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2001年11月26日
更新日:2002年 2月25日
世界最高レベルの光学性能とシステム拡張性を持つ
倒立型リサーチ顕微鏡「Power IXシリーズ」新発売
倒立型リサーチ顕微鏡Power IX81/IX71
倒立型リサーチ顕微鏡「Power IXシリーズ(左:IX81 右:IX71)」
オリンパス光学工業株式会社(社長:菊川 剛)は、細胞や1分子レベルでのたんぱく質の機能解析・測定や遺伝子操作などの研究に重要な「観る」「測る」「操作する」という基本性能と、複合化・多様化するアプリケーションへのシステム拡張性に優れた倒立型リサーチ顕微鏡「Power IXシリーズ IX81/IX71/IX51」を発売いたします。
「Power IXシリーズ」は、大変好評を得ている「IX70/IX50」の後継機で、医学・生物学分野の基礎から最先端の研究まで幅広くご利用いただけるよう、ベーシックタイプからにコンピュータ制御の電動システムまで豊富なラインナップを取り揃えています。
主な特長
  1. さらに進化した世界最高レベルの光学性能
  2. システム拡張に便利な最大9箇所の光路を設計
  3. コンパクトで操作性・剛性に優れたフレーム
  4. コンピュータ制御の電動フレームと各種電動ユニット
開発の背景
最近の医学・生物学の分野においては、生きた細胞や分子を「観る」・「測る」・「操作する」研究が主流で、ゲノム・たんぱく質・脳神経系の機能や役割の解明、それに基づくゲノム創薬への応用を目的とした市場では倒立型顕微鏡の需要が拡大しています。顕微鏡単体による微分干渉観察や蛍光観察はもちろんですが、さまざまな研究内容に対応したアプリケーションに対するシステム周辺機器との組み合わせ適性も非常に重要となり、試料を「観る」・「測る」・「操作する」という基本性能に加え、システム周辺機器にその基本性能を確実に伝える拡張性に優れた製品が求められています。
この度発売する倒立型リサーチ顕微鏡「Power IXシリーズ」は、前機種「IX70/IX50」のフルモデルチェンジで、絶大な信用を得ている光学性能(UIS光学系*1)をさらに進化させることにより、「観る」基本性能を高めました。光路は入出力口を最大9箇所用意し、システム周辺機器に観察像を忠実に伝えます。また、フレームの剛性を飛躍的に向上させ(当社従来比:対物レンズが取り付くフォーカシング部分において複数の対物レンズや周辺ユニットの重さに耐える静的な剛性が最大1.5倍、内部発熱に起因する熱たわみをおさえた熱安定性が最大7倍)、さらにはシステム周辺機器を接続しても左右と前面に十分な操作スペースが確保できるようボディをコンパクト化いたしました。また、コンピュータ制御が可能な電動システムを新たに導入することにより、コンピュータやクールドCCDカメラとの組み合わせで、イメージングを中心としたコンピュータ制御システムの構築が可能になります。
*1 UIS光学系:
「Universal Infinity System」の略で、当社の無限遠補正光学系の総称です。対物レンズと結像レンズの光束が平行で、色収差を対物レンズ・結像レンズ・接眼レンズの各々で独立補正した光学系です。
主な特長の詳細
  1. さらに進化した世界最高レベルの光学性能
    「Power IXシリーズ」は、蛍光観察をはじめ微分干渉観察やRC観察*2に重要な光学性能を徹底的にこだわりました。前機種「IX70/IX50」で絶大な信用を得ている光学性能(UIS光学系)の改良をさらに重ね、新アポクロマートリレー光学系および非球面コレクタレンズによる世界最高レベルの明るい蛍光照明を実現しています。また、蛍光ミラーユニットの分光特性を最適化することで、効率の良い蛍光像を得られます。さらに、補正環を操作してもフォーカスずれがないUV対応対物レンズ、新微分干渉素子、RC用光学素子や、室温でのフォーカスずれを少なくする蛍光対応の高機能炭酸ガスインキュベータおよびタイムラプス対応の高機能保温箱などをあわせて発売します。
    「Power IXシリーズ」は、蛍光照明や観察像の最適化、長時間観察で像のピントがずれない方法と細胞を長時間生かし続ける技術を確立し、世界最高レベルの蛍光観察法を実現しています。さらには、高NA1.65専用対物レンズと各種レーザの導入がしやすいファイバーを用いた当社独自のTIRFM*3システム、レーザ共焦点蛍光観察システムなどの中核となる光学ワークステーションとして機能します。
*2 RC(レリーフ コントラスト)観察:
プラスチックシャーレなどの複屈折のある容器でもコントラストをつけて、立体的に観察できます。ICSIやクローンマウスの作成、ES細胞の実験に最適な観察手法。RC観察法を用いると擬似的な3次元像がえられるため、卵を観察しながらのマニピュレータの標本操作が容易に可能となります。この観察法は、ロバートホフマンが発明した観察方法をベースに当社独自の光学技術を元に最適化した観察方法です。従来の観察方法に比べ高解像で観察できます。
* 3 TIRFM:
全反射蛍光顕微鏡(TIRFM; Total Internal Reflection Fluorescence Microscopy)。カバーガラスの上面、数百nmのみを照明して観察する方法です。高コントラストの蛍光像が得られます。
 
  1. システム拡張に便利な最大9箇所の光路を設計
    上下・左右・背面・底面に最大9個所(オプションユニットを含む)の光路を使用できるので、最先端の研究に対応するさまざまな先進システムへ容易に拡張できます。また、ステージ高さを変えずに各種ポートが直接取り付けられるので大変便利です。必要なユニットを組み込むだけで、複合化・多様化するアプリケーションに簡単に対応でき、蛍光イメージングシステムや各種実験装置など本商品1台で研究目的に応じた使い分けが可能です。
システム拡張に便利な最大9箇所の光路
  1. コンパクトで操作性・剛性に優れたフレーム
    フレームの大きさは、「IX70/IX50」に比べスリムでコンパクトになり、顕微鏡左右のワークスペースを十分に確保しています。CCDカメラなどの背面取付けが可能なので、各種システム周辺機器を組み合わせても操作が大変しやすいエルゴノミックデザインです。新ティルティング鏡筒*4の採用、ステージの高さが低く標本へのアクセスが快適で疲労が少ない設計です。また、操作部のわずかな振動さえも最小限に抑えたショックレス機構の導入、熱の影響を受けない外部電源方式の採用など、長時間に渡る観察に細心の配慮をした剛性の高いのボディです。
* 4  新ティルティング鏡筒:
接眼レンズ部の俯角を35~85度の間で自由に設定できる鏡筒。観察者は自由な姿勢で標本を観察できます。
  1. コンピュータ制御の電動フレームと各種電動ユニット
    研究者の目的に合わせて電動システムを自由に組み合わせることができ、かつ手元で楽に操作が行なえます。コンピュータ制御も可能なので、長時間に渡る2Dから6D(X、Y、Z、波長、時間、多点)までの画像解析をはじめとしたイメージングシステムの構築に最適です。
主なシステム周辺機器
クールドCCDシステム
低ノイズの冷却CCDを用いて、蛍光標識が発光している微弱な波長を計測し画像化します。
デジタルタイムラプス画像解析システム
時間経過による標本の変化を画像化し解析します。
マイクロマニピュレーションシステム
顕微鏡下でガラスピペットやガラス針を使い細胞の実験・操作を行ないます。
レーザ共焦点蛍光観察システム
広範な波長領域のレーザ光と蛍光観察を組み合わせることにより、観察範囲が極めて小さいうえ微弱な蛍光をピックアップできます。X・Y・Z軸で観察するので3次元の画像合成も可能です。
全反射蛍光顕微鏡システム
カバーガラスと水溶液間の屈折率の差を利用し、レーザ光を全反射させることによって滲み出す微弱な光で蛍光分子の機能解析を行ないます。
蛍光レーザアブレーションシステム
蛍光照明光路にレーザ光を導きいれることで、細胞の特定領域の切除や深さ方向への選択的集光ができるようになり、細胞内部のみのアプローチを可能にします。
カルシウムイオン観察システム
蛍光の特性を生かしたプローブによって、細胞内のカルシウムイオンの濃度を観察します。
主な仕様
仕様 IX81 IX71 IX51
本体部 レボルバ 電動6穴、
簡易防水機構
6穴、
簡易防水機構
6穴、
簡易防水機構
準焦部 電動ストローク9mm 手動ストローク9mm 手動ストローク9mm
1次像TVポート
(オプション含む)
左側サイドポート、底面ポート、背面ポートx2、右側サイドポート 左側サイドポート
本体光路切替 電動 手動 手動
内蔵変倍レンズ 1x、1.6x(オプション2x) 無し
透過照明支柱 100Wハロゲンランプ、支柱ティルト機構付 30Wハロゲンランプ
(コンデンサ、フィルタフォルダ付)
鏡筒 ティルティング
双眼
アイポイント調整範囲 65mm
傾斜角35°~85°可変、視野数22
手動シャッタ、心出望遠鏡内蔵、視野数22
心出望遠鏡内蔵
双眼
手動シャッタ、心出望遠鏡内蔵、視野数22
ステージ クロス
ステージ
共軸ハンドルステージ、ストローク50mmx50mm、中座交換式 メカニカルステージ、共軸ハンドルステージ、ストローク50mmx50mm、中座交換式
プレーン
ステージ
平面ステージ、232mmx240mm
コンデンサ 長作動距離
ユニバーサル
電動、NA0.55、W.D.27mm
6穴ターレット
NA0.55、W.D.27mm
6穴ターレット
支柱に附属
NA0.3、W.D.70mm
中距離
コンデンサ
NA0.5、W.D.45mm、4穴ターレット
微分干渉
コンデンサ
NA0.9、W.D.3.7mm(水浸時)
超長作動距離
コンデンサ
NA0.3、W.D.73mm、4穴ターレット
接眼レンズ WH10X、視野数22
落射蛍光
装置
L字落射蛍光
投光管
視野絞り、開口絞り、スライダ式シャッタ、UVカット版附属
落射蛍光投光管 視野絞り、スライダ式シャッタ、UVカット版附属
電動蛍光ミラー
ユニットカセット
電動、6穴 手動、6穴
電動シャッター 透過及び落射
電動フィルター
フォイール
電動6穴フィルターホイール取付可能
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
  • 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
  • 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。


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