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2007年6月6日

記録再生装置用光学素子の生産ラインで、
オペレータの熟練によらず安定した測定が可能に

低価格・小型・簡単操作の透過波面測定干渉計「KIF-PU」

透過波面測定干渉計「KIF-PU」

透過波面測定干渉計「KIF-PU」

オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、近年大容量化が進むDVD、HD-DVD、Blu-ray Disc等の記録再生装置用光学素子の品質検査を目的に、低価格・小型・簡単操作を実現し、405nm/650nm帯光学素子の検査が可能な透過波面測定干渉計※1「KIF-PU」を日本、アジアの生産工場をターゲットに8月1日から販売を開始します。同装置では、自動で被検体の基準位置調整が可能な自社開発の高分解能多軸制御システム※2を搭載し、オペレータの熟練によらず安定した品質検査が行えます。

※1  干渉計:光の干渉を利用し、基準となる参照面からの反射光と被検面からの反射光とを重ねあわせ、位相差により生じた干渉縞を捉え、被検物の表面形状や透過波面収差(光学性能)を測定する装置。
※2  高分解能多軸制御システム:圧電素子(電圧を加えると機械的ひずみを生ずる素子)と、弾性ヒンジ(テコの応用で変形量を拡大させる構造)を組み合わせたユニットを利用することで高分解能/長ストローク(分解能0.15um/ストローク150um)を実現し、画像処理によって被検レンズの位置調整を可能とした位置制御システム。

発売の概要

製品名 発売日
透過波面測定干渉計「KIF-PU」 2007年8月1日

主な特長

  1. オペレータの熟練によらず安定した測定を実現
  2. 405nm/650nm帯光学素子の検査が可能
  3. 低価格を実現
  4. 小型・高剛性・耐防振性

市場導入の背景

近年、大容量・高画質化が進むデジタル機器の普及に伴い、DVD、HD-DVD、Blu-ray Disc等の記録再生装置などに使われる光ピックアップ用のレンズも高精度化が進んでいます。一方、レンズ生産は日本国内からアジア諸国とりわけ中国にシフトし、品質や歩留まり率向上が叫ばれる昨今、レンズ生産工程内で「作業者の誰もが手軽に迅速に検査できる装置」が望まれていました。

透過波面測定干渉計「KIF-PU」では、検査対象を記録再生装置用光学素子の生産ラインに絞り込むことで、装置本体の低価格・小型・簡単操作を実現しました。これにより、従来は生産工場内に1台程度しか設置できなかった干渉計を、生産ライン毎に設置することが可能になります。

当社は、1994年から小型レーザ干渉計の販売を開始し、普及機から高級機までラインアップを拡充してきました。今後は、測定対象の小型・高精度化に対応し、レーザ干渉計KIFシリーズの更なる充実を図っていきます。

主な特長の詳細

  1. オペレータの熟練によらず安定した測定を実現
    透過波面測定時のヌル調整(測定光学系の基準調整)を自社開発の高分解能多軸制御システムにて自動化することで開口数(NA)※3の大きな光ピックアップ用レンズの透過波面測定において、パワー調整(フォーカス合わせ)に起因する測定誤差を最小限に抑えます。これにより、被検レンズをセットし測定ボタンを押すだけで、オペレータの熟練によらず短時間で安定した透過波面測定が可能です。
    3  開口数:レンズの解像力と明るさを示す数値。
  2. 405nm/650nm帯光学素子の検査が可能
    405nm帯光源と650nm帯光源を搭載しており、それぞれの光源で円偏光※4測定と被検物の偏光特性の影響を受けない測定を可能とする直線偏光※5測定の切り換えが可能です。光源の偏光状態の切り換えにより、ガラスのみならずプラスティック等の光学素子の透過波面測定が可能です。
    ※4  円偏光:光波の振幅方向が、円を描く規則的な光
    ※5  直線偏光:光波の振幅方向が、同一面内にある規則的な光
  3. 低価格を実現
    小型化と自社開発の制御システムにより、国内外のあらゆる工場で購入できるお求め易い価格を実現しました。
  4. 小型・高剛性・耐防振性
    生産現場での使用環境を考慮した防振機能付きの小型で高剛性な本体は、場所を取らず、迅速な品質検査に対応します。

主な仕様

測定波長 408nm、658nm
測定光束径 Ø6mm
測定可能径 Ø2~6mm
偏光仕様 円・直線切換
倍率 デジタルズーム(1~3倍)
反射球面 N.A. 0.85
リモート調整 標準装備
解析方式 フリンジスキャン方式
装置寸法:本体 330(W)×465(D)×460(H)mm
装置質量:本体 約22kg
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