製品開発医療分野

4部門の連携で医療機器の申請戦略を具現化。より高度な評価機能と体制を整備
専攻:獣医学 / 2013年入社

入社の動機

私は大学卒業後の3年半は製薬会社に勤務し、新薬の研究開発に従事していました。非臨床研究開発、つまり、治験前の新薬の安全性を立証する業務を担当していく中で、医薬品の非臨床研究開発は法規制で厳密に定まっており業務の大半が定型的であることを知りました。自分としては「創造的なモノづくりがしたい」という気持ちが強く、獣医師としての医学的技術や、新薬研究開発での知見、自身の発想を活かせる仕事にチャレンジしたいと考えて転職を決意しました。

面接時の担当者によれば、他社の攻勢や法規制当局へのさらなる対応力強化のために私のような医学系の開発者を求めているとのこと。責任の重さを感じる一方、自身のキャリアを生かせる場がありそうだと直感し、また、多くの製品群を有するオリンパスであれば、たくさんのチャンスがあるだろうと感じました。それ以上に印象的だったのは、担当者の熱意に満ちた話ぶりです。真剣な眼差しを見て、「こんな人と仕事がしたい」という気持ちが高まり、入社を決めました。

仕事の内容

私が所属する評価技術開発2部は、医療事業における各製品開発部門と連携をとり、開発品の有効性・安全性を医学・生物学的に立証するための評価系を構築すること、そして確立した評価系で科学的データを取得し、各国の法規制当局に提出することを主業務としています。

現在はサブチームのリーダーを務めており、メンバーや開発テーマの管理業務を担う一方で、自身では法規制当局への申請戦略とそれに対応する評価系の全体設計に携わっています。すなわち当局申請に関連する製品開発部門、製品登録部門、マーケティング部門と連携し、4者の思惑を合致させながらベストな評価設計を描くことが役割です。

また、社内だけでは実施不可能な評価系を構築するために、外部の研究開発機関へ医学的な技術移管を図ることも私の重要な役割です。加えて、同部署の新卒・中途入社開発者に対し、外部の研究開発機関への技術移管の図り方や円滑なコミュニケーションのノウハウを教育することも行っています。

やりがい

私たちが確立した評価系で取得される有効性・安全性データの質は、製品の上市時期や売上に大きく影響するため、責任は重いものです。その分、法規制当局との難しいやりとりの末、有効性・安全性データが承認されたときには大きなやりがいを感じます。多くの製品群を有するオリンパスにおいて各々の開発品の有効性・安全性を的確に示すことは、毎回創造的な業務でタフな思考が必要ですが、オリンパスのブランド力を向上させること、そして何より、いち早く良い製品を医療現場へ届けることに直接つながる業務に強いやりがいを感じています。

今後は、まだコンセプト段階にあるような開発初期の段階からものづくりに関わって、さらなる効率化を図ることも考えています。今の開発プロセスでは、ある程度仕様が決定した後から、当部のメンバーが開発品に携わり始めます。しかし、開発初期より私たちのような医学・生物分野の視点が加われば、開発品の改良や実用化判断においてより一層の効率化が図れるのではないかと考えています。すでに一部の製品開発ではそのメリット生かしたプロセスを取り入れていますが、近い将来、各製品開発部門でも展開できるように検討していく予定です。

苦心していること

評価系の構築や申請戦略の設計では、私たち評価技術開発2部、各製品開発部門、製品登録部門、マーケティング部門が納得いくまで議論する必要があり、これが面白くもあり、難しくもあります。例えば、マーケティング部門は販促材料として多くの科学的データを求めるのに対し、製品開発部門は開発日程の遵守を重要視します。限られた日程の中で申請に耐えうる評価系を企画・設計し、質の高いデータを取得するには、他部門のニーズを正確に把握すると共に、当部の技術力や工数を精査した上で現実的にベストな実行計画を提示し、すべての部門が納得するまで議論するプロセスが必須です。

また、入社当初、外部の研究開発機関は、医薬品の安全性評価に偏重しており、医療機器の有効性・安全性の評価系を構築する技術力があまりありませんでした。そのため、私は自身の医学的技術を活かして複数の外部研究開発機関に対して継続的な技術指導・移管を行うことでレベルアップを図ってきました。出張も多く、相当の苦労がありましたが、今ではさまざまな製品に対応できる環境が整っています。当社の開発をさらに推進していくためには、今後も連携を深めていくことが重要だと思っています。

職場の紹介

私の所属するグループは全メンバーが獣医師であり、人数や技能、業務範囲の広さを考えると、製薬や食品会社の獣医師が配属される研究所を上回るレベルの専門集団といえます。当部の他グループは生物・薬学系開発者が在籍し、それぞれ適材適所で業務を行っています。いずれのグループも若手の開発者が多くエネルギッシュです。また、1人で1つの開発品を担当することが多く、若手でも責任ある仕事を担うことになります。常に新しく創造的な業務のため、お互いのアイディアや知見を共有するコミュニケーションが活発であり、“プロで熱い部署”だと思っています。

学生の皆さまへ

オリンパスというと精密“機器”、医療“機器”というイメージからどうしても、工学系の学生を採用するイメージがあるかと思います。ところが近年、製品の有効性・安全性を法規制当局や医療現場に対して科学的、定量的に説明する必要性が増しています。そのため、臨床医学に関連する知識・技能を有する医学・生物学系の開発者の力が必須となっています。同じ製造業の製薬や食品に比べ、医療機器における医学・生物系の活躍の歴史はまだ日が浅いですが、それは“歴史を自ら創る楽しさがある”ともいえます。創造的で刺激的なオリンパスにおける医療機器開発をやってみたいという熱意ある方々と一緒に働けることを楽しみにしています。