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2003年 9月30日
オリンパス、クラス最高レベルの光学性能と快適さを追求した
実体顕微鏡*1システムを新発売
環境に配慮した新設計の光学系搭載
・ ガリレオ式平行光学系*2を採用し幅広い拡張性を実現した「SZX7」
・ 基本性能をコンパクトボディに凝縮した「SZ61」
SZ61/SZX7
グリノー式光学系を採用した「SZ61」(左)  ガリレオ式平行光学系を採用した「SZX7」(右)
オリンパス光学工業株式会社(社長:菊川 剛)は、光学性能を追求した普及型実体顕微鏡システム「SZX7 / SZ61」の2シリーズ4機種を10月1日から全世界で発売し、実体顕微鏡ラインアップの拡充を図ります。「SZX7」は従来、当社の高級実体顕微鏡に採用されていたガリレオ式平行光学系を搭載することにより、対物レンズ、アクセサリーなどが選択できるシステムの幅広い拡張性を実現しました。
「SZ61」は、グリノー式光学系*3において最高のズーム比を実現し医療・生物分野から工業分野まで、幅広く使用されている実体顕微鏡のラインアップを強化し、多様化するニーズに応えます。また、新しく設計された光学系には、環境に配慮した鉛フリーガラスを採用しています。
*1  実体顕微鏡:
通常左右両眼で立体的に見えるのと同じように、顕微鏡下で標本を立体視することのできる顕微鏡のことです。生きた細胞の観察や生産現場での大きな部品の観察に至るまで、幅広い用途があります。
*2  ガリレオ式平行光学系:
実体顕微鏡の光学系の種類で、平行に配置された左右二つの変倍光学系と、一つの対物レンズで構成されるタイプです。ユニットにより機能の追加が可能で容易にシステムを拡張できます。(添付参考資料参照)
*3  グリノー式光学系:
実体顕微鏡の光学系の一種で、傾斜角度をもった2つの独立した(変倍)光学系を配置したものです。実体顕微鏡の特長である立体的な像を得やすく、コンパクトなボディー設計が可能です。(添付参考資料参照)
発売の概要
製品名 発売時期
実体顕微鏡「SZX7」 2003年10月1日~
実体顕微鏡「SZ61」
主な特長
優れた光学性能と同クラス最高のズーム比を実現
豊富なアクセサリ類による多彩な用途への対応
世界初のLEDによる透過・落射内蔵の照明架台を開発、照明システムの充実化
人間工学に基づいた光学・外観設計:観察者の疲労軽減、作業効率に配慮
環境への配慮:レンズには鉛フリーガラスを採用
市場導入の背景
近年の医療・工業分野の技術進歩は目覚ましく、これらの市場における顕微鏡の重要性は高まる一方です。先端の医療分野では、実体顕微鏡を使い生きたサンプルを「観る」・「操作する」ニーズが高まっています。また工業分野でも、研究、製造ラインの品質検査、製造装置への組込みなどさまざまな用途で使われており、普及価格帯の実体顕微鏡にも高い光学性能が期待されています。
今回発売する「SZX7/SZ61」は【The Comfort Zone-「観る・触れる・使う、全てが快適性能へ」】をコンセプトに開発され、お客様に当社の実体顕微鏡の使いやすさや見やすさを提供していきたいと考えています。例えば、使いやすさを追求したデザインはもちろんのこと、LED照明をはじめ対物レンズを通して標本に照明光を当てる同軸落射照明や、光の振動方向を利用し物質の特性を光により検出する偏光観察など、多様な観察方法が選択できます。生物用途には蛍光観察*4ユニットも装着可能です。また、高精細化が進むデジタル画像装置への親和性を考え、アダプターなしで当社の顕微鏡用デジタルカメラDPシリーズが直接搭載できるモデルも用意しました。
*4  蛍光観察:特定の波長の励起光を標本にあてて、標本が発する蛍光を顕微鏡で観察する方法です。
主な特長の詳細
1.  優れた光学性能と同クラス最高のズーム比を実現
  「SZX7/SZ61」ともすべての光学系でマルチコーティングを採用しました。これによりレンズの透過率が高くなり色再現の良い高コントラストな像が得られます。
  「SZX7」は、従来、当社の高級実体顕微鏡にだけ使われていたガリレオ式平行光学系を採用しました。これにより、1倍対物ではクラス最大の作動距離(WD90mm)を実現した対物レンズや、観察像の盛り上がりを抑え平坦性に優れ、かつ最大600本/mmの高分解能*5を実現した対物レンズなど多彩なラインナップから選択が可能になりました。グリノー式光学系を採用した「SZ61」は、像の優れた平坦性と深い焦点深度を実現して、立体感のある観察像が得られます。これらの優れた光学性能に加え「SZX7」は、ズーム比7倍、システム総合倍率4~336倍、「SZ61」はズーム比6.7倍、総合倍率1.68~270倍のクラス最高のズーム比を実現し、広い観察範囲をカバーしています。
*5  最大600本/mmの高分解能:1mmの幅にライン&スペースがそれぞれ600本等間隔にある状態を解像できるということです。0.83μmの微細構造が観察できます。
2.  豊富なアクセサリー類による多彩な用途への対応
  豊富な照明架台やアーム類が選択できます。特に「SZX7」では、顕微鏡本体にユニットが追加できるので、同時に2つのカメラを取り付けての撮影が可能なビームスプリッタや複数の観察者が同時に観察できるサイドバイサイド供覧鏡筒など、様々な用途への対応が可能です。また、従来オプションであったESD(Electro Static Discharge:静電気防止)仕様を主要アイテムで標準と致しました。
3.  世界初のLEDによる透過・落射照明内蔵の架台を開発、照明システムの充実化
  新開発のLED透過・落射照明内蔵の架台は、薄型(25mm)、省電力(5W)、長寿命を可能にしました。薄型により観察位置も低く優れた操作性を発揮します。また、透過・落射照明の調光が左右のダイヤルで独立して行え、同時照明も行える他、外部電源装置を必要としないためスペースを有効に使えます。その他の照明システムも追加・機能アップを図り充実させています。
4.  人間工学に基づいた光学・外観設計:観察者の疲労軽減、作業効率に配慮
  使用時における観察者の疲労軽減・作業効率にも配慮し操作性を追求しました。三次元CADを駆使し曲面を基調にした人間工学に基づいたデザインは長時間観察の疲労を軽減します。また、手の動きをできるだけ少なくするとともに標本への汚染にも配慮して、ズームハンドルは手前に配置しました。特に意識することなく、自然に目をアイポイント位置*6に導けるような新接眼レンズを開発したことで、長時間観察での目の疲労が軽減され、作業効率も向上致します。
*6  アイポイント位置:顕微鏡像が見える時の観察者の瞳の位置を指します。
・  環境への配慮:レンズには鉛フリーガラスを採用
  新設計の光学系は鉛などを含まない鉛フリーガラスを使用しており、環境にも配慮しています。
主な仕様
「SZX7」基本仕様
項目 SZX7
ズーム鏡体
SZX7-ZB7
左右光軸平行型ズーム変倍方式
ズーム駆動方式:水平ハンドル
ズーム倍率ごとのクリックストップON-OFF方式
ズーム比:7(0.8×~5.6×)
ズーム倍率表示:0.8/1/1.25/1.6/2/2.5/3.2/4/5/5.6
対物レンズ取り付け:ねじマウント方式
鏡筒 SZX-BI45 SZX-TBI SZX-TR30
双眼鏡筒 ティルティング双眼鏡筒 三眼鏡筒
鏡筒傾斜角:45゜ 鏡筒傾斜角:5~45゜ 鏡筒傾斜角:30 ゜
- 光路切り換え:2段
(双眼100%/双眼20%:写真80%)
眼幅調整範囲:50~76mm
接眼レンズ WHSZ接眼シリーズ:
WHSZ10X-H/WHSZ15X-H/WHSZ20X-H/WHSZ30X-H, WHSZ10X/WHSZ20X
対物レンズ DFPLAPO1X/0.5X/0.75X/1.5X/2X, SZX-ACH1X, SZX-ACH1.25X
「SZ61」基本仕様
項目  SZ61 SZ61-60 SZ61TR
ズーム本体 倍率 0.67×~4.5×
ズーム比 6.7
作動距離(W.D.) 110mm
鏡筒傾斜角 45゜ 60゜ 45゜
眼幅調整 左右連動式
調節範囲52mm~76mm
(接眼レンズWHSZ10×使用時)
TVカメラ対応 - Cマウント
(0.5×撮影レンズ内蔵)
ズームハンドル 水平一軸水平ハンドル
(ズーム高倍/低倍ストッパ付き)
接眼レンズ WHSZ10X-H/WHSZ15X-H/WHSZ20X-H/WHSZ30X-H,
WHSZ10X/WHSZ20X
関連リンク
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
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