品質保証製品評価(科学)

顧客の声に触れ続けて20余年。顕微鏡営業の経験で蓄積したニーズをモノづくりの現場へ
専攻:電気工学 / 1991年入社

入社の動機

大学では電気工学科で照明工学を専攻していました。就職活動の時期を迎えると、周囲にならい電機メーカーを中心に開発職を探し始めたのですが、次第に進路の悩みが大きくなりました。技術を活かす先は開発職のみなのか。気持ちの整理ができないままいくつも企業説明会を巡っているうちに、営業やマーケティングの仕事に興味を持つようになったのです。

そんな中、オリンパスの採用担当者から、理系出身者でも営業の道があるとの情報を入手。精密機器を扱っているため、技術に強い営業担当者を必要としていると聞き、ぜひ挑戦したいと思い、入社試験に挑む決意をしました。その後、念願叶って営業職としての生活をスタートさせることとなりました。

仕事の内容

入社以来、24年間営業としてフィールドに出ていました。工業市場向けの顕微鏡や顧客と打ち合わせを重ねてつくる大型の特注顕微鏡の販売を担当し、2016年9月から科学品質保証部開発品質グループに配属となりました。

グループの主な機能は、生物用顕微鏡、工業用顕微鏡、工業用内視鏡のデザインバリデーションになります。これは新製品を開発する業務の一つと位置付けられ、お客さまの立場で安全性や操作性を評価するものです。円滑に進めるには、お客様先での使われ方や新製品に込められた狙いとそれを達成するための検討経過が大切なので、関係部門との協業が欠かせません。

私が担当する評価の対象は工業系顕微鏡に関するものです。お客様の用途に応じた組み合わせパターンは多岐におよび、それを想定し確認しますので、項目は数百にもなります。この見極めには営業時代の経験が大いに役立っています。「顧客視点」をより強力にするために、私は営業部門からこの部署に異動となったのかもしれません。

やりがい

営業職ではユーザーと直接コミュニケーションを図り行動する面もあったので、自分の性格に合っていると感じていました。一方、品質保証職ではどのような能力が必要なのか、どのように仕事を進めているのかまったくわからず心配でした。

いざ携わってみると、新製品の構想から販売開始に至るには、さまざまな検討項目やその進捗を関連部門全体に報告する会議があることを目の当たりにし、計画通りに新製品の開発を終えて販売を開始できるのか、不安が大きくなるばかりでした。そんなときは、営業職で培った粘り強さで業務に向き合い、課題を一つひとつ乗り越えて品質保証職の術を掴み取るのです。

新製品の開発は、関連する商品企画部門、開発部門、サービス部門などとともに作業を進めていくのですが、上市という一つの目標に向かって突き進み、徐々に形づくられて完成した時には心底うれしく、言葉では表せないほどの達成感があります。

苦心していること

関連部門と連携を取りながら新製品開発を進めていく一方で、それを評価するのも私の職務です。デザインバリデーションでは判定基準に満たない結果が出ると、これまでの過程が振り出しに戻ることもあります。その報告を関係者にするのは非常に心苦しいのですが、その後は気持ちをしっかり切り替え、焦らずに淡々と仕事を進めるようにします。期限が迫る中、気持ちが早る人がいるのもわかりますが、過去の経験では焦ると大抵のことは失敗してしまうので、急がば回れの精神で、あえてじっくり行うことをモットーにしています。

近年は、国内だけでなく、ヨーロッパの関連会社も新製品開発を行っています。その製品のバリデーションを行う時は、言葉や文化の壁が原因で思わぬ反応があることも少なくありません。その際も、相手の立場を想像しつつ、伝えてくる内容を一つひとつひも解き、時間をかけて解決していきます。本社サイドの意見を決して押しつけないことがポイント。さまざまな困難を乗り越えながら完成に向かう製品を見ることは、やりがいにも通じています。

職場の紹介

開発品質グループのメンバー構成は、機械系、電気系、ソフト系、生物学系などエンジニアが主体ですが、私のような営業系もおり、さまざまなキャリアを持つ人の集まりです。そんなメンバーは私の強い味方。専門外のことは何でも質問しています。勉強できる環境はありがたいですね。もちろん、営業時代に蓄積した評価に役立つノウハウもメンバーと共有しています。

各メンバーもそのようなやり取りを繰り返しながら、担当製品のバリデーションを進めます。その結果はグループのメンバー全員で審議。正しい手順で行われているか、評価結果の解釈は正しいか、結論の導き方は適切かなど、協業だからこそ、多角的な視点でレビューが進み、同時に情報共有も高まります。

学生の皆さまへ

私の場合、就職先選びは専攻に関係なく、興味の矛先がどこに向いているかに尽きました。当初、進路に悩んでいた私が目標を見出せたのは、会社説明会に足を運び、ある採用担当者と出会い、その導きがあったからです。現在はインターネットで手軽に膨大な情報を集められる時代。スマホ片手に机上で就職活動という人も多いことでしょう。しかし、いくらスマホを眺めていても入手できない情報も数多くあります。就職活動では、ぜひ実際に企業を訪れて会社の雰囲気を感じ取り、先輩から話を聞いてみてください。自ら企業を体感してこそ、自分が本当に求めていた有益な情報や出会いを得られるはずです。また、進路は専攻にこだわりすぎず、自分の可能性を広めてください。仕事場で求められるのは、学生時代の専門より、物事を吸収する力や表現する力です。

なお、品質保証部が行う業務プロセスの仕事は、製品が徐々に形になって世の中に出ていくまでのすべてに携われます。他分野の部署との関わりもあるので、関心があれば理系・文系を問いません。特にコミュニケーション能力の高い人なら大歓迎!性格的には、確実にコツコツと仕事に取り組める人向きです。一方、専攻を生かしたいなら、管理工学系がおすすめです。業務プロセス管理や評価管理など品質保証の業務と類似しているので、力を発揮できることでしょう。