人を知る

私たちは「つながる」ことで、強くなる。

  • 生産技術開発・サービス技術開発

メカニカルエンジニア

より良い製品、より良い未来を発想するために。各部門のスペシャリストが結集する部門横断活動をリードし、製品企画をサポートしています。一人ひとりの知恵を、技術を、そして情熱を、有機的につないでいく。そんなチャレンジを通して、私たちオリンパスの「人の命を守りたい」という想いをカタチにしていきたいですね。

人と人をつなぎ、次を切り拓く。

まずは業務内容を教えてください。

製品の「価値」を、それが果たすべき「機能」とそのためにかかる「コスト」の関係で把握し、そこから新たな価値を創出する「バリューエンジニアリング(VE)」という考え方があります。これは製造業の三大管理技術(IE、QC、VE)のうちの一つです。私たちの部署は、このバリューエンジニアリングを、既存の部署や部門、製品、拠点という枠組みを超えて、社内横断的に実現していくことをミッションとしています。

この横断的な活動は、過去に前例がなく、社内で体系立てられていない取り組みでもあるので、正直、試行錯誤の日々です。なかでも特に注力しているのが、社内の人をつなぎ合わせてより良い製品のアイデアを導き出すアイディエーションワークショップの開催です。たとえば製品のアイデア、既存製品の改善、コスト削減など。さまざまなテーマのもと各分野のスペシャリストたちが集まり、知見や体験、視点を共有・交換しながらアイデアを発散し、まとめ、アイデアを育てるプロセスはとても刺激的でワクワクします。

これからの製品開発のプロセスを象徴する新たな取り組みですよね。

はい。新しい取り組みであるため、常に手探りであり、大変ではありますが、チャレンジする楽しさが大きいです。忘れてはならないのは、視野と発想を広げながらも単なる夢想にとどまらず、機能面・コスト面からも現実感のあるアイデアを創出すること。発想の起爆剤となるネタを仕込んだり、原価などの基本情報をビジュアルと共に一覧化することで直感的に伝えたり、「ユーザー目線から」「コストの面から」と視点を区切ったり、実のある活動にするべくさまざまな工夫を施しています。

もうひとつ最近よく感じるのは、「心の熱」が議論を加速させることです。ある時、「医師のその先にいる多くの患者さんを救うためにこのテーマに取り組んでいる」という個人的な想いを、真っ直ぐに参加者に伝えてみたんです。そうしたら、参加者の心と議論が動いたように感じられたんです、各自の専門性に人としての「想い」がプラスされたというか。入社時の志、製品への愛、技術のこだわり、オリンパスの存在理由や自分自身の夢。日常業務の中で忘れてしまいがちな大切な気持ちをそれぞれが思い起こすことができれば、より充実したワークショップになり、製品の価値を向上できるアイデアを生み・育てることができるのではないかと思っています。

丁寧に育んだアイデアを、必ず社会へ。

苦労も喜びもあった1年。どんな点にやりがいを感じますか。

やはり「つながる」「つなげる」です。ひとつのテーマのもと、マーケ・開発・製造/調達・QARA・IPなどのさまざまな人たちが集まり、各自の知見や視野がつながっていくのは面白いですし、これまで知らなかった自社製品の開発経緯や込められた想いを知ることで、オリンパスを再発見できるのも新鮮です。

ある時、参加されたマーケティングの方が「ワークショップを通じて、いろいろな部署の人たちの知識が統一された。これは1年後、2年後に必ず活きてくる」と言ってくださって。オリンパス社員の活動の価値も高められる良い仕事ができたと感じられて嬉しかったですね。人との関係を築き、それぞれの専門を活かして、いかなる困難も共に乗り越えていく、そんな気持ちが強くなります。

では逆に課題や難しさを感じている点は?

私自身まだ未熟で、テーマ設定から人選、コミュニケーションまで反省と勉強の日々ですが、一番の難しさは集めたアイデアを「育てる」こと。ワークショップで300、400の案が出ると達成感があるのでそこで満足してしまいがちなんですよね。社内的にも評価されたりして(笑)。でも私たちが本当にすべきことは、アイデアを実現することです。この1年はアイデア創出に力を入れてきましたが、その先のフェーズに進もうと部全体で模索しています。アイデアを磨いて試作にこぎつけ、量産できるまで長い時間がかかりますが、いつか必ず新製品のアイデアが生まれる瞬間から世に出るまでの全てを見届けたいですね。

オリンパスの人・モノ・技術・知見をつなぐジェネラリストに。

今後の自分像をどう描いていますか。

仕事人には、一分野を極めるスペシャリストと分野を超えて通じて俯瞰した立場で仕事を進めるジェネラリストとふたつあると思いますが、私は幅広い視野で製品づくりにアプローチしたい後者のタイプ。人や製品、知識につながれる今の環境はありがたいかぎりです。ジェネラリストとして目と腕を磨いて、人やモノをつなぎ、価値ある製品づくりに寄与できる人間になるのが目標です。

社会やオリンパスの未来にどんな想いを抱いていますか。

シェアリングサービスやサブスクリプションの活況に代表されるように、社会の価値観がモノを「所有する」から、モノやサービスを使って「何をしたいか」に軸足が変わってきていますよね。医療機器に置き換えると患者さんは「健康になりたい」、使用者であるお医者さんは機器を通して「助けたい」、作り手である私たちは「必要な機能を正しく捉えて医療機器を届けたい」。その想いや使命を大事にした活動がこれからの鍵になってくるんじゃないでしょうか。バリューエンジニアリングの活動を通して、健康を実現するより良い価値の提供に役立ちたいですね。

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