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1999年10月 1日
操作の自動化・電動化の追求により快適な操作環境を実現
次世代クリーンルームに対応した200mm/300mmウエハ対応の
半導体検査自動顕微鏡「MX80」シリーズ新発売
半導体検査自動顕微鏡「MX80(オートフォーカスタイプ)」
半導体検査自動顕微鏡「MX80(オートフォーカスタイプ)」
オリンパス光学工業株式会社(社長:岸本正壽)は、操作の自動化・電動化の追求により、次世代クリーンルームに対応する快適な操作環境を実現し、世界最高レベルのUIS光学系(注1)を採用した半導体検査自動顕微鏡「MX80」シリーズを新発売いたします。
近年、半導体製造においては、半導体の高集積化に伴い、検査の微細化対応と次世代クリーンレベルへの対応に加え、操作の自動化と最適な観察条件設定の電動化が強く求められています。
「MX80」シリーズは、観察に関わる操作の自動化・電動化を徹底追求し、予め設定した最適な観察条件を再現する光学調整等の自動化、50nm分解能( Z方向)の電動フォーカスの採用、対物倍率250x(総合倍率2500x)まで対応可能になった新設計の高速・高精度オートフォーカスを搭載するなど、近年の高集積化した半導体デバイス検査に快適な操作環境を提供いたします。また、世界最高水準のUIS光学系をベースに、当社の技術革新により、対物倍率100x(総合倍率1000x)以上でのコントラストの向上を図っています。さらに、蛍光観察を含む全ての落射観察方法が可能になり、顕微鏡観察の可能性を広げました。
オプションでは、透過照明ユニットを用意するなど、200/300mmのウエハ検査だけでなく、フォトマスク(注2)検査やFPD(Flat Panel Display)(注3)検査にも対応するなど、拡張性にも優れています。
「MX80」シリーズは、200mmウエハ対応の検査顕微鏡として業界の標準機となっている「MX50」シリーズ、および平成10年に発売の300mmウエハ対応半導体・FPD検査顕微鏡「MX50L」シリーズの上位機にあたり、当社検査顕微鏡MXシリーズでは最上位機種になります。
主な特長
  1. 観察に関わる全操作をハンドスイッチから制御可能
    観察に関わる操作の自動化・電動化を徹底追求し、各種制御がハンドスイッチひとつで可能になりました。様々な設定も記憶することができ、最小限のボタン操作で、最適な状態で観察できます。

  2. 超高倍率でハイコントラストな像と再現性の実現
    新設計のプリズムの採用により、超高倍率での微分干渉像のコントラストを向上致しました。
    また、新方式の完全円形ピンホールターレット開口絞りを採用、超高倍率での忠実な像再現が可能になり、クリティカルな観察環境に対応します。

  3. 50nm分解能(Z方向)の電動フォーカスを標準装備
    50nm分解能の電動フォーカスの採用により、高倍率でのマニュアル操作でのピント合わせがスムーズに行えます。対物レンズ間の同焦点補正機能、倍率による焦点スピード可変機能なども標準装備されています。

  4. 高速・高精度な新設計オートフォーカスを搭載
    新設計の高速かつ再現性に優れたオートフォーカスを内蔵。 対物倍率で250xまで(従来品は100xまで)対応し、蛍光を含む全ての落射観察方法に対応しています。

  5. 次世代クリーンルームに対応
    駆動部のシールド機構・ESD(注4)対応のブレスシールド(注5)など、クラス10未満のクリーンレベルに対応しています。

  6. 外部通信機構を標準装備
    RS232C(注6)通信によりコンピュータから外部制御を可能にしました。電動ステージなど他の機器との接続により自動化システムを実現できます。

  7. 高剛性・耐震設計によりブレのない超高倍率観察が可能。
    従来の検査顕微鏡に比較して、剛性および耐震性能をコンピュータシュミレーションにより飛躍的に向上させ、高倍率での安定した観察を可能にしました。さらに、200/300mmウエハ共用フレームではクラス最小のF.P.(フット・プリント)(注7)を実現しています。

  8. 優れた拡張性・オプション
    ウエハ搬送装置「AL110」との接続により、ウエハ検査システムの構築を可能にします。その他、透過照明ユニットもオプションで用意し、フォトマスク検査やFPD検査にも対応します。
(注1)UIS光学系: 「 Universal Infinity System 」の略で、当社の無限遠補正光学系を言う。対物レンズと結像レンズの光束が平行で、対物レンズと結像レンズの間に中間鏡筒類を装着しても追加補正光学系を必要とせず、色収差を対物レンズ・結像レンズ・接眼レンズの各々で独立補正した光学系。
(注2)フォトマスク: 石英ガラス等のマスクブランク上にマスターとなるパターン像を形成したマスク構成体。ICや液晶パターン等の製造工程において露光装置にて用いられる。
(注3)FPD: 「Flat Panel Display」の略で、平面状の表示装置の総称。LCD(液晶ディスプレイ)やPDP(プラズマディスプレイ)等のディスプレイを指す。
(注4)ESD: 「Electro-static Discharge」の略で、静電気が帯電した場合の放電能力のこと。
(注5)ブレスシールド: 観察者より発生する埃等から試料を保護するために顕微鏡に取り付けられたシールド。
(注6)RS232C: コンピュータ間のシリアル通信用のインターフェイス(物理層)の規格。
(注7)F.P.: クリーンルーム内で機器が必要とする設置面積。一般的に、同一の性能であればF.P.(設置面積)は小さい方が好まれる。
主な仕様
項目 MX80オートフォーカスタイプ MX80電動フォーカスタイプ
鏡体 本体 200mm/300mm共用フレーム・RS232Cコネクタ、本体側電源スイッチ付
電動焦準部・上下ストローク25mm、最小分解能50nm、焦準スピード対物連動/対物毎同焦補正/上限リミット/ステージ退避
落射照明 観察法電動切換え(4キューブターレット切換え:明視野/暗視野/微分干渉/簡易偏光/蛍光観察の中から4種)
対物レンズ連動開口絞り6段階ターレット/視野絞り固定(暗視野時:開口絞り、視野絞り自動開放)
光源:12V100Wハロゲン(対物レンズ連動電圧調光)標準、100W水銀、100Wキセノン対応フィルタポケット(3枚)
オートフォーカス レーザアクティブタイプ:λ=780nm(クラス1レーザ)
対応対物倍率 5x~250x
・オフセット(微調整) ・サーチ機構付
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透過照明
(オプション)
コンデンサN.A.0.6/作動距離30mm(9mmマスク厚対応)
視野絞り付、コンデンサ上下機能付 ・光源:外部電源とライトガイドを使用
鏡筒 超広視野正立ティルティング三眼鏡筒
 ・光路切換え手動2段(100:0/20:80) ・視野数:26.5 ・ティルト角:2°~35°
電動ステージ用超広視野正立ティルティング三眼鏡筒
 ・1x/2.5x変倍内蔵・光路切換え手動2段(100:0/20:80)  ・視野数:26.5  ・ティルト角:0°~45°
レボルバ 6穴電動 明・暗視野 微分干渉レボルバ(微分干渉プリズム内蔵)
 ・微分干渉プリズム電動切換え(観察法、対物レンズ連動) ・微分干渉コントラスト電動可変(対物レンズ毎に位置記憶)
6穴電動 明・暗視野レボルバ
ハンドスイッチ 2ジョグダイアル11ボタンメインハンドスイッチ
6ケタLED表示付(倍率、開口絞り位置、調光電圧、エラーコード表示)
ステージ ストローク 355.6×304.8mm (透過照明範囲355.6×228.6mm)、ローラーガイド式スライド方式ベルト駆動方式 (ラックレス)、グリップクラッチ機構
ストローク 210×210mm (透過照明範囲185×185mm)、ローラーガイド式スライド方式ベルト駆動方式 (ラックレス)、グリップクラッチ機構
対物レンズ UIS対物レンズ
接眼レンズ UIS接眼レンズ
写真レンズ UIS写真接眼レンズ
電源装置 12V100W光源用、各電動部制御用電源ボックス(別置き)、消費電力100~240V交流4.8A 50/60Hz、電圧変動±10%以内
質量 標準組合せで 約73kg
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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