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2003年11月 4日
オリンパスとワンセル
世界初、細胞播種機能*1付き多検体自動細胞培養装置を共同開発
多検体自動細胞培養装置の試作機
多検体自動細胞培養装置の試作機
オリンパス株式会社(以下オリンパス、社長:菊川  剛)とバイオベンチャー・株式会社ワンセル(以下ワンセル、本社:広島市・代表取締役:福嶋  久)は、再生医療を始め細胞培養の研究に利用でき、20検体の細胞を同時に培養可能な多検体自動細胞培養装置の試作機を共同開発しました。骨髄液から抽出した間葉系幹細胞を大量培養し、それを担体*2に播種して目的の細胞まで分化できる装置として世界で初めて実現しました。2003年11月からオリンパス及びワンセルで機能検証をした上、2006年までには100検体以上の細胞の同時培養が可能な多検体自動細胞培養装置として再生医療、細胞培養の研究を行う企業、研究機関向けに販売を開始する予定です。
*1  細胞播種機能:培養された細胞を担体に播く機能。
  *2  担体:細胞を培養する足場となる材料。
多検体自動細胞培養装置への期待
患者への負担を少なくするために、従来の外科手術や臓器移植に代わって、患者自身の細胞を使い失われた部位の再生や機能回復を果たす再生医療が注目されています。
再生医療を実現する上で、生産性、品質、安全性の高い培養プロセスの確立は不可欠です。当社では多検体自動細胞培養装置を開発することによりこれらを実現して参ります。
また、開発した装置は、再生医療ばかりでなく、間葉系幹細胞やES細胞(胚性幹細胞)等を使用した細胞培養及び分化に関する研究にも使用することができます。
多検体自動細胞培養装置試作機の工程図(培養骨作製の例)
多検体自動細胞培養装置試作機の工程図(培養骨作製の例)
多検体自動細胞培養装置試作機の主な特長
1.  多検体の細胞を同時に自動培養可能
  20検体の細胞を同時に培養する能力を持ち、遠心分離、培養、担体への細胞播種、分化までの作業を自動で行えます。培養骨の作製では、骨髄液から抽出した間葉系幹細胞を大量培養、それを担体に播種して分化することにより培養骨が得られます。なお、培養する細胞は特定の細胞に限定されず、各種の細胞にも対応可能です。近年、再生医療で注目されている間葉系幹細胞を得ることも可能です。
2.  微生物汚染を防止
  培養や細胞播種などの処理のために培養容器の蓋を開けますが、高性能フィルターによりクリーン度クラス100を維持しているため、微生物汚染を防止できます。
3.  検体の取り違えを防止
  培養容器等に添付された検体識別コードを用いて検体管理することにより、検体の取り違えを防止します。
4.  コスト低減と品質の一定化
  手作業によらず多検体の細胞を同時に自動培養できるため、コスト低減や培養細胞の品質の一定化が図れます。
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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