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2004年11月22日
オリンパス、超微量サンプルでの高感度遺伝子解析技術を開発
~がん遺伝子検査の実用化に向けて、従来比最大1000倍の高感度化を実現~
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、将来のがんの遺伝子検査に向け、ナノグラムレベルの遺伝子サンプルを測定できる「高感度DNAマイクロアレイ※1解析技術」を開発しました。本技術は、独自開発を進めてきた3次元DNAマイクロアレイ※2上での蛍光酵素増感技術※3と、従来の生化学分析装置や顕微鏡などで培ってきた技術を融合したもので、従来比最大約1000倍の高感度化、ならびに、低発現から高発現の遺伝子を正確に測定できる従来比約100倍の測定レンジ※4を自動化とともに達成し、実用化へのめどをつけました。今後は、当技術による内視鏡下バイオプシー(組織採取)などでのがん遺伝子検査への応用を目指し更に開発を進めていきます。
開発の背景
がんの診断や治療は日進月歩で進んでおり、それに伴いさまざまながんと、それに関係する遺伝子が解明され、特定されつつあります。より患者さんに優しい検査の確立が求められている背景から、開腹する必要がなく内視鏡下で出来るバイオプシーでのがんの遺伝子解析は、医療関係者の長年の夢でした。本技術は、オリンパスならではの生化学・免疫検査技術で培った「自動化や酵素増感技術」、また、顕微鏡の「蛍光測光、画像解析技術」などを駆使し独自開発を進めてきたもので、がん遺伝子検査の実用化に強力な役割を果たすと考えています。
従来は、同様の検査を行う場合はマイクログラムレベルの遺伝子サンプルが必要で、内視鏡下で得たサンプルを遺伝子増幅する複雑なプロセスや、増幅の過程で非特異的な反応が生じる可能性などがあるため、正確な測定が困難でした。本技術は平面基板を用いた通常のマイクロアレイに比べ最大約1000倍の高感度化を実現しているため、遺伝子増幅を不要にしたり、より微少な組織サンプルからの遺伝子解析を可能にします。すでに、国内外の研究機関と微量サンプルでのがん遺伝子検査の実用化プログラムに着手しており、今後も共同研究機関を積極的に拡大していきたいと考えています。
今回開発された技術は、現在、診断が困難とされているがんの早期発見、悪性度評価、治療方針の決定などに対し、より有用な情報を提供し、来るべきテーラーメード医療に大きく貢献できる可能性があります。オリンパスは、がん臨床診断の質的な向上に向けて、遺伝子検査の実用化を推進してまいります。
用語解説
※1 DNAマイクロアレイ
DNAマイクロアレイは、主に遺伝子発現や遺伝子変異解析に使用されており、数多くの遺伝子の働きや変化を同時に検出するデバイスです。通常はスライドガラスなどの基板上に直径100マイクロメートル程度のスポットで検出用DNAプローブを固定化したものです。今日、がんの発症には多数の遺伝子が関与していると考えられ、このように一度に多数の遺伝子を解析できるデバイスに対し、臨床応用への期待が高まっています。
※2 3次元DNAマイクロアレイ
3次元DNAマイクロアレイは、オランダPamGene社との技術提携により共同開発された、独自の3次元構造をもつDNAマイクロアレイです。3次元構造基板の採用により、従来型マイクロアレイと比較してスポットあたりの反応面積を劇的に拡大し、酵素反応により蛍光色素を効率よく蓄積し増感できます。PamGene社は次世代マイクロアレイプラットフォーム技術に関する特許を保持するポストゲノムバイオテクノロジーカンパニーであり、オリンパスとは戦略的パートナーシップを締結しています。
※3 蛍光酵素増感技術
検体のRNA(またはDNA)に標識した酵素を利用して、蛍光色素をその周囲に蓄積させて増感する方法。
※4 測定レンジ
測定した蛍光画像の最小輝度と最大輝度の幅(階調数)を示します。測定レンジが広くなると、測定可能な幅が広がることを意味します。
参考
超微量バイオプシー高感度遺伝子解析技術の流れ
1.  内視鏡下バイオプシーでがんと疑われる臓器から微量組織を採取
2.  組織からDNA/RNAを抽出して核酸サンプルを作る
3.  自動化により3次元マイクロアレイ上でのハイブリダイゼーション反応→蛍光増感反応→蛍光検出→画像解析までを一括実施
4.  3で取得したデータから、遺伝子の発現や変化の様子を判断する
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