野生動物図鑑パンタナール

アメリカヌマジカ

肩高約1~1.2m、体長約1.8~2m、南アメリカに分布するシカ科類の中で最も大きい。全身は長く粗い体毛で被われ、夏毛は黄赤色、冬毛は赤褐色になる。のどと眼の回りは白色で、四肢の下半部と尾の下面は黒色、上唇に1黒斑がある。 単独か1頭のオスおよび数頭のメスと子からなる6頭ぐらいの小群で暮らし、主に夜明け頃と夜間に活動する。現在、その数は減り絶滅の危機にある。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第2話

スミレコンゴウインコ

体長約90~100cmで、ブラジル、ボリビアやパラグアイのサバンナや湿原、熱帯雨林などに生息し、多くの場合10~30羽の群れを作っている。鮮やかで輝くような美しい青色の羽で、ペットとしても人気が高く、多くが不法に捕獲されたため急激な速さで減少し、深刻な絶滅の危機にある。1987年にワシントン条約附属書Iに掲載された。別名「スミレコンゴウ」「ヒヤシンスコンゴウ」と言われている。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第2話

パラグアイカイマン

南アメリカ中部の湿地に棲む。体長が約1.5~2.5mの小型のワニ。約30年前、パラグアイカイマンは高値で売れる皮を目当てに乱獲され、絶滅の危機にあったが、ブラジル政府の取り締まりの強化と、1992年に野生のワニの皮の取引が世界的に禁止されたおかげで絶滅を免れた。主に魚や貝を食べ、特にピラニアが好物だと言われている。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第12話

カピバラ

げっ歯類では最大の種。体長約105~135cm、体重約35~65kg。南アメリカ東部アマゾン川流域を中心とした、温暖な水辺に生息する。ネズミの仲間だが、尾が無く水かきがあり、泳ぎがとても上手である。天敵から隠れるために水中に5分以上潜ることもあり、鼻先だけを水上に出し眠ることもある。陸上でも素早く動くこともでき、時速約50kmのスピードで走ることが出来る。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第4話

ジャガー

南アメリカに生息するネコ科動物の中で最大で、体長約120~185cm、尾長約45~75cm。体毛はほとんど黄褐色で、一見ヒョウと似ているが、「ロゼット」と呼ばれるバラの花状の黒い斑点模様の輪の中にも黒点がある。ジャガーは水を嫌がらないどころか、泳ぎを得意としている。噛む力が非常に強い。メスは1度に2~4匹の子を出産。子どもは2年以上、母親とともに暮らす。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第3話 第7話

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第10話

ズグロハゲコウ

全長約1.2~1.3m、コウノトリ目コウノトリ科に分類される鳥類の一種。アメリカ大陸で最大種で、翼を広げると2.5m近くになる。生息地は南アメリカの熱帯地域の沼地、サバンナ、湖沼やラグーンなど。コウノトリ類のくちばしはほとんどの種はまっすぐだが、ズグロハゲコウはわずかに上に曲がっている。首から頭の黒色は羽ではなく黒い皮膚がむき出しで、首の根元は赤色。ブラジルでは「トゥユユ」と呼ばれている。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第4話

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第10話

ナンベイレンカク

体長約22~25cm。パナマからアンデスにかけての南アメリカの標高300m以下の湿原や草地、低地の池、沼、水田、水路などに生息する。特徴的な長い足爪を使って、水面に浮いているスイレンやヒシの葉の上を歩いて移動ができる。翼にツメがあるのも特徴の一つである。 巣は、水上に水草等を束ねた浮き巣を作る。メスがオスを従える「一妻多夫」制の鳥で、卵とヒナの世話はオスが行う。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第4話

フサオマキザル

頭胴約40~55cm、尾長約40~50cm。南アメリカ北・中部の森林地帯などに生息している。主に樹上性で、樹木の中層から下層で生活し、夜間も樹上で眠る。長い尾は、物をつかんだり、自分の体重を支えることができる。名前は頭の両側に逆立つ黒い房状の毛があることからつけられた。とても頭が良く、木の実を割るのに石を用いるなど、野生での道具使用が多く報告されている。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第5話

アカハナグマ

頭胴長約40~70cm、尾長約30~70cm、南米の熱帯から亜熱帯域に広く生息している。木登りが上手い。尾はシマ模様で、体の半分程の長さがあり、木登りの際にバランスをとるのに使われる。採食は昆虫、果実や小動物も食す雑食性で、協力な前足と長い爪を使って地中から虫などを掘り出して食べる。昼間に活動し、夜は木の間で眠る。10~20頭の群れで生活するが、オスは成長するとに単独生活をする。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第5話

オオアリクイ

頭胴長約100~120cm、尾長約65~90cm。中央アメリカから南アメリカにかけた、草原や湿地、開けた熱帯雨林などに生息している。アリクイの中で最も体が大きく、全身が粗くて長い毛に覆われ、尾も長くふさ状の毛に覆われている。視力が弱いため嗅覚でアリ塚を見つけ、そこに長い鼻と舌を突っ込んで食べる。1日に3万匹以上のアリやシロアリを食べると言われている。木には登れないが、泳ぎは上手い。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第6話

オオカワウソ

ベネズエラ北部からアルゼンチン北部にかけて生息している。カワウソの中では世界最大で、体長2mになるものもいる。主食は魚類で、狩りは単独または群れで行い、1匹あたりの食事の量は1日に3~4kgにもなる。魚類以外には甲殻類やヘビなど、さまざまな生物も食べる。他のカワウソの仲間と同様に出産は陸上の巣穴でする。縄張り意識が非常に強い。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第8話

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第10話

アメリカバク

中央アメリカおよび南アメリカの草原や森林に生息。バクは鼻の長いブタのようにみえるが、実際はウマやサイの仲間である。水中を好み、よく水に潜って体を冷やす。アメリカバクは首のうしろに短く硬いたてがみがあり、ジャガーなどに襲われた際、致命傷を受けるのを防いでいる。世界にバクは4種類いるが、最大なのはマレーシアやスマトラ島の森林に生息するマレーバクで、体重360kg以上にもなる。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第9話

オニオオハシ

全長約55~65cmで、オオハシ科の中で最も大きい鳥でブラジルの国鳥である。生息地は南米の熱帯雨林。クチバシの長さは平均20cm。メスもオスも巨大なクチバシを持っている。その中は空洞のため見かけに反して軽く、起用に果実をとって食べる。6羽程度の小さな群れを形成し、木の穴に巣を作る。毎年2~4個のペースで産卵し、つがいでヒナを育てる。ペットとして人気が高く多くが捕獲されている。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第11話

レア

頭高約1.2~1.7m、体重約20~25kg。南アメリカに生息する鳥類の中で最大である。南アメリカのアマゾン川以南からパタゴニアの北部にかけて生息する。羽毛は灰色で、腰や翼下面は白い。一見ダチョウに似ているが、ダチョウより体が小さい。また、ダチョウと違って頭部やももは羽毛に覆われていて、皮膚が裸出していない。食用のための狩猟や皮の輸出のため数を減らした。現在は生息地減少が脅威となっている。

撮影記:Pantanal「生命みなぎる大湿原 - パンタナール」
第11話

オセロット

北アメリカ南部から中央アメリカ、南アメリカにかけて生息するネコ科の哺乳類。体長50~120cm、尾は40cmほど。大部分が夜行性で、草原や湿地、森林などにすみ、木登りが上手く、泳ぎも巧みである。その美しい毛皮のために捕獲されてきたことで、テキサス州を含む多くの地域で姿を消してしまい、一部の地域では絶滅が危惧されている。国際商取引ではワシントン条約(附属書I)で厳しく規制されている。

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第1話

ベニコンゴウインコ

体長約90~100cmで、パナマから南アメリカの熱帯雨林に生息。太くて丈夫なくちばしをもち、硬い木の実も食べることができ、果実、種子、昆虫などを食べる。寿命は50年以上と言われ、頭部から背・腹は深紅色で翼や尾は赤・緑・青などの色をしている。特徴は、遠くまで響く大きな鳴き声で仲間とのコミュニケーションをとり、つがいまたは小さな群れで生活をする。コンゴウインコ類はペットとしても人気が高く、密漁の為、野生の個体は数が減少している。

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第5話

クロコンドル

体長約56~68cm、翼開張が約137~150cm。北アメリカから南アメリカ大陸に分布している。全身はほぼ黒色、脚は白く尾は短い。南北アメリカに7種がいるコンドル科のうちで、ヒメコンドルに次いで分布が広く、よく見られるのがこのクロコンドルである。南北アメリカでは、スカベンジャー(動物の死体などを食べる者)と言われているが、自ら小動物や魚を獲って食べることもある。顔には羽毛がなく、まるでお面を被っているようにも見える。巣は岩壁や切り立った断崖の割れ目や樹幹の折れた上などにつくる。

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第5話

ピラプタンガ

南米のアマゾン川水系やラプラタ川水系などに生息する淡水魚で、約50cmにもなる。観賞魚としてよく知られるテトラやピラニアの仲間などと同じカラシン目の一種で、一見、肉食のドラードに似ているが、性格はおとなしく、草食(雑食)性である。ドラードの尾びれが黄色~オレンジ+黒なのに対して、ピラプタンガの尾びれは濃いオレンジ~赤+黒である。黒い筋の通った赤い尾びれが美しく、日本でも観賞魚として流通している。現地の南米では人気の釣魚であり、重要な食用魚でもある。

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第5話

チュウハシ

キツツキ目オオハシ科チュウハシ属に含まれる鳥の総称。中南米に生息し、メキシコ南部からアマゾン川流域にかけて約10種が分布している。オオハシに比べると小形でほっそりとしている。食性は植物食傾向の強い雑食で、主に果実を食べるが、昆虫、小型は虫類、鳥類の卵なども食べる。チュウハシの一種、アカオビチュウハシは、体長が43~46cm、黄色い胸と赤いラインが特徴である。森の中で樹洞に寝泊まりをして暮らす。

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第6話

ミナミコアリクイ

体長約53~88cm、尾の長さは約35~70cm。南アメリカ北部および東部に生息している。夜行性で、群は作らず単独で行動する。主に熱帯雨林などの森林や、サバンナの草原の樹上で生活、尻尾を上手にからませて移動する。歯はなく、約40cmの細長い舌は、ネバネバの粘液を出してアリをつかまえる。前足には3本の鋭いツメが生えており、アリ塚を壊したり、危険が迫ると敵をひっかく。威嚇するとき、しっぽと2本の後足で立ち、前足を広げて体を大きく見せるポーズは有名である。

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第6話

ウシタイランチョウ

スズメ目タイランチョウ科、体長約18~20cmで、中米南部~南米に生息する鳥。背面はオリーブ色がかった褐色、下面は淡黄色。タイランチョウの中でも短く丸みを帯びた羽や長い脚が特徴である。パンタナールでは、カピバラやヌマジカの頭や背中に乗っているのを目にすることができる。これは動物の背中についている虫などをつついて食べたり、動物たちが草原を歩いたりする拍子に、地面ではねる虫を食べるためである。地上性の鳥で、人をあまり気にせず、人について来たりもする。

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第7話

アメリカヘビウ

体長約80~85cm、翼開張が約117~120cm。アメリカ南部から中南米に生息するカツオドリ目ヘビウ科の大型の水鳥。和名の語源は「ヘビのような首をした鵜」である。ヘビウの仲間は現在は1属4種が知られ、他にはアフリカにアフリカヘビウ、東南~南アジアにアジアヘビウ、オーストラリア、ニューギニアにオーストラリアヘビウが分布している。低地の湖沼に棲み、水辺の樹林にコロニーをつくる。主な食物は魚で、水面からや水中から魚を見つけ、鋭くとがったくちばしで突き刺して捕らえたり、呑み込んで食べる。

撮影記:「Wisdom of the Wild / 時の鼓動。生命の躍動。」(パンタナール)
第10話

絶滅危惧種の略称

ここではIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストの定義をもとに、WWFの呼称で表記しています。

略称 WWFの呼称 環境省の呼称
EX 絶滅種 絶滅
EW 野生絶滅種 野生絶滅
CR 近絶滅種 絶滅危惧
IA類
EN 絶滅危惧種 絶滅危惧
IB類
VU 危急種 絶滅危惧
II類
NT 近危急種 準絶滅危惧

環境省のレッドリストのカテゴライズです。詳しくはWWFジャパンサイト:レッドリストについて 新規タブで開きます をご覧ください。

この「パンタナールの野生動物図鑑」の情報は2017年12月現在のものです。 IUCN Red List Ver.3.1

テキスト監修 :公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) 新規タブで開きます