オリンパス株式会社（社長：菊川 剛）は、工業用ビデオスコープ（工業用内視鏡）の“自走”を実現する「自走機能付ガイドチューブ」の受注生産を開始します。受注は2009年5月28日から行い、納期は受注後3ヶ月を予定しています。

工業用ビデオスコープは、先端に超小型カメラが搭載された細長い挿入部蛇管により、人が入り込めない空間を観察できることから、主に自動車や航空機のエンジン内検査、ビルのメンテナンス、災害救助などに使用されています。
スコープは人の手で押し込んで使用しますが、凹凸のある場所などでは押し込む力が先端まで伝わらずスコープが押し込めない状況になることがあります。このような状況下でも「自走機能付ガイドチューブ」を装着することによりスコープを“自走”させることができるようになるため“がれき”内部の探索など、災害救助の可能性を広げます。

なお、本製品は、オリンパス株式会社と、国立大学法人 東北大学、NPO法人 国際レスキューシステム研究機構 3者の共同研究により開発された技術を元に、当社が初めて製品化をするものです。

※	2009年5月現在、工業用ビデオスコープとして。当社調べ。

発売の概要

製品名	受注開始日
工業用ビデオスコープ「IPLEX FX IV8675」用 「自走機能付ガイドチューブ」	2009年5月28日

主な特長

1. 工業用ビデオスコープの“自走”を世界で初めて^※1実現
2. 太さ25mm、長さ7.5mのサイズ設計により、狭い隙間でも挿入が可能
3. スコープ本体の電源を使用する設計により、高機動性を実現

主な特長の詳細

1．工業用ビデオスコープの“自走”を世界で初めて^※1実現
「自走機能付ガイドチューブ」は、表面を歯ブラシのような繊毛で覆った軟性チューブに小型の振動モータを搭載した製品です。チューブ表面に繊毛を傾けて植えつけ、振動モータにより連続的に振動を起こすことで推進力を生み出します。
工業用ビデオスコープに本製品を装着することによりスコープの“自走”が可能となる為、これまでスコープが押し込めなくなった場合に見ることができなくなっていた崩落現場やがれき内部などへの挿入性が大きく改善されます。

※1	ガイドチューブと接触する面の状態によっては自走できないことがあります。摩擦抵抗の少ない面やカーペットのように柔らかい面では自走できません。

自走機能の仕組み

※	自走機能の詳細は以下のwebページでもご覧いただけます。 http://www.olympus-ims.com/ja/rvi-products/special-order/

2．太さ25mm、長さ7.5mのサイズ設計により、狭い隙間でも挿入が可能
ガイドチューブの太さは直径25mmで、狭い隙間でも挿入することが可能です。ビデオスコープ装着後の長さは7.5mあり、災害現場をはじめとした様々な場面で使用することできます。

3．スコープ本体の電源を使用する設計により、高機動性を実現
本製品の電源は、装着する工業用ビデオスコープ「IPLEX FX　IV8675」本体の内蔵バッテリーより供給され、ガイドチューブ専用のバッテリーが不要なため、災害現場など足場の悪い場所でも機動性を確保することができます。
また、本製品および工業用ビデオスコープ「IPLEX FX　IV8675」は防塵防滴構造であるため、悪天候でも安心して使用することができます。

工業用ビデオスコープ「IPLEX FX IV8675」用「自走機能付ガイドチューブ」の主な仕様

外径	25mm
挿入部長 （有効長）	7.5m(7.0m)
振動部位	前側、中間部、後側の3箇所をスイッチにて独立に振動可能
防滴・防塵性	あり

工業用ビデオスコープ「IPLEX FX IV8675」の主な仕様

機種名	工業用ビデオスコープ　IV8675
視野角	光学アダプタにより変更可能：40°80°120°
視野方向	光学アダプタにより変更可能：直視（前方視）、側視、ステレオ計測
撮像素子	CCD
照明方式	LED
湾曲角	6mmシリーズ　UP、DOWN、RIGHT、LEFT 各150°
挿入部蛇管	高耐性TTF蛇管（つぶれ耐性、こすれ耐性、共に強く、先端に行くに従って徐々に柔らかくなる挿入性に優れた蛇管構造）
防滴・防塵性	挿入部　：　防水（マシン油、軽油、5％塩水が付着しても支障なし） 本体部　：　防塵・防滴
CCU （カメラ・コントロール・ユニット）	ズーム機能	シームレス3倍電子ズーム
	長時間露光	1／60秒～1／2秒の設定（シャッタースピードを遅くする事により、暗い箇所でも露出を確保するシステム）
	ゲイン	Low, Standard, Boost の3種より選択可
デジタル記録ユニット	静止画記録再生	JPEG
	音声記録再生	WAV
	動画記録再生	AVI M-JPEG