野生動物図鑑屋久島

ヤクザル

ヤクニホンザル、ヤクシマザルとも呼ばれる。屋久島だけに生息するニホンザルの亜種で、全島に分布。本土のニホンザルに比べ少し小型で、体毛は密度が低く太くて長いのが特徴です。数万年前の氷河期に渡ってきて、雨が多い屋久島の環境に合った姿になったと考えられています。観察すると群れの力関係や木の実や蟹などを採取する野生の姿を見ることができます。

ヤクシカ

屋久島と口永良部島(くちのえらぶじま)に生息するニホンジカの亜種。日本に生息するニホンジカ7亜種の中では、ケラマジカ(沖縄県の慶良間諸島に生息)に次いで小さく、成獣のオスでも体重30~40kg程度。秋から冬にかけては10頭前後の群れをつくって生活します。それ以外は、メスは若いオスやその年に生まれた子どもと群れをつくり、おとなのオスは別の集団をつくります。

ヤクシカとヤクザルの不思議な関係

屋久島には「ヒト2万、サル2万、シカ2万」と昔から言われている言葉があります。実際にはヤクシカは約19,000頭(2012年度/環境省)、ヤクザルは、9,504~18,890頭の間(1999年/京都大学霊長類研究所)とされています。

このヤクザルとヤクシカ、ちょっと不思議な関係が目撃されています。屋久島のサルはなんと、ヤクシカの背中に、ロディオのようにのるのが確認されているのです(岩合光昭さんも撮影に成功! 詳しくはThe Peninsula and the Island「世界自然遺産 - 知床と屋久島」第6話)。まず、シカがどうしてサルの近くにいるのか? それはサルが採食している場所にいれば、直接採食できない高所の葉や木の実のおこぼれなどを食べている可能性が指摘されています。では、どうして背にのるのか? その理由は分かっていません。「ヤクシカの背にのるヤクザルは、ほとんど子ザルのようだ」と岩合光昭さんは語ります。しかし、のられたヤクシカが全く気にしていないのは、とても不思議な光景です。

サルたちが互いに毛繕い(グルーミング)をする脇で、熱心にシカの毛繕いをするサルも目撃されたこともあります。シカの背についているノミやダニを目当てに毛繕いをしているうちに、サルたちはシカの背にのるのが楽しくなったのかもしれませんね。

絶滅危惧種の略称

ここではIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストの定義をもとに、WWFの呼称で表記しています。

略称 WWFの呼称 環境省の呼称
EX 絶滅種 絶滅
EW 野生絶滅種 野生絶滅
CR 近絶滅種 絶滅危惧
IA類
EN 絶滅危惧種 絶滅危惧
IB類
VU 危急種 絶滅危惧
II類
NT 近危急種 準絶滅危惧

環境省のレッドリストのカテゴライズです。詳しくはWWFジャパンサイト:レッドリストについて 新規タブで開きます をご覧ください。

この「屋久島の野生動物図鑑」の情報は2013年11月現在のものです。

テキスト監修 :公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン) 新規タブで開きます