D E-M1 Mark II」の組み合わせはデジタル一眼レフのシステムに比べて非常にコンパクト。手持ちで超望遠600mmでの撮影が可能

自社開発で実現した高性能な手ぶれ補正技術

オリンパスが持つ独自技術の中でも、性能の高さで特に評価されているのが手ぶれ補正技術です。撮像素子を高精度に動かすことで手ぶれを打ち消す、カメラボディ内手ぶれ補正にこだわり、その性能向上に取り組んできました。あらゆるタイプの手ぶれを補正できるボディ内5軸手ぶれ補正機構をいち早く搭載したほか、最近ではレンズ側にも手ぶれ補正技術を取り入れ、ボディとレンズの両方で補正する「5軸シンクロ手ぶれ補正」を実現しています。この「5軸シンクロ手ぶれ補正」によって、「OM-D E-M1 Mark II」では最高6.5段(※1)の圧倒的な補正性能を達成しています。

※1: 使用レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-100mm F4.0 IS PRO、焦点距離:f=100mm (35mm判換算 f=200mm)、半押し中手ぶれ補正:OFF、CIPA規格準拠 2軸加振時(Yaw/Pitch)、2016年9月現在

オリンパスでは、補正ユニットのアクチュエータや制御・補正アルゴリズムをすべて自社開発し、製品ごとにそれぞれの特性にあわせた手ぶれ補正機構を搭載しています。こうした取り組みにより、非常に高精度の手ぶれ補正を実現しています。

補正精度を高めるために着目したのは、撮像素子を動かすユニットに限りません。たとえば、カメラのぶれを検知するジャイロセンサーはカメラの外からの衝撃や、ボディ内のシャッターの動きの影響を受ける恐れがあります。そのため正確に固定する必要があり、独自の保持機構を採用することで高い検知精度を保っています。こうした技術はノウハウの集積により実現するもので、簡単に開発できるものではありません。オリンパスの手ぶれ補正技術は、オリンパスがかつて手がけていた光磁気ディスクドライブのピックアップ技術を継承して開発されています。様々な技術やノウハウの蓄積が、高性能な手ぶれ補正技術を生み出しているのです。


「OM-D E-M1 Mark II」のボディ内5軸手ぶれ補正機構


レンズとボディの両方の手ぶれ補正機構を使用して手ぶれを補正する「5軸シンクロ手ぶれ補正」

一眼カメラの技術力を他分野に展開

オリンパスは、2017年3月期を初年度とした5ヵ年の中期経営計画(16CSP)で、経営方針の1つとして「専門性の高いスペシャリスト向けにビジネスを行う企業(“Business to Specialist” Company)」というスローガンを掲げています。このスローガンは、専門性の高い顧客の要求や潜在ニーズを正しく把握し、的確なソリューションをスピーディーに提案、提供できる会社を目指すというものです。一眼カメラを製造販売している映像事業も、プロフェッショナルの要求に応える高性能で信頼性の高い製品の提供を目標に事業を行っています。

また、現在、映像事業には2つのミッションがあります。1つは「オリンパスならではの製品とサービスを継続的に創出・提供することで、写真業界に貢献すること」。もう1つは「テクノロジー・ドライバーとしてオリンパス全体に貢献すること」です。後者については、「先端デジタル技術の活用」「低コスト生産設計力の活用」「モバイル技術の活用」を柱に、映像事業が持つ独自の技術を他の分野でも活用することで、オリンパス製品全体の価値の増大を目指しています。