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2004年 7月29日
参考資料
自由曲面プリズム方式の薄型レンズユニットについて
今回オリンパスが開発した自由曲面プリズム方式の薄型レンズユニットは、複雑な曲面を持つ2つのプリズムを水平に配し、光路を幾重にも折り曲げて撮像素子へ入射する点が特長です(図1参照)。従来の共軸系設計のレンズユニットは、レンズを高さ方向に重ねていく方式(図2参照)のため、高画素に適した光学設計を行う際はレンズ枚数を増やす必要があり、枚数に応じて厚みも増してしまう仕組みでした。自由曲面プリズム方式では、水平にレンズを配置することから厚みへの影響が少なく、カメラモジュールの厚さを変えずに、高画素に適した光学設計が可能となります。
また、自由曲面プリズムでは、プリズム内のすべての反射面や屈折面を回転対称でない自由な曲面で設計するため、少ない部品点数で収差を良好に補正することができます。今回試作した光学系では、自由曲面プリズム2個で、従来の共軸系レンズ3~5枚相当の性能を持っており、設計段階では中心部で1mmあたり250本以上、最周辺部でも200本以上という高い解像力を実現しています。
これに加え、自由曲面プリズム方式の薄型レンズユニットは、光路を幾重にも折り曲げて撮像素子へ入射する特長から、CCDなどの撮像素子の中心から周辺部まで光を均等に垂直入射させることができます。光が撮像素子へ斜めに入る「斜入射」は、光を通して画像を記録する撮像素子にとって画質がおちる原因となります。斜入射を排し、撮像素子の周辺部まですべて垂直に入射できることは、撮像素子の性能を最大限引き出し、より高画質な画像を記録できることを意味します。
収差:理想状態からの光線のずれ。収差が大きいとレンズ性能が悪くなる。
図1 「自由曲面プリズム方式」模式図 図2 共軸系設計模式図
図1 「自由曲面プリズム方式」模式図 図2 共軸系設計模式図
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