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2001年 4月 3日
株式会社NTTデータ
オリンパス光学工業株式会社
株式会社ニコン
テレパソロジー(遠隔病理診断支援)システムの
異機種間互換性を実現
株式会社NTTデータ(社長:青木 利晴)、オリンパス光学工業株式会社(社長:岸本 正壽)、株式会社ニコン(社長:吉田 庄一郎)は、テレパソロジー(遠隔病理診断支援)システムの更なる普及を図るために、各社のテレパソロジーシステムの異機種間接続を実現しました。3社のシステムの相互接続はMEDIS-DC(財団法人医療情報システム開発センター)の制定した画像連携コマンドプロトコル規格に基づくものです。本規格はIS&C委員会WG9の提案を元に制定されました。
3社はこの互換システムを4月5日から7日に東京国際展示場レセプションホールで開催される第90回日本病理学会総会に展示し、相互接続の公開実験を行います。
テレパソロジーは、病理標本の顕微鏡拡大画像を通信回線により伝送し、伝送された画像を遠隔地で観察することで病理診断などを行うものです。病理診断は、外科手術や内視鏡検査時などの際に採取した組織切片を顕微鏡観察し、病変組織の良悪性や浸潤範囲などを判断し次にとるべき処置方法を決定するための診断です。
しかし、わが国においては、この病理診断を行う病理医が少なく、病理医不在の病院も少なくありません。こうした病理医の不足や偏在を補う手段の一つとしてテレパソロジーの普及が望まれております。
現在、わが国では約100施設でテレパソロジーシステムが導入されております。その主な用途としては、病理医不在の病院に対して手術中に切除組織の病理診断を行う遠隔術中迅速診断をはじめ、ベテラン病理医が遠隔地の経験の浅い若手病理医や一人病理医に対して支援を行う遠隔病理コンサルテーション、遠隔病理カンファレンスなどがあげられます。
しかしながら、従来のシステムはメーカー毎に互換性がなく、相互に接続することができませんでした。こうした状況を鑑み、MEDIS-DCはIS&C委員会の提案に基づきテレパソロジーの画像連携コマンドプロトコルを制定しました。この画像連携コマンドプロトコルは、通信回線を通して複数の端末が同一の画像について同一の表示および同一の処理を行うための通信メッセージ体系を統一した規格です。
このプロトコルを各社のシステムに採用することにより、従来互換性の無かったテレパソロジーシステムの異機種間接続を実現することができます。
3社は、すでにこの規格の互換性に関する実験を、昨年3月に、沖縄県立中部病院(端末:株式会社NTTデータ製、顕微鏡:オリンパス光学工業株式会社製)、京都府立医科大学(端末、顕微鏡ともオリンパス光学工業株式会社製)、山形大学医学部(端末、顕微鏡とも株式会社ニコン製)の3ケ所の病院を接続して実施し、相互に接続が可能であること、および画像の入力、伝送、表示、アノテーション(画面上の共通ポインター表示機能)といった所要の機能を果たすことを確認しています。
また、このたび学会展示場でこの互換システムの相互接続の公開実験を行うことにより、今後、本規格に基づくテレパソロジーシステムの普及促進を図るとともに、他のテレパソロジーシステムメーカーとの互換接続を積極的に働きかけることで、病理診断が一層身近になり、医療の質の向上に寄与できることを期待しております。
※IS&C委員会: Image Save & Carryの略で、MEDIS-DCと日本PACS研究会(68社)、学識経験者(24名)が共同で設立運営している産学協同の研究組織。
発売の概要
「テレパソロジーシステムの概念図」
「テレパソロジーシステムの概念図」
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
  • 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
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