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2002年 5月22日
オリンパスが800万画素*1
超高精細デジタル動画カメラの試作機を開発
~ 次世代の映像システムとして、
デジタルシネマ・医療分野などへの活用を期待 ~
オリンパス光学工業株式会社(社長:菊川 剛)は、高精細度テレビ方式(HDTV:通称 ハイビジョン)の4倍に相当する出力画素数を持つ超高精細デジタル動画カメラの試作機の開発に成功しました。
今回開発したデジタル動画カメラは、超高速信号処理のために新たに開発した高速画像処理エンジンとHDDレコーダー等により、実用化レベルで世界で初めて*2、35mm映画フイルム並の約800万画素で秒30コマのリアルタイム撮影及び記録を可能にしたものです。
これにより、下記の様な分野・用途での活用が期待できます。
  • 撮影・記録・データ処理、配信までの一貫したデジタル化を目指しているデジタルシネマ分野
  • 貴重な美術品・資料を高品質な映像での保存(デジタル・アーカイブ)を必要とされる分野
  • リアルタイムに高精細映像表現を要するライブ中継、医療・教育など
オリンパスでは、今回のデジタル動画カメラ並びに同時に発表するディスプレイの開発により、臨場感溢れる超高精細画像技術に関して、撮影(入力)から編集、表示(出力)にいたるまでを提供することが可能となりました。
今後は、この技術に関して具体的なアプリケーションでの応用検証を行いながら、商品開発を目指していきます。
*1 200万画素CCDを用いた4板撮像方式による
*2 走査線2000本級の映像システムにおいて、2002年5月22日現在
超高精細デジタル動画カメラの試作機
超高精細デジタル動画カメラの試作機
開発の背景
光ファイバー網など次世代の通信インフラの整備やデジタル映像技術の進展により、通信/放送/教育/医療/出版など多種多様な分野で、超高精細なデジタル画像・映像がデジタル情報として自由に伝送、流通できるようになると見込まれています。
これらに対応し、オリンパスでは複数台プロジェクター画像のシームレス化を図るユニークな画像貼り合わせ技術により、HDTVを超える400~650万画素の高精細な動画を大画面で表示するディスプレイの製品化を実現してきました。
一方で、これらのディスプレイに対応した高精細画像の制作、入力に関しては、撮影したフィルムをデジタルに変換する方法が用いられており、期間と費用面から特殊な用途に限定され、フィルムベースの粒状ノイズによる画像劣化も避けられませんでした。
オリンパスでは、今回の超高精細デジタル動画カメラの開発により、出力機器のスペックを十分に活用し、トップクラスの高精細画像入出力システムの実現を目指しました。
今回開発した技術
  • 超高精細撮像モジュール
    高精細動画を実現する上で不可欠な撮影画素数の向上に関しては、200万画素CCDのプログレッシブ駆動*1と4板撮像方式の採用により、原色ベイヤ配列*2の水平3840画素、垂直2064画素(約800万画素)の超高精細映像入力を実現しました。この結果、水平・垂直解像度共に1600TV本の高解像度を達成しました。
    *1 日本放送協会(NHK)の技術協力を得て開発しました
    *2 デジタルカメラ用撮像素子で主流な色フィルタの配列
  • 高速画像処理エンジン
    原色ベイヤ配列の超高精細撮像モジュールの出力信号を、動画出力のためにリアルタイム処理を行います。
    高級デジタルカメラ開発で培った高画質画像処理技術をベースに、超高速信号処理エンジンを独自に開発して800万画素、プログレッシブ秒30コマの動画出力を実現しました。

  • HDDレコーダー
    高精細動画化により膨大な量となる映像情報を記録するには、大容量のハードディスクドライブ(HDD)レコーダーが必要となります。デジタル信号処理を経由した映像信号をMotion-JPEGで圧縮を行い、HDDアレーにダイレクト記録を行います。保存、再利用による画像劣化のないデジタルストリームデータとして最大約60分の連続録画ができます。

  • システム構成
ライブ表示システム(カメラの映像をダイレクトにディスプレイに表示)
ライブ表示システム(カメラの映像をダイレクトにディスプレイに表示)
オフライン表示システム(HDDに記録した映像を編集・加工しディスプレイに表示)
オフライン表示システム(HDDに記録した映像を編集・加工しディスプレイに表示)
(参考)画像サイズの比較
(参考)画像サイズの比較
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
  • 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
  • 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。


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