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2004年 4月 9日
世界初、「入力(撮影)-編集-出力」まで一貫した、
800万画素の高精細デジタル動画システムを実用化
~動画カメラ・レコーダーを小型・軽量化、渋谷に専用編集施設も開設~
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、世界初の「入力(撮影)-編集-出力」まで一貫して対応可能な800万画素の高精細デジタル動画システムを構築しました。このシステムは高精細テレビ方式(HDTV:通称ハイビジョン)の4倍に相当するシステムで、入力機能としては、800万画素高精細デジタル動画カメラ、及びハードディスクレコーダーを試作機から大幅に小型・軽量化することに成功。また編集機能についても、レコーダーから編集までのデータのリアルタイム転送などにより大画面、実解像度での確認が可能となり、編集作業時間の短縮を実現しました。あわせて、高精細デジタル動画の撮影から録画、編集、大型スクリーンでの投影までを一括で対応できる専用編集施設「オリンパス高精細シアター」を4月9日に東京・渋谷の当社幡ヶ谷事業場内に開設しました。
今後は、演劇・シネマなどの娯楽映像、イベント・ショールームなどの業務用分野で、大型スクリーンによる臨場感溢れる映像を提供して積極的な市場開拓を進めます。
800万画素デジタル動画カメラ「SH-880TM」とハードディスクレコーダー「SH-880TR」
800万画素デジタル動画カメラ「SH-880TM」(奥)と
ハードディスクレコーダー「SH-880TR」
東京・渋谷、幡ヶ谷事業場に新設された「オリンパス高精細シアター」
東京・渋谷、幡ヶ谷事業場に新設された
「オリンパス高精細シアター」
背景
高精細映像は、ハイビジョンや地上波デジタルテレビの放映開始などで、一般家庭でも普及が始まり、業務向けでも注目を集めています。特に撮影から編集、配給、上映までをデジタル化し、全世界で同時上映が可能となるデジタルシネマへの関心も高まっており、基本統一規格の策定も進んでいます。その他、大型施設でのコンサートやスポーツの中継、遠隔医療や教育など、きめ細かな映像が必要な分野での活用も期待されています。
当社では、従来から大画面で高精細映像を表示する入出力技術の研究開発を積極的に進めてきました。2002年5月には800万画素高精細デジタル動画カメラ、レコーダーのフィールド運用可能なレベルでの試作機の開発を世界で初めて(当時)成功、同年9月に小澤征爾氏のコンサートを光ネットワークで配信する実証実験に採用され、高い評価を得ています。また、表示(出力)システムでは多数のプロジェクターを接続し、これらのプロジェクター画像を貼り合わせてつなぎ目のない高精細画像を投影できる自動画像補正装置「Vision Plex(ビジョンプレックス)」を開発し、昨年4月に神戸の「人と防災未来センター」などにも採用されました。今回は、これらの実績をもとに、パートナーシップの開拓、事業化の足がかりとして、またパートナーとの技術検討の場としての拠点開設に至りました。
概要
今回新たに改良開発された800万画素高精細デジタル動画カメラは、スタジオ、ホールでの撮影のみならず、屋外ロケにも活用できる小型軽量化とバッテリー駆動に成功しました。また、カメラとレコーダー間を光接続することで1km以上の映像伝送を可能とすると同時に、取り回しがしやすくなり機動性が向上しています。更に、ハードディスク(以下、HDD)レコーダーの即時再生が可能になることで、フィルムに無い大きなメリットである撮影現場での映像確認を容易にしました。「オリンパス高精細シアター」は、今回改良開発したデジタル動画カメラ、HDDレコーダーのほか、800万画素専用に開発した編集装置を導入しています。また、出力装置ではすでに導入実績のある自動画像補正装置「Vision Plex」を採用しました。800万画素対応の機器を入力から出力まで一貫して接続することによって、編集作業の時間短縮と同時に、撮影から投影まで800万画素動画のダイナミックな映像をその場で確認、体感することができます。
当社では、「オリンパス高精細シアター」を今後のビジネス展開を進める際の拠点として、業務用市場での具体的な映像分野の顧客・パートナーを開拓していきます。また、すでに商品化された「Vision Plex」表示システムの販売強化および高精細映像コンテンツの制作受託も開始します。
今回改良された主な技術
800万画素高精細デジタル動画カメラ / ハードディスク(HDD)レコーダー
1. デジタル動画カメラ、HDDレコーダーともに大幅な小型・軽量化に成功
カメラ本体重量はマグネシウムボディの採用により、9kgと従来試作機(2002年5月発表)と比べ約30%軽量化しました。これは800万画素クラスの動画カメラでは最軽量となります。また、従来同様2 / 3”のHDマウントを採用しているためデジタルシネマやTVカメラ用各種交換レンズが使用できます。HDDレコーダーでは、従来試作機に比べ、重量で約22%(25kg)、大きさ(体積)で約6%(W420×H190×D370)と免震構造に加えて大幅に小型軽量化に成功しました。800万画素対応で60分まで録画可能なクラスでは、最もコンパクトなHDDレコーダーとなります
2. バッテリー駆動と光接続でさまざまな撮影環境に対応
デジタル動画カメラ、HDDレコーダーともにバッテリーによる駆動が可能になったほか、両者を接続する際、記録と通信を1本にまとめた光ケーブル対応としました。これにより、撮影現場でのカメラの移動も容易にしました。
編集システム
大画面・高精細画像の編集時間の大幅な削減を実現
撮影されたレコーダー内のデータを編集する際、以前はデータ変換し、CRTモニターで確認し、再度変換し直して出力していました。当社ではレコーダーからのダイレクト接続で編集へのリアルタイム転送が可能となり、更に当社の画像自動補正装置Vision Plexを使用することにより、大画面で実解像度での確認が実現出来ました。これにより今まで大画面で高精細画像の編集時間を1/4~1/8程度にまで削減することが可能となりました(下図参照)。
編集システムの違い
「オリンパス高精細シアター」の概要
所在地 東京都渋谷区幡ヶ谷2-43-2 オリンパス幡ヶ谷事業場内
ホール面積 72平方メートル (W10.4m×D6.9m×H4.6m)
客席数 24席(階段設置)
スクリーンサイズ 280インチ (W6.4m×H3.1m)
音響設備 5.1chサラウンド
設置機材 SXGAプロジェクター×8台
5.1chサラウンド音響
Vision Plex (ビジョン・プレックス:当社開発自動画像補正装置)
800万画素対応編集機器
800万画素デジタル動画カメラ、レコーダー(非常設)
業務用途 800万画素映像上映(記録、ライブ)
コンテンツ編集(スクリーンで確認可能)
オリンパス高精細シアター
「オリンパス高精細シアター」にて、
編集施設より280インチスクリーン・客席を臨む
【お問い合わせ先】
オリンパス株式会社 研究開発センター
IS事業プロジェクト 企画グループ
TEL:0426-91-7143
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