本文の始まりです


2004年 7月14日
学校法人早稲田大学
オリンパス株式会社
早稲田大学とオリンパス、シンガポールに研究所を開設
― 2004年10月 シンガポール現地において法人化を予定 ―
学校法人早稲田大学(所在地:東京都新宿区、総長:白井  克彦)と、オリンパス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:菊川  剛)は本日、シンガポール・バイオポリス内に認知や知性など脳の最高次の機能解明を研究テーマとする「早稲田・オリンパス バイオサイエンス研究所」(所長:早稲田大学 理工学部教授 吉岡  亨)を共同で設立しました。
※  研究所及び研究テーマの詳細は、下記『早稲田・オリンパス バイオサイエンス研究所について』を参照。
シンガポール政府は、最大2千人の研究者が集結するアジアのバイオ研究ハブとして内外の研究企業の誘致を進めるなど、国家を挙げてバイオ立国を目指しています。このたび本研究所が拠点とするバイオポリスにも、シンガポール政府系研究機関のほか、世界中のバイオ関連企業の研究開発部門が入居しています。本研究所では、この恵まれた立地条件を活用し、世界規模での研究者ネットワークを形成して、知的情報を広く発信していきます。
また、本研究所は2004年10月頃に両者の共同出資による研究開発会社として法人化する予定です。設立当初は早稲田大学の研究所という位置付けでスタートする本研究所ですが、バイオポリスを拠点としてシンガポールに根ざし、他機関との包括的な取り組みを加速させるため、現地での法人化を実現するとともに、中期計画の指針のもと、日本人以外の研究員の雇用等も行っていきます。
今回のバイオサイエンス研究所の開設について、シンガポール科学技術研究庁長官兼経済開発庁共同長官であるフィリップ・ヨー氏は、次のように述べています。「バイオサイエンス産業はシンガポール経済の重要な推進役となっており、この産業の成長を引き続き促進するために、いくつかの実施計画を策定してきました。シンガポールでは、インフラストラクチャや研究施設、人材の専門教育などに大規模な投資を行っているため、早稲田・オリンパス バイオサイエンス研究所が推進しているような研究プロジェクトを適切にサポートすることができます。」
以上のことを実現し「早稲田・オリンパス バイオサイエンス研究所」はオリンパスがこれまで培ってきた顕微鏡やゲノム解析システムなどバイオ分野の開発力と早稲田大学が持つ知的資源とを融合した研究活動を欧米、中国、インドへの情報の十字路となるシンガポールで広く展開していきます。
尚、オリンパスは、当研究所で生まれた研究成果を、ユーザーの情感や情動をキャッチし、脳へフィードバックするセンサを使ったユビキタス端末やサービスなどのヒューマンウェアの開発に生かして、QOL向上や安全・安心な社会といった未来価値を創出します。
研究所設立の経緯
両者は早稲田大学に先行して存在する「先端バイオ研究所」(所長:理工学部教授 吉岡  亨)に約2年前からオリンパスが研究者を派遣するなど、交流を深めています。その関係から早稲田大学が以前より検討していたシンガポールにおけるバイオ研究拠点を共同で立ち上げることをオリンパスへ打診。この度の研究所設立に至りました。
早稲田・オリンパス バイオサイエンス研究所について
【研究所の目的】
現在、日本では、大学と産業界との間に存在した「大学は基礎科学を、企業は技術開発を」というような縦割り構造を打開し、科学・技術の各分野における新たな産学連携のスキーム作りが進められています。このような時流のもと、このたび開設した本研究所では、基礎科学から技術開発までを一貫して行うことで、この分野での研究成果による社会貢献を目指し、これまで前例のない試みとして取り組みます。当面は5年程度で具体的成果を出すことを目指します。
【研究テーマ】
1. 脳機能の原理を探求する
  思考・感情・意識といった脳の最高次の機能について、左・右分離脳・男女差といった視点から解明します。この分野は心理学と神経科学の境界領域であったため、それぞれ独立に研究されてきました。そこで、この研究所では、刺激としては心理で確立した手法を用い、応答としては神経科学の手法を、そしてデータ解析には物理学的手法を用います。
2. 抑制のメカニズムを解明する
  中枢神経系においては、興奮剤と抑制神経が互いに連携をとりながら存在しており、この両方の神経機構がバランス良く保たれることにより正常な脳活動が維持されます。この研究プロジェクトでは、特徴のことなる複数のGABAレセプターを使いわけながら、知性を磨く基本的なメカニズムを解明する。
3. 良質な睡眠を確保する
  質の高い日常生活を送るために、休息、睡眠法を開発するための基礎研究を行います。そのためにフリーランしているマウス頭部から脳機能部位毎の発火パターンを記録し、その解析法を開発すると共に免疫組織化学法により重要な機能分子を固定します。そのために情報伝達に重要な役割を果たしていると思われるタンパク質のモノクローナル抗体を作成します。
【早稲田・オリンパス バイオサイエンス研究所 概要】
正式名 早稲田・オリンパス バイオサイエンス研究所
設立 2004年 7月14日
所在地 11 Biopolis Way, #05-01/02 Helios, Singapore 138667
電話番号 65-6478-9721
所長 吉岡 亨
研究者数 PI:5名(日本人4名/米国人1名)、PD:3名(日本人3名)
(2004年7月14日現在)
※ PI:Principal Investigator(主任研究員)、PD:Post-doctoral Research Fellow(客員教授)
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
  • 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
  • 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。


本文の終わりです