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2000年 6月20日
同等分解能クラスで世界最小・最軽量の超小型エンコーダ
世界初のSEL(面発光レーザ)
回折イメージ投影方式の実用化に成功
超小型エンコーダのヘッド部分 当社エンコーダを組み込んだNCマイクロ旋盤(機械技術研究所提供)
「SEL回折イメージ投影方式
超小型エンコーダのヘッド部分」
「当社エンコーダを組み込んだNCマイクロ旋盤
(機械技術研究所提供)」
オリンパス光学工業株式会社(社長:岸本正壽)は、世界初のSEL(Surface Emitting Laser/面発光レーザ)回折イメージ投影方式の採用により、同等分解能クラスで従来体積比約1/100の世界最小(4.5×5.5×2.1mm)・最軽量(0.4g)を達成し、0.1μm以下の高分解能で精密機器の「動き」を検出するエンコーダの実用化に成功しました。従来必要とされていたレンズやスリットなどを不要とし大幅に小型化することで、産業用ロボットをはじめとした小型精密メカニズムの微小な隙間に容易に搭載できます。しかも、精密な組立て調整がいりません。また、量産による低価格化が望めるため民生分野の映像・情報機器等への応用も期待されます。
SEL回折イメージ投影方式超小型エンコーダは、光源であるSELから出射される光ビームをスケールに照射し、その反射光による回折干渉パターンの動きをPD(フォトディテクタ)受光部で検出する当社独自方式を採用しています。光ビームの形状を最適に制御できるSELの採用により、高価な光学部品や精密な組立調整を不要とし、ゴミやほこり等の影響を受けにくい、低消費電力のシンプルなデバイスを実現しました。
アプリケーションとしては、産業用ロボットやNC加工機、サーボモータ等の工業分野をはじめ、ディスクドライブやプリンタ、携帯機器等の情報機器、カメラやビデオ等映像機器のレンズ制御・メカ制御など、あらゆる精密機械の、“動き”を高感度に検出するデバイスとして期待できます。
主な特長
  1. 従来に無い超小型・高分解能な光学式エンコーダを実現
    光源であるSELと受光部であるフォトIC(IC回路集積型フォトディテクタ)を一体化した超小型・高分解能な光学式エンコーダで、世界最小(4.5×5.5×2.1mm)・最軽量(0.4g)で0.1μm以下の高分解能を実現しています。

  2. シンプルな構成で組み立て調整、取り付けが簡単
    レンズやスリットなどの部品点数を削減し、シンプルな一体型構成で、エンコーダヘッドとスケールとのギャップ変動や取り付けの際の角度ずれが従来に比べて位置情報に影響しにくいため、精密機器への組み立て調整、取り付けが簡単に行えます。

  3. 超小型パッケージに必要機能を集積
    超小型パッケージにレーザ駆動回路、外光キャンセル機能や、電流電圧変換アンプ、APC回路用信号出力など必要機能を集積することで高機能、低消費電力化を実現し、高信頼性も確保できます。

  4. ゴミ・ほこり等の影響を受けにくい
    スケール上の欠陥や、ゴミ・ほこり等の影響を受けやすいという光学式エンコーダの問題を解決するために、回折イメージを用いた検出原理を採用しました。
SEL回折イメージ投影方式超小型エンコーダ(研究開発品)の主な仕様
ヘッド外形寸法 4.5×5.5×2.1mm
出力信号 Quasi-sinusoidal A/B phases
供給電源 DC ±3V
動作温度範囲 10~ 50 ℃
スケールピッチ 25μm
ギャップ許容範囲 1.8 ± 0.15 mm
分解能 0.1μm以下
応答速度 50kHz
集積した必要機能 レーザ駆動回路
外光キャンセル機能
電流電圧変換アンプ
APC回路用信号出力
主な応用例
高性能タイプ 普及タイプ
・精密ステージ
・産業用ロボット
・3D計測器
・超小型精密組立装置
・業務用カメラなど
・カメラのレンズ制御(銀塩カメラ、デジタルカメラ、ビデオカメラなど)
・ストレージ装置やプリンタなどのメカ制御
・自動紙幣読み取り装置(自販機など)
・カードリーダなど
従来のエンコーダとの比較
従来のエンコーダでは、高価な光学部品とその精密組み立てを必要としていました。当社の開発したSEL回折イメージ投影方式では、これらの部品とその組み立てが不要となり超小型化が実現できます。
従来品 当社 SEL回折イメージ投影方式
従来品 当社 SEL回折イメージ投影方式
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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