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2006年5月15日
2006年5月16日修正
2007年1月15日修正

特殊光観察が可能な次世代内視鏡システムを実現
内視鏡ビデオスコープシステム

「EVIS LUCERA SPECTRUM(イーヴィスルセラ スペクトラム)」発売

内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS LUCERA SPECTRUM」

内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS LUCERA SPECTRUM」

オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:森嶌治人)は、がんなど微細病変の早期発見や術前の病変範囲の精密診断などを目的に、病変の特徴である粘膜表層の毛細血管やわずかな粘膜の肥厚、深部血管などを、光の波長を制御することによって画像強調表示する内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS LUCERA SPECTRUM」(以下、「LUCERA SPECTRUM」)を発売します。6月10日から国内で販売を開始し、順次、海外地域(イギリス、中国、韓国、台湾、シンガポール等)への販売を予定しています。

本システムは、ハイビジョン画質による通常光観察に加え、粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様を強調表示する「狭帯域光観察(NBI)」、腫瘍性病変と正常粘膜を異なる色調で強調表示する「蛍光観察(AFI)」、粘膜深部の血管や血流情報を強調表示する「赤外光観察(IRI)」の3つの特殊光観察機能を搭載しています。「NBI」は弊社製の既存ビデオスコープ※1との接続で使用可能です。「AFI」、「IRI」については専用ビデオスコープ※2(薬事申請中)との組み合わせにより実現が期待されます。

※1 「NBI」本来の機能を発揮させるために、高画質タイプのビデオスコープを推奨します。
※2 「AFI」は上部消化管・下部消化管・気管支の専用ビデオスコープ、「IRI」は上部消化管の専用ビデオスコープ(国内のみ)で今年度内の発売を目指しています。

なお、「LUCERA SPECTRUM」は、5月14日から16日まで京王プラザホテル(新宿)で開催される「第71回日本消化器内視鏡学会総会(会長:東京大学大学院医学系研究科 消化管外科学・代謝栄養内分泌外科学教室 上西紀夫教授)」に出展します。

発売の概要

製品名(システム名)※10 発売時期
内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS LUCERA SPECTRUM」※3 2006年6月10日
※3 ビデオシステムセンター、高輝度光源装置のシステム※10(その他のビデオスコープ、周辺機器等は含まず)

市場導入の背景

近年国内では、人口の老齢化に伴いがんによる死亡率が増加傾向にあります。そのなかでも、直腸がん、結腸がんの死亡率は年々増加傾向にあります。一方、胃がんの死亡率は減少傾向にあり、内視鏡をはじめとした早期診断、早期治療などの医療技術の進歩が関与していると考えられています。厚生労働省が発表した平成16年度の社会医療診療行為別調査によると平成12年度と比較して胃・十二指腸内視鏡検査数が116%、大腸(上行結腸及び盲腸)内視鏡検査数が146%の伸びを示していることから、今後も内視鏡は、消化管のスクリーニング(病変発見のための検査)、精密検査、治療において欠かすことが出来ない診断・治療機器として普及していくことが期待されています。また、平成18年度の診療報酬改定では、より広範囲のがんを内視鏡的に切除する「早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術」が保険適応となり、特に術前の病変範囲や切除部分の確認など、より精密な診断が可能な次世代の内視鏡が求められてきています。

弊社は、このような背景を受け、がんなど微細病変の早期発見や術前の病変範囲の精密診断などのための画像取得を目的とした「LUCERA SPECTRUM」を開発しました。弊社は、従来から医師の精密診断をサポートするために、2002年に発売したハイビジョン内視鏡システムをはじめ、適応型IHb色彩強調※4、適応型構造強調※5など数々の画像処理技術の開発を行い、市場で高い評価を頂いてきました。このような画像処理技術を使った通常光による粘膜表面の観察・ノウハウを活かし、このたび開発に成功した粘膜表層・粘膜深層の病変の特長を光学的に画像強調表示する特殊光観察技術を新たな診断ツールとして加えました。弊社は、「LUCERA SPECTRUM」の発売により、スクリーニングから精密検査まで内視鏡医療を総合的にサポートすることで患者さんのQOL向上に貢献するとともに、本特殊光観察を次世代内視鏡システムとしてスタンダード化を目指していきます。

※4 IHbはIndex of Hemoglobinの略で、粘膜ヘモグロビン濃度指標を意味します。本機能は粘膜のヘモグロビン指数の平均値を算出し、その値より高い部分をより赤く、低い部分をより白く強調して表示する機能です。病変部は細胞の活動が活発化し血流量が増大する事で赤みを帯びると学術的に考えられており、本機能はその診断をサポートするものとして期待されています。
※5 粘膜の微細な模様や輪郭を電気的に強調して際立たせる機能です。

主な特長

<3つの特殊光観察で微小病変の早期発見、内視鏡治療・外科手術の術前診断をサポート>
「LUCERA SPECTRUM」は、病変の特徴である粘膜表層の毛細血管やわずかな粘膜の肥厚、深部血管などを、光の波長を制御することによって画像強調表示する3つの特殊光観察(狭帯域光観察、蛍光観察、赤外光観察)機能を搭載しています。通常光観察から特殊光観察への切り換えはボタン1つで可能なため、より迅速、簡便な検査を実現し、医師や患者さんの負担も軽減します。

  1. 狭帯域光観察(Narrow Band Imaging※6 = NBI)
    「NBI」は、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい狭帯域化された2つの波長(390~445nm/530~550nm)の光を照射することにより、粘膜表層の毛細血管、粘膜微細模様の強調表示を実現します。擬似的な狭帯域画像を信号処理する方法では、粘膜組織の状態や観察条件によって結果が変化し、十分な効果を発揮できない恐れがありますが、「NBI」では、実際に照射する光の波長を変えているため、常に粘膜表層の毛細血管及び粘膜微細模様を効果的、安定的に強調処理することが可能です。「NBI」は、弊社製の既存ビデオスコープとの組み合わせにより使用が可能です。

    ※6 Narrow Band Imagingは、オリンパス株式会社の登録商標です。

    期待される適用分野と応用例
    下咽頭、食道、大腸、胃などあらゆる分野の検査で研究されており、これまでに多くの論文や学会発表でその応用例が報告されています。

    期待される適用分野 期待されている応用例
    下咽頭・食道 下咽頭がん、早期食道がん、バレット食道※7の病変範囲の同定と良悪性診断
    大腸 微小ポリープの発見、近接・拡大観察と組み合わせたピットパターン(腺管構造)観察による悪性度診断
    がん組織型の診断
    ※7 胃酸が食道に逆流し、食道粘膜が炎症を繰り返す結果、食道粘膜が胃粘膜の円柱上皮に置き換わる疾患。
    通常光による大腸腺腫の観察像例 NBIによる大腸腺腫の観察像例
    通常光による大腸腺腫の観察像例 NBIによる大腸腺腫の観察像例
    NBIと拡大機能を併用した大腸腺腫の観察像例
    NBIと拡大機能を併用した大腸腺腫の観察像例

    写真提供:国立がんセンター東病院 内視鏡部消化器内科 佐野 寧先生

  2. 蛍光観察(Auto Fluorescence Imaging = AFI)
    「AFI」は、コラーゲンなどの蛍光物質からの自家蛍光を観察するための励起光(390~470nm)と血液中のヘモグロビンに吸収される波長(540~560nm)の光を照射することにより、腫瘍性病変と正常粘膜を異なる色調で強調表示するための技術です。自家蛍光は、極めて微弱な光であるため、通常の小型CCDで検出することは困難であり、従来は、ファイバースコープによる観察が主流でしたが、今年度内の発売を目指す高感度CCDを搭載した専用ビデオスコープ(薬事申請中)との組み合わせにより鮮明な画質での観察が期待されます。

    期待される適用分野と応用例
    気管支や食道、胃、大腸などあらゆる分野の検査で研究されており、これまでに多くの論文や学会発表でその応用例が報告されています。

    期待される適用分野 期待されている応用例
    気管支 扁平上皮内がん、前がん病変の発見
    食道 早期食道がん、バレット食道における前がん病変の発見
    胃がん副病変※8の発見、病変の拡がり診断
    大腸 大腸腫瘍性病変の拾い上げ
    ※8 胃がんの10%程度に周囲にも同時性多発癌が存在するといわれている。
  3. 赤外光観察(Infra Red Imaging = IRI)
    「IRI」は、赤外光が吸収されやすいICG(インドシアニングリーン)※9を静脈注射した上で、2つの赤外光(790~820nm/905~970nm)を照射することにより、人間の目では視認が難しい粘膜深部の血管や血流情報を強調表示する技術です。「IRI」による診断技術は、今年度内の発売を目指す専用ビデオスコープ(薬事申請中)を用いることによって、その応用の実現が期待されます。※11
    ※9 血中タンパクに結合する色素で、主に肝機能検査などで使われている。
    ※11 誤記のため修正

    期待される適用分野と応用例
    胃、食道分野の検査で研究されており、これまでに多くの論文や学会発表でその応用例が報告されています。

    期待される適用分野 期待されている応用例
    がんの深達度診断と治療方針の判定。がんと腺種(前癌病変)の判別。ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)後の出血予想と止血対策。
    食道 食道静脈瘤硬化療法時に、硬化剤の食道・胃内分布を直接、動的・静的に観察。

主な仕様

【EVIS LUCERAビデオシステムセンター OLYMPUS CV-260SL】※10
形状寸法 382(W)×78(H)×498(D)mm
質量 9.4kg
消費電力 150VA
映像信号出力 HDTV(RGB:1 or YPrPb:1)、SDTV(RGB:3、Y/C:2、NTSC:2)
主な機能 特殊光観察機能(狭帯域光観察:NBI、蛍光観察:AFI、赤外光観察:IRI)ハイビジョン信号出力、適応型IHb色彩強調、IHb擬似カラー表示、構造強調、電子ズーム、動画色ずれ補正、フラッシュレリーズ、オート測光、プリフリーズ、オートホワイトバランス
【EVIS LUCERA高輝度光源装置 OLYMPUS CLV-260SL】※10
形状寸法 381(W)×162(H)×536(D)mm
質量 16kg
消費電力 500VA
ランプ キセノン300W
主な機能 特殊光観察機能(狭帯域光観察:NBI、蛍光観察:AFI、赤外光観察:IRI) ±8段階自動調光レベル調整、強・中・弱3段階送気、非常灯自動切替
※10 誤記のため修正
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