野生動物図鑑アメリカ

カッショクペリカン

ペリカン属の鳥は世界に7種。そのうち北米には、シロペリカンとカッショクペリカンの2種が生息している。アメリカ内陸部で繁殖し、主にメキシコ湾岸で越冬するシロペリカンに比べ、カッショクペリカンは太平洋岸と大西洋岸を中心に北米から南米まで幅広く生息している。海の上を列をなして飛行して、魚の群れを見つけると空中から水中へ飛び込んで魚をとる。このようなダイナミックな方法で魚を捕らえるペリカンはカッショクペリカンだけである。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第1話

ベニヘラサギ

アメリカ南部から中央アメリカ、西インド諸島に分布。頸から上背にかけては白色で、体のそれより下の部分は次第にピンク色をおびている。特に翼は鮮やかなピンク色で、尾羽はオレンジがかっている。アメリカでは帽子の飾り羽などのために乱獲され、特にフロリダ州で絶滅寸前の危機に瀕していたが、その後法律で保護され、徐々に個体数は戻りつつある。しかし、テキサス州やルイジアナ州などでは、地面に営巣する群れが肉食動物に襲われやすい状況が続いている。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第1話

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第10話

アメリカマナティー

哺乳類で体長は最大で4mを越え、体重も1,600kgと現生する3種のマナティーのうち最大種。体色は灰褐色で、アメリカ南東部のメキシコ湾沿岸からカリブ海、南米大陸北部にかけて、北大西洋沿岸に見られる。ゆっくり優雅に泳ぎ、3~4分おきに浮上して呼吸をする。河川の下流域、河口、沿岸などに生息し、主にホテイアオイや海草を食べるが、水辺にある陸生植物や海藻を食べる事もある。寿命は約50年と考えられている。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第2話

アメリカマナティーの他にアマゾンマナティー、アフリカマナティーがいる。過去に乱獲されて個体数が少なくなっているほか、現在は開発で生息地が失われたり、高速ボートと接触して死んだり怪我をするものが多く、IUCN(国際自然保護連合)がまとめた「レッドリスト」では、絶滅の恐れが高い「VU(危急種)」と位置づけられている。

ワピチ(エルク)

キジリジカとも呼ばれ、アメリカ北部・西部、およびアジア中・東部に生息している。特徴がアカシカに似ているため、アカシカの亜種とされることもある。北米で初めて見たヨーロッパ人探検家が、これをムース(ヘラジカ)の一種と誤解し、ヨーロッパでのムースの通称である「エルク」と呼んだために北米では「エルク」という呼称が一般化したという説がある。オスのみが滑らかな角を持つ。角は毎年春に伸び始め、冬の終わりに抜け落ちる。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第3話

オリンピックマーモット

マーモットは、マーモット属の動物の総称である。ヨーロッパから中央アジア、北米の草原地帯や森の周辺に広く生息している。群れを作って巣穴の中で生活しており、冬季は冬眠する。危険が迫るとホイッスルのような警戒音でお互いに知らせあう。ワシントン州のオリンピック山に生息している亜種がオリンピックマーモットである。オリンピックマーモットは社会性が高度に発達しており、群れの子どもたちは生後2年を過ぎるまで独立しないことが観察されている。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第4話

ハクトウワシ

全長76~92cmで、翼を広げると2mを越える大型のワシ。体色は褐色だが、肩から頭にかけての部分が白くなっているのが大きな特徴。幼鳥は全身が白い斑点の混じる褐色で、成長と共に頭部の白さがはっきりとしてくる。主に魚類を捕食し、水鳥や哺乳類、爬虫類なども食べる。水辺近くの樹上、岸壁、地面などに営巣する。一時は乱獲、森林伐採、魚の化学物質汚染などによって激減したが、継続的な保護活動により現在では順調に回復している。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第4話

アメリカクロクマ

主に森林に生息する。体長150~180cm、体重100~270kg。メスよりもオスの方が大型。体毛は黒ばかりではなく褐色、一部の亜種では白い個体も見られる。地域によって体毛に違いがあるとされるが、親と異なる色の体毛が生えた幼獣が生まれたり同じ親から生まれた幼獣でも体毛の色が異なることもある。食性は植物食傾向の強い雑食。冬季から春季にかけては冬ごもりを行い、その期間は、北方のものでは5~7ヵ月にも及ぶ。母グマは冬ごもり中に1~3頭の子を産む。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第5話

オジロジカ

オジロジカの名前は、尾の裏側が白いことに由来する。カナダ南部から南アメリカにかけて生息。アメリカでは、春から秋にかけて森の周辺に住み、冬の間は針葉樹のある湿地帯をすみかにしている。オスには何本にも枝分かれした角が生える。角は春に生えはじめ、秋になると落ち、毎年生え変わる。ミュールジカやオグロジカと見た目や生息地がよく似ている。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第8話

オグロジカ

ミュールジカの亜種である。その名の通り尻尾の上面の全体が黒いのが特徴。北米太平洋岸北西部、カリフォルニア北部などに分布する。オジロジカとの外見上の違いは、耳の大きさ、尻尾の色、そしてオスの角の形である。体の大きさの違いで見分けられることも多い。オグロジカは、オジロジカより小型。成熟したオスの角は複数の枝に分かれ、年を重ねるごとにフォーク状に横に張るが、若い個体の角はまだ十分に枝分かれしていないため、オジロジカの角と区別するのは難しい。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第5話

アメリカバイソン

体長240~380cm。肩高約200cm。体重500~1000kg。アメリカでは普通「バッファロー」と呼ばれる。成獣は頭部や肩部、前肢が黒や褐色の長い体毛で覆われる。オスは最大で60cmにもなる湾曲した角を持つ。オス同士は優位を決めるために、ほえたり、地面を転げ回るなどの威嚇行動をとるほか突進して角を突き合わせ、激しく争うこともある。19世紀末には500頭あまりにまで減少した。現在は生息地で保護され、生息数は約3万頭前後まで回復している。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第6話

プレーリードッグ

体長30~40cmほどで、毛色はおおむね淡い茶色。北米の草原地帯に穴を掘って巣穴をつくり、群れで生活する。プレーリードッグという名前は、大草原(プレーリー)に住み、犬(ドッグ)のように「キャンキャン」と鳴くことからつけられた。コテリーと呼ばれる数頭の群れをつくって暮らしている。食べ物の少ない冬の間はなわばり意識が強いが、春から夏にかけては、コテリー間の緊張がゆるみ、異なるコテリーに属するオスとメスの間で繁殖がおこなわれることもある。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第7話

オオツノヒツジ

オオツノヒツジはムフロンなどと同じ野生のヒツジの仲間で、アメリカ合衆国西部やカナダ南西部などの山岳地帯に生息する。岩場や断崖などでも容易に移動できる。体毛はふつう灰褐色で、鼻先と尻に白い斑文がある。角は雌雄共にあるが、雌の角は短くて少し湾曲する程度。これに対して雄の角は大変見事で、太くひと回りして、先は外側を向いている。大きなものでは1mを超し、重さも15kgを超えるものもある。これらから、別名をビッグホーンとも呼ばれている。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第8話

ムース

別名はヘラジカ。体長240~310cm。肩高140~230cm。体重200~825kg。シカ科最大種であり、北方に生息する偶蹄類でも最大級の動物である。ヨーロッパではエルクと呼ばれ、北アメリカではムースと呼ばれる。「ムース」の語源は、先住民であるマリシート族が、この動物をムスと読んでいたことから来ている。なお、北アメリカでは、ムースに次ぐ大型のシカであるワピチがエルクと呼ばれている。針葉樹林と落葉樹林に生息している。水場を好み、水草を食べる。

撮影記:Splendor in North America「雄大なる輝き - 北米大陸」
第9話

絶滅危惧種の略称

ここではIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストの定義をもとに、WWFの呼称で表記しています。

略称 WWFの呼称 環境省の呼称
EX 絶滅種 絶滅
EW 野生絶滅種 野生絶滅
CR 近絶滅種 絶滅危惧
IA類
EN 絶滅危惧種 絶滅危惧
IB類
VU 危急種 絶滅危惧
II類
NT 近危急種 準絶滅危惧

環境省のレッドリストのカテゴライズです。詳しくはWWFジャパンサイト:レッドリストについて 新規タブで開きます をご覧ください。

この「アメリカの野生動物図鑑」の情報は2011年11月現在のものです。

テキスト監修 :公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) 新規タブで開きます