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2002年 6月13日
1分子蛍光分析技術を用いたSNPタイピング装置を
東京大学ヒトSNPタイピングセンターが採用
オリンパス光学工業株式会社(代表取締役社長:菊川 剛)の1分子蛍光分析技術*1を用いたSNP(1塩基多型)タイピング*2装置が、国内の疾患関連遺伝子探索の研究加速を支援する目的で2002年6月から本格稼動した東京大学ヒトSNPタイピングセンター(東京大学本郷キャンパス、センター長:東京大学医学系研究科人類遺伝学分野・徳永勝士教授)に採用されました。
1分子蛍光分析技術を用いたSNPタイピング装置は、共焦点光学系の採用により超微小溶液中のDNA分子の挙動を捉え、分子の大きさ、数を同時計測することで、正確かつ迅速で低コストなSNPタイピングを実現します。また、当装置は当社関係子会社「株式会社ノバスジーン(社長:祖父尼 俊雄/東京都八王子市)」の受託解析サービスにも採用されており、その実用性を実証されております。当社にとって、今回の採用がゲノム解析機器の出荷第一弾に当たり、今後も光学技術、遺伝子解析技術、溶液制御技術などの独自技術を活かした装置の開発により、遺伝子・タンパク機能解析の研究を支援し、テーラーメード医療の実現に貢献してまいります。
東京大学ヒトSNPタイピングセンターの概要
当センターは、文部科学省科学研究費・特定領域研究「ゲノム医科学」における疾患関連遺伝子探索の促進・効率化を目的として、東京大学本郷キャンパス内に設立されました。同センターでは、平成11年度に発足した文部科学省のミレニアムプロジェクトの一環として、高齢化社会に対応し、個人の特徴に応じた革新的医療の実現のために、生活習慣病(高血圧・糖尿病・アレルギー疾患)などの遺伝要因の解明を目指します。国内の主な大学・公的研究機関のゲノム研究者からさまざまな遺伝子のSNPタイピングの依頼を受け、関係機関の倫理審査委員会の承認手続きを経た上で受託を実施します。SNPタイピング受託数は年間100万タイピングを予定しております。
*1  1分子蛍光分析技術:
共焦点レーザー光学系により約1フェムトリットル(1000兆分の1リットル)という超微小領域中で生体構成分子の挙動を捉え、蛍光ラベルされたプライマーの増幅産物やタンパク質の大きさ、計測領域あたりの分子数を1分子レベルで計測する、生体内に近い環境下(溶液中)での分子間相互作用解析技術。また当技術は、Evotec Technologies(CEO:Dr. Carsten Claussen/ドイツ・ハンブルグ)と共同開発したものです。
*2 SNP(1塩基多型)タイピング:
SNPはSingle Nucleotide Polymorphismの略称で、DNA配列300~500個にひとつ出現する1塩基の違いを言い、これにより病気のなり易さ、薬剤に対する感受性が個々人により異なってくると言われています。疾患ごとの機能・代謝経路などから推察される疾患関連遺伝子の候補、または家系サンプルを用いた解析で絞り込まれた染色体上の一定領域についてSNPの解析を行なうことにより疾患関連遺伝子を特定します。SNPタイピングは、ゲノム創薬、テーラーメード医療の実現に繋がるとして注目を浴びています。
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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