製品開発医療分野

機能のマッチングを図り新製品を開発。最新の市場ニーズに適う消化器内視鏡
専攻:機械工学 / 1997年入社

入社の動機

大学で機械工学を専攻していたため、漠然と医療機器メーカーに興味を持っていました。そして、進路を選ぶ際、オリンパスが消化器内視鏡分野で高いシェアを誇っていることを知り、独創性のある企業スタイルに魅了されるようになりました。

選考段階では、採用担当の方が学生一人ひとりに対して分け隔てなく接してくださる姿勢が印象に残りました。例えば、面接の場では、私以外はすべて大学院生でした。一方、私は大学3年生だったため、自分の研究についてまだ語れるものがなく、気後れしていました。ところが、面接官の方は、私の趣味の車の話などから、機械に対する技術的な考え方を引き出してくれたのです。そうした配慮に感銘を受け、内定をいただいたあと、すぐに入社を決めました。

仕事の内容

私が所属しているのは、消化器内視鏡を担当する商品開発グループで、導入間近の新製品に対する最後の仕上げを行っています。また、そのグループリーダーも務めています。

消化器内視鏡は、胃や大腸など対象臓器によって、内視鏡の挿入部の仕様が異なります。さらに、それぞれによって、内蔵する各チューブ類の長さや太さ、挿入部の硬さ、内視鏡画像の画質や明るさといった形状や機能の異なる製品が数多くラインアップされています。挿入部の外径が太くなれば、より多くの機能を搭載できますが、使用時に患者さまの負担が増してしまいます。太くてもよいから高機能タイプを望む医師もいれば、少し機能のレベルを落としてでも細くて患者さまの負担の少ないものを求めている医師もいます。

私たちの部署の仕事は、どの要素を組み合わせれば、魅力的な製品にできるのか、お客さまである医師のニーズを的確に掴み、それを選択・設計し、新製品として世に送り出すことです。消化器内視鏡は体内に入れる医療機器なので、絶対の安全性が保証されなければなりません。メンバー全員、それを常に念頭に置き、その中でより良いスペックを目指しています。

やりがい

高品質の消化器内視鏡を設計したと思っても、私たちには医師免許がないため、自ら試してみることができません。そのため、医師に使用してもらい、機能や使用感についての意見をいただき、それを反映させながら製品の仕様を決めていきます。実用化できる製品になるまでは何度もそのフィードバックを繰り返すのですが、医師からの指摘は、挿入部の硬さの変更、処置具を出す角度や送水の角度の調整、操作部の操作性の向上まで多種多様です。時には、同じ製品に対して、複数の医師から集まった意見がそれぞれ違うケースもあります。それでも、各々の意見を調整して組み込み、結果として多くの方々から賛同を得られると、大きなやりがいにつながります。

また、新製品を使用した医師から「今度製品化された内視鏡、すごくいいね」と言っていただき、さらにそれが自分の手がけた製品だった場合は、とてもうれしく思います。そして、その先で、患者さまの命を守るサポートができているということは、医療機器の開発に携わる者ならではの誇りだと思っています。

苦心していること

新製品開発において、発売間際の試用実験で不具合が生じることがあります。その場合、不具合が起きているところは確認できても、その原因がわからないことが多く、対応策の発見にはとても苦労します。解決には試行錯誤を繰り返すしか手立てがなく、その際は3日から1週間、過去には1カ月間も工場に出向き、泊まり込みで調査したこともあります。発売日が延期となるような事態が生じると、待ち望んでくれていた医師や売上計画を立てていた営業担当にも多大な迷惑をかけることになるので、そうならないように手を尽くしています。

消化器内視鏡は、体内に無理なく挿入し、消化管に沿って動かせるように柔軟性を持たせることが求められます。また、体内で壊れることがないよう確かな耐久性も必要です。わずか直径10mm弱の挿入部の内部にはさらに、対物レンズや照明、水や空気を送り出すノズルや送水チャンネル、処置具操作や粘液などの吸引を可能にする鉗子チャンネルを搭載し、かつその精密部品が集結された長い挿入部をフレキシブルに動かせるようにしなければなりません。それにはひじょうに高度な技術を要するため、常々、消化器内視鏡を商品化することの難しさを実感しています。

職場の紹介

製品担当をしているメンバーは、他部署との関わりも強く、例えば、製品試作の際、医師から寄せられた意見に設計部隊で対応しきれない課題などが生じた場合は、他部署の担当にも相談します。明るさや色調の調整、影が出るといった画質に絡む指摘なら撮像ユニット担当や光学系担当、プロセッサー開発を担当する部隊へ、処置具を使った手技などの中での指摘に対しては処置具開発の担当部隊へというように、社内で常に連携しながら取り組んでいます。

医師と話をする際は、ある程度の医学知識が必要ですが、入社後社内で実施される医学研修があります。また、新入社員向け以外にも、社内には教育制度が整っており、基礎的な知識は学べるようになっています。担当する分野の知識は各自でも勉強し、仕事上の経験でも身についていくので、入社してから学んでいけば問題はありません。

学生の皆さまへ

私自身もそうでしたが、自分がどんな仕事がしたいのか、よくわからないという人もいると思います。そういう人は、何となくでもいいので、直感を信じて自分の関心のある道へ進んでみるといいと思います。就職は自分の人生を見つめ直す絶好の機会です。知名度の高さなどイメージで企業を選ぶのではなく、自分の中にある可能性や興味についてもじっくり考えてみてください。

もし、私が一緒に働く人を探すなら、ポイントが2つあります。1つは、聞かれたことに的確に答えられる人。そして、もう1つは、伝える相手に対してわかりやすく、目線を同じ高さに合わせて話ができる人です。以前、一次面接の面接官を経験した時も、その点を重視して、学生と対話をしていました。面接で研究内容などを聞かれると、ともすると専門用語を多用するなど、話が難しくなりがちなので、私はあえて「中学生にもわかるように説明してください」と言っていました。相手が理解できる言葉で話を伝えるということは、相手への思いやりがあってこそできる行動です。組織の中で働くためには、とくに私たちのようにグループで1つの目標に向かって進んでいく仕事では、互いに思いやりを持った言動を心がけることが大切です。また、日々多忙で、内視鏡の構造には詳しくない医師に対して、適切な表現で説明を行い、短時間で意見交換を成し遂げるためにも、ひじょうに重要なことだと考えています。