カレンダー撮影記:ナミビア 第12話

第12話:エトーシャ国立公園編-3:今日も水場には、さまざまな野生動物がやってきた。

僕は、世界で最も有名な水場といわれる、エトーシャ国立公園の撮影取材を続けている。ここにはいくつかの細かなルールがあり、宿泊ロッジは夜明け前に勝手に出ることは許されず、日没前に戻らなければ閉めだされてしまう。野生動物を見に来たツアー客も大勢いて、朝出かける時は、僕もツアー客も順番に並んで出発しなければならない。僕は誰もいない場所で野生動物の撮影をするために、とにかくいちばん初めに出発できるよう、先頭に立って夜明けを待った。ある夕方、ロッジへと戻る時刻が近づいた頃、水を飲みに来たシマウマの家族を撮影した。彼らは水場に来るときは、早く水を飲みたいのか急ぎ足だったが、急ぎながらもライオンを警戒しているような緊張感を漂わせていた。水を飲み終えて平原に戻っていく姿は、満足気な様子でゆったりとしている。夕暮れのオレンジの光のなか、あたり一面に砂ぼこりが舞い上がった。


シマウマ

ロッジではツアー客同士、「昨日はあそこの水場にヒョウが現れたらしい」などの情報交換も盛んだ。ある日の夕方は、水場にライオンが現れたのだが、ロッジに戻らねばならない時間となり、撮影を途中で断念した。ちょっと心残りだった。こうして1ヵ月近くにわたるナミビアの撮影取材を終えた。人間には不毛と思われるような環境でも、野生動物たちは実に生き生きとしていた。ナミビアの大地にも海にも、エネルギッシュな生命の力がみなぎっていた。


サイ、スプリングボック


ヒョウ


ライオン