品質保証製品評価・法規制対応(医療)

厳格な評価基準をクリアした安全遵守の医療機器を流通へ
専攻:機械工学 / 1990年入社

入社の動機

大学では機械工学を学び、主に自動車シートベルトの安全性を研究していました。進学先としてこの分野を選んだのは、もともとモノづくり全般が好きだったから。そのため、就職先にも製造メーカーを志望していました。自動車部品や工作機械を扱う会社など数社の説明会にも参加しましたが、最も印象深かったのがオリンパスでした。説明会で消化器内視鏡のシェアが世界でも7割を超えると聞き、技術力の高さにも惹かれ、真剣に就職を考えるようになりました。その後、OB訪問でやりがいのある仕事だと知り、医療を扱っているという安定性も気持ちを後押ししました。

仕事の内容

2016年4月より、医療品質保証部の開発品質・環境推進グループのグループリーダーに着任しました。長年、製品評価の担当者として勤務してきましたが、現在は主にメンバーを取りまとめるマネジメント業務を担っています。

グループでは、消化器・外科内視鏡や、内視鏡用の処置具・洗浄機、治療機器といった医療機器の新製品評価を行っています。この業務では、仕様や性能などがきちんとユーザーのニーズにマッチした製品になっているかを確認することが肝心です。とりわけ安全性には慎重を期し、製品寿命に達した時の壊れ方など常に最悪のケースも想定して製品評価を行う必要があります。しかし、医療機器のユーザーは医師や看護師といったプロ。自らユーザーになり得る一般消費者向け製品とは異なり、なかなか相手の立場を把握しきれないのが難点です。それを克服するには、医師のもとを訪れて使用中の様子を見学したり、直接意見をいただいたりしながら、現場の生の声を収集していきます。

また、医療機器の販売には、アメリカ合衆国のFDA(米国食品医薬品局)が発行するガイダンスをはじめ、当該国の法規制に準拠した製品を開発・製造しなければなりません。それらが発行されるたび、社内の各部署がガイダンス、法規制の要求事項通りに運用できるよう社内ルールを作成し、そのルール通りの製品づくりを進めるための指導も行っています。

医療品質保証部の重要な役割として、有効で安全な医療機器を提供することで社会に貢献していくために、開発者の都合や会社の都合ではなく、社会やユーザー視点で製品の有効性・安全性の確保をするよう開発・工場に指導をしています。

やりがい

医療品質保証部の大きな任務は、新製品の市場への出荷の可否を見極めることです。出荷の裁量権を一任されている部署のため責任は重大ですが、その分やりがいがあります。製品の完成度には細心の注意を払っていますが、ごく稀に製品開発の過程で不具合が発見されることがあります。その際は開発部門に改善を促し、製品本体や取扱説明書の内容も含めた見直しを行います。そんな過程を経て世に出た製品に対し、ユーザーから「オリンパスの製品は安全で使いやすいね」といった声が届くと、トラブルなき製品を市場に届けられたことに満足感を覚えると思いますが、このような褒め言葉をいただくことは滅多にありません。というのも、品質保証の評価試験で、最も注力するのは安全性だからです。私が担当していた医療機器では、安全性の保証は当然のこと。医師が改めてそれについてコメントすることはまずないのです。決して目立つ仕事ではありませんが、医療分野においては安全を担保する品質保証の仕事はなくてはならないもの。私は不具合や事故など何も起きなかった時にこそ、この仕事に誇りを感じます。

苦心していること

各部署は医療品質保証部が構築した仕組みやルールのもと、製品開発を行います。その方向性を導くという点では取り組みがいがありますが、反面、医療機器の開発・製造に関わるあらゆる部署や人を納得させる内容に仕上げなければならず、それにはやはり苦心します。

ガイダンスや法規制は概念が中心で、実際に運用するためには、解釈を加えて、社内の各部署が共通認識を持てるようルール化する必要があります。各国からガイダンスや法規制が多く発行されており、不適応の製品は販売することができません。ごく稀ですが、新製品開発に大きな影響を与えるガイダンスが発行された場合には、進行中の開発計画にも間に合わせて組み込まなければ、事業計画に多大な影響を及ぼす可能性があります。

また、作成した社内ルールが、各部署の納得を得られないケースも多々あります。その際は、徹底的に話し合ったり、法律の遵守を唱えたりして説得しますが、逆に相手の意見が正しいと思える時には、ルールを再考することもあります。その点は、より良い解が得られるよう、臨機応変に対応しています。

職場の紹介

部内のメンバーは30~50代が中心で、その大半が工場または開発部門の経験者です。ベテラン揃いのため有識者が多く、業務上で相談事が生じても、すぐに回答を得られるのがメリットです。

また、業務ではさまざまな医療製品を扱うため、部内には新入社員や中途採用者向けの教育プログラムが確立されています。2週間程度で、製品構造をはじめ、内視鏡や処置具の使用法、医学知識の習得、法規制の理解などを一通り学べるシステムです。

このほか、当部は英語力を生かしてグローバルに働きたい人におすすめです。所属人員に対して海外拠点数が多く、海外勤務の希望が叶いやすいのです。駐在先にはアメリカやドイツなどがあり、現地では主に不具合対応の業務に従事します。トップのグローバル展開の意向もあり、今後はさらに活躍の場が広がるでしょう。英語の取扱説明書の審議業務などもあり、話せずとも、ある程度の理解力が求められる職場です。

学生の皆さまへ

企業選びの際、私が最優先したポイントは、興味のあった「モノづくり分野」ということでした。「やりたい」と感じられる仕事は、続けていくうち、働きがいや生きがいといった心の糧へとなっていきます。私も現在までには数々の苦労を経験しましたが、やりがいのある仕事には、そうした困難を払拭するだけのパワーがあります。また、給与や企業の将来性は周囲の状況に左右されやすいものですが、気持ちは自分次第です。ぜひ、自分を信じて、社会人への一歩を踏み出してみてください。

開発品質・環境推進グループの業務は、黙々と仕事をこなすタイプの人より、会話好きで、きちんと「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」を行える人向きです。論理性があって思考能力が高い人、また、スキル面では、専門知識を持っていると強みになります。例えば、当社では統計学のエキスパートが不足していると感じています。FDAのガイダンスにも統計を活用した要求事項があり、そんな専門知識を持つ人材が増えてほしいと思っています。我こそは!という方をお待ちしています。