学生のみなさんへ社長メッセージ

自分で考え、行動する人と出会いたい
代表取締役社長執行役員 笹 宏行

今こそオリンパスの原点を見つめ直すとき

オリンパスは「原点回帰」を経営の中期ビジョンに掲げ、新たな成長に向けて歩み始めました。創業の原点を見つめ直すことは、これから若い皆さんとオリンパスの未来を築いていく上で、とても重要な意味があります。

私たちの原点は、「ものづくりを通して社会の発展に貢献したい」という想いです。オリンパスの事業は、今から90年以上前、「品質の高い国産の顕微鏡をつくり、医学や生物学の研究や日本の学校教育に役立ててもらおう」という創業者・山下長(たけし)の想いと技師たちの挑戦から始まりました。現場にお邪魔し、「こんなことができるようになればよいのに」といったニーズを肌で感じ、自分のこととして受け止める。そして社内の技術を結集し、製品の形にして新しい価値を提供する…。今も変わらずに受け継がれるものづくりへの姿勢は、この時、生まれたのです。

創業の原点にある「ものづくりの心」に、私たちは改めて立ち返ります。すべての社員がオリンパスの価値観を再確認して共有し、新たな成長ステージに向かって一歩ずつ力強く前進していく決意で自分の仕事に向き合っています。

世界のどこにもない、新しい価値をつくろう

「世界初」「世界一流」へのあくなき挑戦。これがオリンパスの独創性を支えてきた、大きな理由の一つだと考えています。事業は、医療、ライフサイエンス、産業、映像と幅広い分野に広がり、そのすべての分野において、「世界初」や「世界一流」と評価される数々の製品を生み出してきました。

医療分野では、世界シェア70%以上を誇る消化器内視鏡を中心に、製品を通じて新しい医療を社会に提供してきました。ライフサイエンス分野では、オリンパスの生物顕微鏡が各国の研究機関にとって欠かせない存在となり、世界的な研究成果を生み出す一助となっています。デジタルカメラの世界では、常識を超える精細な画質といったスペックへの挑戦はもちろんのこと、1人でも多くの人が、写真のある、より豊かな生活を楽しむことができるよう、製品開発を続けています。

オリンパスの製品はとかく技術力に注目が集まりがちですが、技術だけで製品が生み出されるわけではありません。価値創造のカギを握るのは常に「人」です。技術は、人がどう活かすかによって、大きくその価値を変えるのです。

チームがひとつになる。製品の先にある価値に向かって

私は20代の後半から30代にかけて、内視鏡の開発者としてニューヨークに駐在した経験があります。北米の医療機関を訪問してドクターと対話を重ね、医療現場で求められている新しい内視鏡を開発する仕事などに携わりました。

新生児の十二指腸の検査に使う内視鏡の開発に取り組んだのもこの時です。生まれたばかりの赤ちゃんのデリケートな器官に触れる管を、いかに細く、軟らかくできるか。緻密で繊細な要件を一つずつ満たしていくプロセスは困難を極めました。この世のどこにも存在しない製品を生み出すためには、「自分で考え、行動に移していく」しかありません。

ただし、孤独ではありませんでした。心強かったのが、開発、製造、マーケティング、営業に至る全部門が、ものづくりの全サイクルにわたって密接に連携する体制でした。ゴールを共有し、各部門が蓄積するスキルやノウハウを注ぎ込み、それぞれの立場で創意工夫を重ねる。製品化までの3年余りの期間、チーム全員で共有していたのは、「より少ない負荷で赤ちゃんの検査を可能にしたい」という使命感にも似た想いです。製品化を実現した末に見た、担当ドクターと検査を待ち望んでいたお子さんのご両親の笑顔を、私は今も忘れることができません。「あきらめずに成し遂げてよかった」と心から思い、仕事のやり甲斐を感じた瞬間でした。一緒に開発に取り組んだ多くの仲間も同じ気持ちだったと思います。

自分で考え、行動する人と出会いたい

「製品を通じた社会貢献」は、オリンパスのあらゆる事業分野、職種において実現できるものだと考えています。開発、製造、マーケティング、営業、修理サービス、それを後方で支援する経理や総務などの間接部門を含めて、オリンパスの「ものづくり」を担うすべての部門に、「製品を通じた社会貢献」を実感できるフィールドと仕事があります。

「世界初」「世界一流」を自らの手で製品化し、広く社会に貢献したい。そうした想いを大切に、新しい価値の創造に向け、果敢にチャレンジしてほしいと思います。一人ひとりが自分で考え、行動に移し、最後まであきらめずにやり抜くことで、オリンパスの新たな成長ステージが切り拓かれていきます。高い志を持った、新たなものづくりの担い手に出会えることを心から楽しみにしています。