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2003年 1月20日
オリンパス光学工業株式会社
ITX 株式会社
オリンパス光学工業(株)とITX(株)の戦略的関係強化の件
オリンパス光学工業株式会社(本社 東京都新宿区、代表取締役社長 菊川 剛、以下、オリンパス)は ITX 株式会社(本社 東京都千代田区、代表取締役社長 横尾 昭信、以下、ITX)との戦略的な関係の強化を目的として、本日、ITX が発行する株式のうち、日商岩井株式会社(以下、日商岩井)が保有する株式 100,200 株を追加取得することに合意し、筆頭株主(約22%)となります。同時に、オリンパスグループとして ITX が発行する転換社債型新株予約権付社債の引き受けを行いました。
  1. 戦略的関係強化の背景と目的

    オリンパスは、2000年 4月の ITX の営業開始時から重要な株主の一社として資本参加しています。以来、オリンパスと ITX は戦略的なパートナーとして、新規事業の発掘・開発を行ってきており、その中でも次世代の半導体分野及び医療デバイス関連分野においては、既に共同で合弁会社を設立し、事業化検討を開始しています。
    このたびの戦略的関係の強化により、オリンパスから ITX へ役員及び新規事業の開発担当人員を合わせて20名程度派遣する予定であり、オリンパス及び ITX は革新的で独創的な新規事業の創出、育成に拍車をかけることで、両社共に企業価値の向上を図っていきます。
    今後は更に、オリンパスのコアコンピタンスである「オプトデジタルテクノロジー」(光学技術、デジタル映像技術、微小加工技術)、及び映像・医療・産業分野におけるグローバルな販売力・ブランド力と、ITX の強みであるネットワーク分野等での専門性、新規事業創出能力、事業育成力を生かし、既存事業における競争力強化と新規事業を開発・展開していきます。

    < オリンパス >
    オリンパスは、内視鏡・顕微鏡等を中心とする医療分野、デジタカメラ・銀塩カメラを中心とする映像分野、及び非破壊検査・半導体検査装置等を中心とした産業分野の3つの領域において、それぞれに高い市場占有率を誇り、事業拡大、収益性の向上、ブランド力の強化を図っています。
    一方、これらの確立した事業を中長期的に一層強化していくためには、差別化技術への更なる強化とともに、通信・ネットワーク技術といった外部技術との積極的な融合や、ソリューション事業・サービス事業といった新しいビジネスモデル・販売チャネルの採用によるスピードある事業進化が必要と考えています。また、事業環境や競合関係の急激な変化に対応し、且つ経営の安定を維持するために、将来のコア事業となる新規事業の確実な創生により、事業ポートフォリオの拡充が必要と考えています。
    このような既存事業のスピードある事業進化、及び新規中核事業を確実に創生するために、オリンパスは、ITX の"日本の産業構造の変革を担う会社"という経営理念に賛同し、2000年 4月の ITX 営業開始時以来の戦略株主として資本参加し、ITX と新規共同事業の発掘・開発・検討を行ってきました。既に共同での育成を開始した次世代の半導体関連及び医療デバイス関連に加え、デジタルカメラ分野におけるソリューション事業や、医療情報システム、再生医療事業、更には、ユビキタスネットワーキングや環境関連等のオリンパスにとっての新規分野での事業開発及び展開をおこなっていきます(詳細後述)。
    オリンパスは今後この動きをさらに加速するため、新規事業を数多く創出・育成し、IT 事業創出・投資育成のプロフェッショナルである ITX との更なる関係・連携の強化が不可欠と判断しました。

    < ITX >
    ITX は日商岩井から分離独立し、2000年 4月 1日に営業を開始して以来、「 IT 事業創出会社」として、IT の無限の可能性を追求し、モバイル、ネットワーク、衛星・放送・コンテンツ、エレクトロニクス、ライフサイエンスの5分野において独創的・革新的なビジネスの発掘・投資・育成を行ってきました。
    ITX のビジネスモデルの特色は、事業創出及び育成にあります。事業創出においては、ITX 独自のアイディアをベースに、オリンパスをはじめとする国内外の有力なパートナーとの連携により有望なビジネスを発掘し会社を創業する、又はスタートしたばかりの事業で ITX が主体的に深く事業に関与できるものに投資します。育成においては ITX 自ら人材を送り込み、関係会社、パートナーのネットワークをも活用して育成し、事業の成長スピードを速めます。
    新規事業の発掘・評価・投資・立上げ・育成の各ステージにおいて、今後ますます専門性・技術力・販売力・ブランド力が必要となります。ITX は「事業創出会社」としての特色をより鮮明にし、機能をより強化するためにはオプトデジタルテクノロジーでの世界最高水準の技術力及び映像・医療・産業分野でのグローバルな販売力・ブランド力を持つオリンパスとの戦略的関係強化が非常に大きな力となると判断しました。
    また、上述の通り ITX は今後オリンパスと既に開始した共同事業を育成しつつ、オリンパスと更に多くの独創的で革新的な新規事業の開発を行うと共に、引き続き ITX 独自または他のパートナーとも連携し事業の育成及び新規ビジネスの展開を行っていきます。

    < 共同事業 >
    ( 1 ) 既に事業化の提携済み案件
    次世代半導体関連分野
    ダイナミック・リコンフィギュラブル・プロセッサー ( DRP ) のチップ・ボード・モジュールの設計・販売を行うファブレス事業、同製品に関連するソフトダウンロードのプラットフォーム事業及び回路ソフトウェアライブラリー事業
    医療デバイス分野
    近赤外線測定技術を用いた完全非侵襲型の血糖値測定器の開発・製造・販売事業
    ( 2 ) 今後開発していく分野(検討中案件の一部)
    デジタルイメージング分野
    医療分野(医療デバイス / 再生医療分野 / 医療情報分野)
    ユビキタスネットワーキング分野
    環境関連分野


  2. オリンパスによる ITX が発行する株式の追加取得及び転換社債型新株予約権付社債の引き受けの概要

    ITX は、ITX の株主価値(事業価値)の向上に繋がるライフサイエンス・ネットワーク・エレクトロニクス・構造改革ビジネス関連等での、新規の大型投資育成案件への投資資金確保のために、転換社債型新株予約権付社債の発行を行ないました。

    オリンパスは、前述の理由での関係強化のために、本日、日商岩井が保有する ITX 株式100,200株の株式譲渡契約を日商岩井と締結し、オリンパスグループとして ITX が発行する転換社債型新株予約権付社債100億円の引き受けを行いました。


  3. 株式異動後の筆頭株主の状況

    発行済株式の総数 490,240株
    筆頭株主異動前:2002年12月31日時点
    株主名 所有持ち株数
    (株)
    持ち株比率
    (%)
    日商岩井株式会社 209,564 42.75
    日商岩井米国会社 14,530 2.96
    オリンパス光学工業株式会社 9,324 1.90
    Olympus Asset Management Limited 2,000 0.41
    その他 254,822 51.98

    筆頭株主異動後:2003年1月30日時点(新株予約権含まず)
    株主名 所有持ち株数
    (株)
    持ち株比率
    (%)
    オリンパス光学工業株式会社 109,524 22.34
    日商岩井株式会社 109,364 22.31
    日商岩井米国会社 14,530 2.96
    Olympus Asset Management Limited 2,000 0.41
    その他 254,822 51.98

    筆頭株主異動後(転換社債型新株予約権付社債の転換後)
    転換後の発行済株式の総数 590,440株(予定)
    株主名 所有持ち株数
    (株)
    持ち株比率
    (%)
    オリンパス光学工業株式会社 109,524 18.55
    日商岩井株式会社 109,364 18.52
    Olympus Asset Management Limited 102,200 17.31
    日商岩井米国会社 14,530 2.46
    その他 254,822 43.16


  4. オリンパス光学工業株式会社の概要

    事業内容: 医療・健康、映像・情報、工業関連機器の製造・販売
    デジタルカメラ、銀塩カメラ、録音機、双眼鏡、消化器・外科・処置具・超音波分野の内視鏡関連機器、生物顕微鏡、分析機、ゲノム解析システム、情報機器、工業用内視鏡、工業顕微鏡、他
    代表者: 代表取締役社長 菊川 剛
    設 立: 1919年
    資本金: 40,832百万円 ( 2002年 3月末 )
    売上高 ( 連結 ): 528,415百万円 ( 2002年 3月末 )
    所在地: 〒163-0914 東京都新宿区西新宿2-3-1
    新宿モノリス
    社員数: 4,345名 ( 2002年 3月末 )
    URL: http://www.olympus.co.jp


  5. ITX 株式会社の概要

    事業内容: モバイル、ネットワーク、衛星・放送・コンテンツ、エレクトロニクス、ライフサイエンスの5分野で独創的な事業を立上げ、育成する「 IT 事業創出会社」。2001年12月14日ナスダック・ジャパン市場(現ヘラクレス市場)に上場(コード : 2725)。
    代表者: 代表取締役社長 横尾 昭信
    事業開始: 2000年
    資本金: 20,456百万円(2002年 3月末)
    売上高(連結): 350,585百万円(2002年 3月末)
    連結対象会社数: 53社(2002年 3月末)
    本社: 〒100-6014 東京都千代田区霞が関3-2-5
    霞が関ビル14階
    従業員数: 145名(連結ベース 2,081名)(2002年 3月末)
    URL: http://www.itx-corp.co.jp
本リリースには、証券取引法 第166条に定められた「重要事実」に該当する情報が含まれています。本リリースをご覧になられた方は、報道機関への発表時から12時間以内(日本時間 平成15年 1月21日 午前 4時30分頃まで)に、弊社の株式等の売買を行うことは証券取引法により禁止されますので、ご注意下さい。
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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