カレンダー撮影記:タンザニア 第12話

第12話:ンゴロンゴロは、野生動物たちの息づかいまで聞こえる。こんな場所、他にないと僕は思う。

ある日、緑のサバンナを、アフリカゾウがのっしのっしと歩いていた。近くには、たくさんのダチョウもいる。何か気になるのか、耳をすますように広げているが、ダチョウを気にしているのではなさそうだ。僕が撮り始めたとき、ゾウは遠くにいたのだが、そのうち向こうから近寄ってくる。ドスンドスンと足音が響き、地面の震えまで伝わってくる気がする。ついには、僕が撮影している車のすぐ間近までやって来た。ゾウが、喉を鳴らす音が聞こえた。エコーがかかっているような音だ。1mもない距離で眼を見ると、何かを確かめるような、また実にやさしい眼をしていた。


アフリカゾウとダチョウ

僕がンゴロンゴロに撮影に来たのは、オリンパスのミラーレス一眼OLYMPUS OM-D E-M1の描写力をフルに生かしたいと思ったからだ。初めて手にしたとき、野生動物の表情の奥に潜むものまで撮れそうな気がして、動物たちとの距離が近い場所として、ここを選んだ。その目的は達成できたように思う。やはり、ンゴロンゴロほど、野生動物との距離が近い場所はない。間近に野生動物たちを見ていると、かえって闖入(ちんにゅう)者である僕たちのほうが、動物から見られている気がした。(岩合光昭)


ライオン


シマウマ


ヌー


カバ


岩合光昭さん