オリンパスメディカルシステムズ株式会社（社長：森嶌 治人）は、マイクロサージェリー^※1で術者のストレス軽減や様々な術式への対応を目指した「手術用顕微鏡OME-9000」を国内で発売します。同製品では、全面的な光学系の改良により、従来機種^※2に比べて2倍の明るさを実現し、接眼・対物レンズ間距離を75mm削減することで鏡体の大幅な小型化を図っています。

※1	顕微鏡を覗きながら直径1mmにも満たない細い血管同士を縫い合わせたり、微細な組織にメスを入れたりする手術。
※2	当社製「手術用顕微鏡OME-8000」。

なお、同製品は10月3～5日までグランドプリンスホテル新高輪で開催される「第66回日本脳神経外科学会総会」に出展します。

発売の概要

製品名	発売時期
「手術用顕微鏡OME-9000」※3	2007年12月末

※3	「OME-9012」：基本システム（手術用顕微鏡本体、光源）、「OME-9013」：基本システムと視野内モニターを標準装備、「OME-9015」：基本システムと視野外モニターを標準装備、をラインアップ。

主な特長の概要

発売の背景

手術用顕微鏡はマイクロサージェリーに必要不可欠な機器で、脳神経外科・眼科・耳鼻科・整形外科・形成外科・産婦人科・一般外科等様々な臨床科で使用されています。特に、近年の高齢化により、脳血管疾患等の増加に伴い脳神経外科の手術件数も増加しています。

顕微鏡創業メーカーである当社は1961年に手術用顕微鏡を商品化し、その後、様々な臨床科向けの内視鏡外科手術機器をご提供することで医療現場のニーズに応えてきました。

このたび発売する「手術用顕微鏡OME-9000」は、術者のストレス軽減や作業空間の確保による様々な術式への対応を目的に、従来比2倍の明るさをはじめとした観察性能の向上、鏡体の大幅な小型化により観察自由度の向上を図っています。

主な特長の詳細

1．全面的な光学系の改良により、従来比2倍の明るさと鮮明な観察画像を実現

全面的な観察光学系の改良により、照明光を増やすことなく光量ロスを最小限に抑えることで、従来比2倍の明るさと鮮明な観察画像を実現しました。

2．完全同軸無影照明により、深く狭い術部でも明るい無影観察が可能

深い術部にまで均一に照明する完全同軸無影照明^※4により、術部の影を気にすることなく明るい画像で観察が可能です。

※4	観察光学系と照明光学系の光軸を完全に一致させた光学系

3．鏡体の大幅な小型化により、術者の作業空間を確保

従来機種に比べて、接眼・対物レンズ間距離を75mm、鏡体幅を55mm削減し、鏡体の大幅な小型化を実現しました。これにより、顕微鏡周囲に十分な作業空間を確保し、観察ポジションの自由度を高めるとともに、様々な術式への対応が可能になりました。

4．側視鏡の完全立体視により、助手の介助作業を的確にサポート

助手も術者と同軸・同倍率で立体観察が可能です。また、側視鏡のみの1ランク低倍観察、術者と同じ視野方向に観察画像を調整できるイメージローテータ機能の搭載により、助手の介助作業を的確にサポートします。

5．側視鏡の270°位置連続可変により、楽な姿勢で観察介助が可能

側視鏡の270°位置連続可変により、術者と助手の位置関係を左右や対向など術式に応じて自在に設定できるため、楽な姿勢で観察介助が可能です。なお、側視鏡の位置可変は、着脱なしのワンタッチ操作で行えます。

6．各種画像情報の同時表示が可能な視野内・視野外モニターにより手術効率が向上

接眼レンズの視野内（OME-9013）・視野外（OME-9015）高精細モニターとの組み合わせにより、内視鏡画像をはじめ各種画像情報の同時表示が可能となり、手術効率の向上が図れます。なお、各社ナビゲーション装置との接続（オプション）により、予め撮影した患者さんのCTやMRIの画像データ上に、顕微鏡の観察視点を表示することが可能となります。

主な仕様

寸法	Ø800mm（架台ベース）×2121mm（高さ）
対物レンズ	焦点位置可変（200～400mm）
接眼レンズ	倍率（10倍：主側、8倍：副側）、視野数21、高さ調整機能付き
変倍	倍率比1:6（変倍速度を5段階に設定可能） 3～18倍（対物レンズ焦点距離300mmの時）
焦準	電動対物焦点距離可変方式（焦準速度を5段階に設定可能）
照明	ファイバーライトガイド方式完全同軸無影照明 200,000Lx（対物レンズ焦点距離300mmの時）
架台	フルカウンターバランス方式
アーム	最大伸長1500mm、アーム上下可動範囲1000mm
フットスイッチ	焦準、変倍、電動視野移動、視野内外表示ON/OFF