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1999年 7月27日
オリンパス光学工業株式会社
三洋電機株式会社
日立マクセル株式会社
(50音順)
世界最小 50mm光磁気ディスクシステム
デジタルカメラ用大容量次世代
メディアを共同開発
iD PHOTO iD PHOTO メディア
オリンパス光学工業株式会社(以下 オリンパス)と三洋電機株式会社(以下 三洋電機)と日立マクセル株式会社(以下 日立マクセル)は、デジタルカメラ用の大容量次世代メディアとして、直径50mmの小径光磁気ディスクシステム、および規格を共同で開発いたしました。規格の名称は「iDフォーマット」とし、本規格を表わすロゴマークを作成いたしました。
3社の独自技術を盛り込んだ本システム、並びにiDフォーマット規格はAS-MO規格をベースとしており、デジタルカメラ用の最適なアプリケーションフォーマットとして提案するものです。直径50mmと世界最小の書き換え型光ディスクながら、CDの容量を超える730MBの大容量を実現しています。
また、高速でのデータ書き換えが可能で、100万回以上の書き換えをおこなうこともできます。しかも信頼性が高く、長期のデータ保存に適したシステムとなっています。
三洋電機とオリンパスはドライブ装置を担当し、日立マクセルはディスクの開発を進め、ともに開発を完了しました。今後、3社とも積極的に商品化を推進していきます。
またiDフォーマット規格を使用する機器については、本ディスクシステム規格を表わすロゴマークを適用し、賛同者を募ってユーザーへの認知と普及を積極的に図っていきます。
AS-MO規格(Advanced Storage Magneto Optical Disk)
1998年4月に幹事会社9社含む15社で構成するAdvanced Storage Technical Conference(ASTC)より規格書が発行された、書き換え可能な光磁気ディスクに関する規格です。ディスクは直径120mmの光磁気ディスクで6GBの記録容量があります。
(幹事会社9社 50音順)
イメーション株式会社、オリンパス光学工業株式会社、三洋電機株式会社、シャープ株式会社、ソニー株式会社、株式会社日立製作所、日立マクセル株式会社、Royal Philips Electronics、富士通株式会社
背景
99年度のデジタルカメラ市場は全世界で約450万台が予想されており、2002年度には1000万台を超える市場規模が期待されております(三洋電機調べ)。
民生用では今年から200万画素を超えるものがはじめて発売され、市場での普及が進んでおります。また、静止画の非圧縮記録や音声、動画を記録できるタイプも商品化されており、記録媒体の高容量化、高速化への要望がますます高まってきています。
一方、現在、デジタルカメラの記録メディアとしては、スマートメディアおよびコンパクトフラッシュカードに代表されるフラッシュメモリカードが一般的に採用されています。しかしフラッシュメモリカードは比較的価格が高く、容量が小さいため、ユーザーはフラッシュメモリカードに記録した画像データをパソコンなどに転送して保存する場合が多く、フラッシュメモリカードは、データの一時保存を主な用途としたメディアとして幅広く定着しています。
今回、新たに、デジタルカメラ用の大容量次世代メディアとして、小型で保存性の高い記録メディア並びにドライブシステム、及びiDフォーマット規格を3社共同で開発いたしました。当システムのメディアをデジタルカメラに使用すれば、デジタルカメラ内に音声付き高画質の静止画や、動画の画像データを保存することが可能となります。更には電子フォトアルバムの機能を有した「デジタルアルバムディスク」としての用途も期待されるなど、デジタルイメージングの可能性を更に大きく広げるシステムとなっています。
なお、本規格には京セラ株式会社、コニカ株式会社、株式会社 ニコン、ミノルタ株式会社、株式会社 リコー(50音順)の賛同を得ております。
メディアの主な特長
  1. 世界最小* 直径50mmの光ディスクに730MB大容量
    CAD磁気超解像方式(Central Aperture Detection)を用いた厚さ0.6mm単板ディスクの採用により、CDの約10倍の高密度化を実現。世界最小の書き換え型光ディスクでありながら、CDを超える730MBの大容量化を実現 しました。例えば、200万画素相当(400KB/一枚)の静止画は約1800枚、動画 では、320×240ピクセルの画素数で、約20分間(フレームレート 30fps、 転送速度4.8Mbps)保存することができます。
    * 99年7月27日時点

  2. 高速なデータ書き換えが可能
    磁界変調方式の採用により、光磁気ディスクで20Mbpsを超える高速書き換えを可能にしました。

  3. データ保存に対する高信頼性を確保
    温度と磁場が同時に印加されないと消去されない光磁気記録方式であるため、誤消去が無いなど信頼性に優れており、100年におよぶデータの保存が可能です。しかも100万回以上のデータ書き換えを実現しています。

  4. 密閉性と堅牢性に優れたカートリッジ構造
    信頼性を高めるため、駆動孔も塞ぐ全閉方式を採用し、カートリッジへの異物の侵入を防ぎました。また、落下などの衝撃に耐える堅牢性にも優れています。
今後の展開
本小径光磁気ディスクシステムの第1世代として、記録容量730MBのメディアを開発いたしました。将来的な展望といたしましては、磁区拡大再生方式(MAMMOS: Magnetic AMplifying Magneto-Optical System)により、記録容量の2倍化、さらには将来的にブルーレーザーを搭載することで記録容量の5倍化が可能となります。このMAMMOS技術は三洋電機と日立マクセルが共同開発した光磁気記録再生技術であり、微細な記録磁区を再生層に転写し、さらに拡大することで再生信号出力を増幅する技術です。
規格の概要
ASTCで策定された直径120mm光磁気ディスクシステムのAS-MO規格を基にして3社で共同開発した独自の技術仕様を盛りこみ策定しました。フォーマット規格は大別して以下の規格仕様となっています。
  • メディア・物理フォーマット仕様
  • カートリッジ仕様
  • 論理・ファイルフォーマット仕様
メディア・物理フォーマット仕様
項目 仕様
記録媒体 光磁気ディスク(CAD型磁気超解像)
記録方式 磁界変調記録
再生方式 光再生
ディスク直径 50.8mm
記録容量(ユーザー容量) 730MB
面記録密度 4.6 Gb/in2(7.13Mb/mm2
データ転送速度 10~50Mbps
オーバーライト
基板厚さ 0.6mm(記録エリア)
トラックサーボ方式 Land/Groove 連続サーボ
トラックピッチ 0.6μm
最短マーク長 0.235μm
データ変調方式 NRZI Plus
最短ビット長 0.235μm
クランプ方式 マグネット吸着式
カートリッジ仕様
項目 仕様
外形寸法 W59.5×L56.5×H4.8mm
重量 13g
シャッタ 1. 全閉方式(駆動孔を閉塞)
2. セルフクローズド方式(自動戻り)
3. シャッタロック機構付き
誤消去防止 上面操作のスライド方式
識別孔 2個
堅牢性 高強度エンジニアリングプラスチックの採用とコンパクト・高剛性シェル構造
形状 1. カートリッジ外形先端R形状
2. 誤消去防止弁
論理・ファイルフォーマット仕様
項目 仕様
ボリューム・ファイル構造 UDF(Universal Disk Format)規格 準拠
ISO/IEC13346 , OSTA UDF ver1.50
ディレクトリ構造 DCF規格準拠
DCFディレクトリ内に動画ファイルの保存ディレクトリを指定
ファイルフォーマット仕様
  1. 静止画像ファイル:JPEG, DCF規格 準拠
  2. 音声ファイル:Exif規格 Ver2.1音声ファイル規定 準拠
  3. 動画ファイル:QuickTime Movie File Format Specification準拠
  • Exif規格:デジタルスチルカメラ用画像ファイルフォーマット規格
    社団法人 日本電子工業振興協会1998

  • DCF規格:カメラファイルシステム規格
    社団法人 日本電子工業振興協会1998

  • QuickTimeファイル仕様:QuickTime Movie File Format Specification1996
    Apple Computer, Inc.
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
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