製品開発科学分野(産業)

歴史ある顕微鏡分野で、新しい価値を提供する製品開発を
専攻:機械工学 / 2008年入社

入社の動機

オリンパスに興味を持ったきっかけは、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems:微小電気機械システム)事業を扱っていたことでした。MEMSとは、微細な機械的構造物と電気回路を一体化したものです。MEMS事業を手がける企業はごくわずかなのですが、オリンパスはこの分野で長年の実績があり、老舗と呼べる企業でした。

オリンパスの企業説明会では、このMEMSの技術を新しい分野に応用していきたいという意向をうかがいました。私は学生時代に、既存の技術を生かして新たな価値を生み出すことをテーマに研究をしていたので、自分が取り組んできた研究テーマとも合致すると感じ、オリンパスへの入社を決めました。

仕事の内容

現在は顕微鏡のメカ開発を担当しています。仕事の内容は多岐にわたっていて、次世代顕微鏡の仕様検討から設計、試作、実験といったところまで一環して携わるほか、新たな技術や既存の技術の応用といった研究に近い業務を行うこともあります。

開発者として心がけているのは、信念を持って製品開発に取り組むことです。お客さまが求めていることを理解して、それを実現するために、自分がすべきことを考える。そのうえで、柔軟な発想を持つことも大切にしています。顕微鏡はオリンパスが創業当時から手がけている分野であり、歴史や実績があるだけに、既存の技術や既成概念にとらわれてしまうことがあります。でも、新しい視点を取り入れることで、課題を解決できることも多々あるため、広い視野を持つことが必要だと思っています。

やりがい

「OLS4500」という最新鋭の複合型顕微鏡の開発を担当した時は、ひじょうに楽しく、やりがいを感じました。「OLS4500」は、光学顕微鏡・走査型レーザー顕微鏡・走査型プローブ顕微鏡の3種を一台に集約した複合型顕微鏡で、ナノレベルでの精密な観察・測定が行える装置です。この機種のメカ開発は、私がほぼ1人で担当しました。それまでも数機種の光学顕微鏡のメカ開発を担当していましたが、走査型プローブ顕微鏡という新しい技術にチャレンジするのは「OLS4500」が初めてで、既存の「OLS3500」を開発した上司にアドバイスを受けながら、専門書を読むなどして、自主的に走査型プローブ顕微鏡の歴史や種類、原理などについて勉強しながら設計を進めていきました。

顕微鏡の分野は、開発者の人数がそれほど多くありません。そのため、若手でも責任のある仕事を任せてもらえます。「OLS4500」も、若手中心の少人数のメンバーで開発しました。製品の設計から製造の立ち上げまで、一環して責任を持って関われたことは、とてもいい経験になりました。

今後は、入社当初に興味のあったMEMSの技術を顕微鏡に応用するなど、また新しいことにチャレンジしていきたいと思っています。2014年のノーベル化学賞は、超高解像度の蛍光顕微鏡の開発者が受賞しました。顕微鏡には数百年以上の歴史がありますが、新しい技術がどんどん生まれてきていることが、とても励みになっています。企業の枠を越えて、業界全体で切磋琢磨しながら、新しい価値を生み出して、生物学分野や工業分野に貢献していけたらうれしいですね。

苦心していること

私は何か壁にぶつかった時でも、なぜうまくいかないのか、どうすれば解決できるのかを考えて、そのためにできることを調べて、知識や技術を身につけていくことが好きなので、あまり苦労を感じたことはありません。

例えば、最初の試作の時には、思うような結果が出せないことがほとんどです。そこで、なぜうまくいかないのか、原因と思われることを一つひとつ検証していく。さまざまなことを試してみて、やっと原因がわかってきます。かなり地道な作業の繰り返しですが、一歩ずつ答えに近づいていく感じがとても楽しいと思っています。

職場の紹介

自由な雰囲気のあるなごやかな職場です。ベテランの方が多いので、既存の技術で課題にぶつかった時には相談に乗ってもらえますし、関心のある新しい技術についても意見を交わすことができます。

製造の立ち上げの時期になると、実験室にこもったり、長野や中国の工場に出向いたりすることが多く、居室にいることはほとんどありません。そのため、グループやチームのメンバーが全員揃う機会は少ないのですが、顔を合わせた時には、雑談を交えながら情報交換をしています。

学生の皆さまへ

自分のやりたいことを、なるべく早い時期に明確にしておけるといいと思います。その際には、ある程度広い視野を持ちながら、考えていくことが大切です。

私はそのために、自分の年表をつくりました。生まれた時からの出来事を時系列に並べて、それにまつわる選択の理由や思いなども書き出していくのです。例えば、中学校の頃はどんなクラブ活動をしていたのか。なぜ、そのクラブ活動を選んだのか。どんな目標を持って、どのように努力して、どんな成果を出せたのか。そういったことをすべて書き出してみると、今現在の自分にたどり着くまでの道筋が見えてきます。すると、自分の強みが生かせる業種や職種もわかってくると思います。

時には、大学の研究テーマとは違った選択肢が出てくることもあるでしょう。自分の場合は、機械工学の専攻でMEMSの技術に興味を持ったほかに、趣味のドラム演奏を結びつけて、楽器製造の道も考えました。そんなふうに、自分の歴史をひも解いていく作業は、意外な発見もあって楽しいと思いますよ。