カレンダー撮影記:屋久島 第5話

第5話:11月、屋久島は恋の季節だ。

11月、僕は2回目の屋久島取材を行った。ちょうどこの時期は、ヤクザルの繁殖期。サルたちは、お尻も顔も真っ赤だ。森の中では、カップルが寄り添っている。「オレの女になれよ」なんて口説いてる奴がいるかもしれない。ちょっと群れから離れて、海辺でハネムーンを楽しんでいるカップルもいる。交尾期には、メスをめぐってオス同士のケンカが絶えない。傷を負っているサルもいて、そんなサルのうちの一匹を“キズオ”と命名した。


ヤクザル 野生動物図鑑


ヤクザル 野生動物図鑑

日差しの関係なのか、6月に訪れたときよりも、サルの毛並みが美しい。光が当たると、キラキラ輝いている。屋久島は、年頃のサルたちの恋の季節だが、もちろんお年寄りのサルたちもいて、僕はグルーミングにいそしむ、おばあちゃんザルを見かけた。このとき僕は、サルにも老眼があることを知った。彼女はグルーミングの最中、「おや見にくいねぇ」とでもつぶやいてるかのように、顔をくっと離すのだった。人間のおばあちゃんと一緒だ。


ヤクザル 野生動物図鑑


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