本文の始まりです


2006年10月17日

オリンパス、細胞へのダメージが少ない発光イメージングシステム

「LUMINOVIEW(ルミノビュー)(LV200)」を発売

~より明るいレンズで細胞、組織、胚などの発光観察から遺伝子解析が可能に~

「LUMINOVIEW (LV200)」システム外観

「LUMINOVIEW (LV200)」システム外観

オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、生きた個々の細胞から発せられる微弱な光を画像化する、高感度な発光イメージングシステム「LUMINOVIEW(LV200)」を10月23日から国内で販売します。「LUMINOVIEW(LV200)」は、今年5月から受注販売を開始した「LUMINOVIEW (LV100)」の後継機種です。個々の細胞の発光量、形態、位置などの情報を、画像と数値の両方で得ることができる従来のシステムに、より明るいレンズを採用したことで、細胞内、組織内のさらに微量な遺伝子解析が可能となりました。当社は、本システムの販売のみならず、バイオ分野におけるさまざまな装置、アプリケーションを提供することで、生命現象の解明、創薬や研究、そして再生医療の研究など、次世代医療に向けた最先端研究へ貢献していきます。
※本システムは2005年12月5日に発表した「発光イメージング技術」を応用し、製品化したものです。

発光検出により、細胞内でおきる生命現象を個々の細胞レベルで解析できる装置。

なお、「LUMINOVIEW (LV200)」は11月30日(木)~12月2日(土)に東京国際フォーラムで開催される「第13回日本時間生物学会学術大会」(準備委員会委員長:深田吉孝 東京大学大学院理学系研究科 生物化学専攻 教授)に展示いたします。

発売の概要

製品名 発売日
発光イメージングシステム「LUMINOVIEW (LV200)」 2006年10月23日

主な特長の概要

  1. 個々の細胞や組織の発光イメージング測定を実現
  2. 前機種より明るいレンズを採用し、さらに微量な発現解析に対応
  3. 操作性を追求したユーザーフレンドリーデザイン

導入の背景

ヒトゲノムプロジェクトの成果により、多くの遺伝子についての解明が進みつつあります。そして現在の生命科学の先端研究分野では、発光検出及び蛍光検出を介して遺伝子の発現調節を画像化することで、例えば、ある状態の細胞に、どのような因子や薬剤が作用し、どのような遺伝子が発現してくるのかなどを研究する段階に来ています。この研究は、細胞レベルでの生命現象の分子メカニズムを知る上で重要な手がかりとなります。

例えば、生体の体内時計に関わる時計遺伝子は、ほぼ1日相当の周期で緩やかに発現量が変化することが知られており、睡眠/覚醒の調節や薬剤投与などの治療効果の最適化に役立つ可能性が議論されています。このようにゆっくり変化する微量な遺伝子発現を、個々の細胞レベルで測定することは、従来は非常に困難とされていました。「LUMINOVIEW(LV200)」では、前機種同様、個々の細胞や脳組織で時計遺伝子の発現調節リズムを計測することが可能であると同時に、明るいレンズを新たに設計・採用し操作性を追求したデザインとすることで、発光細胞による遺伝子発現実験の適用範囲の可能性を拡げることを意図しています。

これまでもオリンパスは、生細胞を三次元で観察することが可能な共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV1000」や、小動物の胃や心臓などを生きたまま観察することができるin vivoレーザー走査型顕微鏡「IV100」、小動物全体のマクロ観察から細胞レベルの極小部位の観察まで行える生体観察システム「OV100」などをライフサイエンス分野向けに開発してまいりました。2006年5月には発光イメージングシステム「LUMINOVIEW (LV100)」の受注販売を開始し、生細胞イメージング装置の更なるラインナップを拡充すると共に研究用途での適用性を調査してきました。このたび、前機種「LUMINOVIEW (LV100)」を置換える発光イメージングシステム「LUMINOVIEW (LV200)」の発売により、発光細胞イメージングによる遺伝子発現解析ニーズに対し、より便利に快適に効率よく使用していただける環境を整えました。また、装置の販売のみならず、さまざまなアプリケーションを提案することで、顧客の多様なニーズへ対応し、生命現象の解明、創薬研究、そして再生医療の研究など、次世代医療に向けた最先端研究へ貢献していきます。

主な特長の詳細

  1. 個々の細胞や組織の発光イメージング測定を実現
    従来は、ルミノメーターなどを使い数千個単位の細胞集団や組織切片など、サンプル全体における発現量の合計値を知ることしかできませんでしたが、本装置では,発光イメージングを可能としたことにより、個々の細胞や組織内の局部的な遺伝子発現解析が可能となりました。ファイバ照明による明視野画像と疑似カラー化した発光画像を重ねあわせることで、個々の細胞および組織内における遺伝子の発現量の分布を知ることができます。
  2. 前機種より明るいレンズを採用し、さらに微量な発現解析に対応
    生命活動に伴って多くの遺伝子が発現しますが、その程度はさまざまです。できるだけ多くの種類の遺伝子発現を観測するためには、より微量な遺伝子発現を高感度かつ高効率に計測することが必要になります。本装置では、オリンパス独自の光学系に新たに設計した前機種より明るいレンズを採用することで、さらに微弱な発光量をより短い時間で捉えることを可能にしました。
  3. 操作性を追求したユーザーフレンドリーデザイン
    前機種では暗箱の中に搭載されていたデジタルカメラを本機種では暗箱の外に搭載することで、ユーザーの要求するレベルに応じて、大型の冷却CCDカメラや液体冷却式のCCDカメラなどを組合せ使用することが容易となりました。また、装置を挟む形で左右両端・奥に位置していたピント合せハンドルとステージ位置調節ハンドルを、装置の中央付近・前方に設置することにより、同時操作が容易となりました。

主な仕様

観察方法 発光イメージング観察、透過明視野観察、簡易・透過蛍光観察
発光イメージング装置本体 発光イメージング用光学系 及び 暗箱
対物レンズ上下式準焦機構 共軸XYステージ
電動フィルターホイール/電動シャッター
細胞培養ステージ ヒートプレート、保温式2層チャンバー型インキュベータ
照明装置 ライトガイド専用ハロゲンランプ光源 ミラー付き100W
対物レンズ 20倍、他・選択可
冷却CCDカメラ部 ORCAR -AG 他・選択可
細胞培養部 温度コントローラ付CO2インキュベータ
サンプル容器 35mmディッシュ対応
制御部 PC MetaPrecision470
CPU Xeon2.8GHz 1GBメモリ 
1stHDD80GB, 2nd250GB
DVD+/-RW
モニタ 19型TFT液晶モニタ
ソフト部 MetaMorph
外形寸法 本体(静置時): 400mm(W) x 400mm(D) x600mm(H)
システム設置スペース: 約1500mm(W)×750(D)×700(H)
(システム構成により異なります)
電源容量 本体部 850VA
制御部 840VA (カメラ含む 構成により異なります)
総重量 約70Kg (システム構成により異なります)
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
  • 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
  • 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。


本文の終わりです