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2015年3月9日

オリンパスメディカルシステムズ株式会社

十二指腸内視鏡の洗浄について

医療従事者 各位

 オリンパスメディカルシステムズ株式会社は医療機器の安全性と効果的な利用法の改善に常に取り組んでおります。

1. 感染リスクについて

 2015年2月19日に米国食品医薬品局(FDA)は、Design of Endoscopic Retrograde Cholangiopancreatography (ERCP) Duodenoscopes May Impede Effective Cleaning : FDA Safety Communication というステートメントを発行しました。
 国内でも同様の事案が起こるリスクがあることから、厚生労働省は2015年3月6日に上記のFDAによる十二指腸内視鏡による多剤耐性菌の伝播に関する警告を参照し、医療機関は十二指腸内視鏡の洗浄および消毒または滅菌に関し、関連学会等の策定するガイドラインおよび添付文書・取扱説明書に記載される製造販売業者が定める方法を遵守するように、との事務連絡を発出しました。

 FDAのウィリアム・マイセル博士はマスコミインタビューの中で、「ERCPの大半は事故を伴うことなく行われ、また多くの場合には患者にとって大きな助けとなる。大半の患者の救命につながり得る処置のメリットは、感染リスクをはるかに上回る。」と述べています。業界の試算によれば、年間に実施されるERCPは、米国では50万件を超えており、日本では約20万件です。それに対し、報告されている感染の発生率は米国でも極めて低い水準であり、日本では更に低い水準に留まっています。

 多剤耐性を持ち致死率が高い細菌であるCREの出現は(注:弊社は日本ではERCP後のCRE感染の報告を受けておりません)ヘルスケアコミュニティ全体にとっての課題と考えます。弊社はこの分野の医学学会およびお客様との協力を通じ、この新たに出現した問題の研究と、ERCPを含む内視鏡的診断治療に伴う感染防止のために、さらなる安全策の開発に取り組んでまいります。

 すべての内視鏡は、使用後に十分に洗浄および再処理する必要があります。十二指腸内視鏡は内視鏡の先端部に鉗子台があるため、通常の部位に加えて鉗子台周辺を十分に洗浄および再処理する必要があります。取扱説明書に従って洗浄および再処理を行うことは感染リスクを最小化します。

 弊社は操作および再処理マニュアル、参考資料、医師による実地トレーニング、お客様相談センターの無料電話相談、および専門家育成のための教育コースをはじめ、弊社の十二指腸内視鏡の正しい洗浄および再処理方法を解説するための教育を提供しています。

 弊社はこの問題の監視と調査を引き続き行ってまいります。代替となる再処理方法の検討を含め、これらの課題についてFDAやこの分野に関連した医学学会、およびお客様との協力を進めてまいります。

2. 製品認可について

 2015年3月4日にFDAは追加のステートメントを発行しました。この中でFDAは、弊社の特定の型番の十二指腸内視鏡(TJF-Q180V)が現時点でFDA認可を得ておらず認可を申請中(審査中)であること、しかしそれを理由に使用を中止することをFDAは推奨しないこと、オリンパスのその機器に対してFDAは審査中に措置を行わないことを述べました。

 弊社は適用される米国法に基づいて米国内で十二指腸内視鏡を販売しています。米国法では、過去にFDA認可を得た製品と同等の製品を販売する場合、過去の製品と同等であることを製造業者が文書化することにより、FDA の新たな認可を得ること無くこれを販売する事ができます。弊社はその規定にしたがって当該十二指腸内視鏡を販売しております。米国以外においても、弊社は適用される各国の法規制に基づいて販売しております。

 弊社は、医療機器メーカーとして世界の人々の心と体を思いやる医療環境の実現に貢献し続けるため、これからも各国の法令を遵守し、健全な商習慣、社会通念に沿った公正な事業活動を行ってまいります。

以上

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