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2007年5月2日

分子イメージング研究の応用範囲を拡大
オリンパス、米ビゼン社の「in vivo近赤外蛍光試薬」のラインアップを充実
~腫瘍や血管の観察に適した新試薬を追加発売~

in vivo近赤外蛍光試薬

「in vivo近赤外蛍光試薬」

オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、米VisEn Medical社(CEO: Kirtland G. Poss 以下ビゼン社/ 所在地:マサチューセッツ州 ウォバーン)の新たな3種類の「in vivo近赤外蛍光試薬」を2007年5月7日から日本、アジア4地域で順次、販売開始いたします。オリンパスは、ビゼン社と同社の近赤外蛍光イメージングシステムの独占販売契約を締結しており、同システムの装置・試薬の販売を2006年9月から日本をはじめアジア4地域に順次、開始してきました。今回、同社の新しい「in vivo近赤外蛍光試薬」3種類を追加発売することにより、腫瘍、炎症、心臓血管系疾患、骨疾患などの疾病研究や新薬開発における分子イメージング研究への応用範囲がさらに拡がります。

発売の概要

製品名 発売日 販売地域
in vivo近赤外蛍光試薬
MMPSense
AngioSPARK
AminoSPARK
2007年5月7日 日本、韓国、シンガポール、台湾、中国

各試薬の特長

  1. 腫瘍や炎症部位で発現しているMMP*活性の可視化が可能
  2. 長時間の血管観察や血管からの漏出の観察が可能
  3. 目的とする分子の蛍光標識が可能
*MMP: matrix metalloproteinase (マトリックス分解酵素)

導入の背景

生命科学の最先端の研究分野では、細胞や生体内(in vivo)をリアルタイムに観察する「in vivoイメージング」が、生命機能を理解するために必要不可欠となっています。in vivoイメージングは、遺伝子やタンパク質が実際に生体内のどこでどのように働いているかを解析する「分子イメージング」技術の発展と共に急速に広まり、その中でも、蛍光を用いて分子の挙動を可視化する蛍光イメージング技術は近年めざましい成果を挙げています。特に、比較的波長が長く生体透過性の高い近赤外光を用いた近赤外蛍光イメージングは、生体深部の観察が可能なため、疾病研究や薬剤開発におけるin vivoイメージングの中心的な技術となりつつあります。今回発売する3種類の近赤外蛍光試薬は、今後ますますニーズの増大が予想される近赤外蛍光イメージングに対応するものです。これらの試薬はビゼン社の蛍光分子トモグラフィー装置や、当社の生体観察システム「OV110」、in vivoレーザ走査型顕微鏡「IV100」といった高感度な分子イメージング機器と組み合わせて使用することが可能です。オリンパスは、見えないものを見えるようにする分子イメージングの生体への応用に向けた取り組みを今後も強化し、生命現象の解明と次世代医療の発展に貢献してまいります。

各試薬の特長の詳細

  1. 腫瘍や炎症部位で発現しているMMP*活性の可視化が可能
    「MMPSense」は、腫瘍や炎症部位で発現しているMMPの活性をイメージングできる近赤外試薬です。非活性状態では蛍光を持ちませんが、MMPの活性を受けることにより強い蛍光を発するようになります。MMPは、その活性ががんの増殖、浸潤、転移能などと関係していることが知られており、抗がん剤の研究などにおいて注目されています。
  2. 長時間の血管観察や血管からの漏出の観察が可能
    「AngioSPARK」は、酸化鉄を中心とした微粒子を生体適合性高分子でコーティングして近赤外試薬をつけたもので、これまでより明るく安定した蛍光を生体内で維持できます。長時間の血管観察や、腫瘍や炎症部位での血液漏出観察などに適しています。
  3. 目的とする分子の蛍光標識が可能
    「AminoSPARK」は、酸化鉄を中心とした微粒子を生体適合性高分子でコーティングして近赤外試薬をつけ、さらに表面にアミノ基を配置しています。アミノ基と結合可能部位を持った目的の分子を蛍光標識することができ、例えば腫瘍と薬剤候補物質の相互作用の観察などに役立ちます。
注意: 「in vivo近赤外蛍光試薬」は動物実験専用です。臨床には使用することができません。
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