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2009年7月29日

走査型プローブ顕微鏡に取付けることにより、
電子デバイス材料の表面微細構造の凹凸を忠実に測定できる

カーボン・ナノ・ファイバー探針マイクロカンチレバー
「OMCL-AC160FS-B2」「OMCL-AC240FS-B2」 新発売

マイクロカンチレバーのカンチレバー部全体 マイクロカンチレバーの先端に形成された三角錐状の探針支持部 三角錐状の探針支持部の先端に成長したカーボン・ナノ・ファイバー

マイクロカンチレバーの
カンチレバー部全体

マイクロカンチレバーの先端に
形成された三角錐状の探針支持部

三角錐状の探針支持部の先端に
成長したカーボン・ナノ・ファイバー

カーボン・ナノ・ファイバー探針マイクロカンチレバー「OMCL-AC160FS-B2」

オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、半導体や磁気ディスクなどの加工材料表面の研究、工場での検査、故障解析に使われる走査型プローブ顕微鏡※1に取付け使用することにより、試料表面の微細な凹凸形状を忠実に測定することができるカーボン・ナノ・ファイバー探針※2マイクロカンチレバー「OMCL-AC160FS-B2」および「OMCL-AC240FS-B2」を、2009年7月29日より発売します。

従来型のマイクロカンチレバーはMEMS技術により作製され、探針は根元から先端に向かい徐々に細くなるテーパー形状をしていますが、本製品は更にその先端に約200ナノメートル※3長さの柱状突起をナノテクノロジーを応用して形成しました。柱状突起は直径20から50ナノメートル程度の細さであり、より狭い溝や急峻な角度をもつ微細構造の表面形状測定を可能にします。
また、従来型は走査につれ先端部が磨耗する際の形状の変化度合が大きく、初期測定画像からの解像度の低下が目立つことがありましたが、本製品は先端部が柱状であるため磨耗してもすぐに画像が劣化せず、消耗品であるマイクロカンチレバーの交換頻度を低減することが可能です。

なお、本日7月29日より7月31日まで東京ビッグサイトで開催される「第20回マイクロマシン/MEMS展」で、本製品の関連資料を展示します。

※1 比較的平坦な試料の表面をナノレベルに尖った細い針(探針)でなぞる(走査する)ことにより、表面凹凸形状を測定できる顕微鏡。 SPM(Scanning Probe Microscope)ともいう。マイクロカンチレバーは光学顕微鏡であれば対物レンズに相当し、画質を左右するキー パーツ。探針部と、それを保持するカンチレバー部を主要構成としてもち、探針部は10から20マイクロメートル高さ、カンチレバー部は 数百マイクロメートル長さであって、MEMS半導体プロセスを用いて作製される。
※2 カーボンを主成分とした非晶質材料からなる柱状のナノ構造体を先端部に形成した探針。CNF探針。
※3 1ナノメートルは百万分の1mm

発売の概要

製品名 メーカ希望小売価格
(税込み)
カーボン・ナノ・ファイバー探針マイクロカンチレバー
(18チップ入り)
  OMCL-AC160FS-B2(レバー機械特性: 300 kHz, 42 N/m)
  OMCL-AC240FS-B2(レバー機械特性: 70 kHz, 2 N/m)


378,000円
378,000円

主な特長の概要

  1. 高アスペクト比の探針形状
  2. チップ交換頻度の低減が可能
  3. 使いやすい‘TipView’構造

開発の背景

マイクロカンチレバーが装着される走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、試料表面に探針先端を接触させなぞる(走査する)ことにより表面凹凸形状をとらえて三次元画像化することができる装置製品で、半導体や磁気ディスク、光ディスク、液晶パネル、有機EL素子等の薄膜電子デバイスの、加工材料表面の研究、工場での品質検査、故障解析に使用されています。この用途では表面形状の計測データを複数画面にわたってあるいは長時間にわたって安定的に取得できることが求められますが、従来型のマイクロカンチレバーの探針では十分な注意を払わないと短期間で先端部が磨耗し太くなってしまうため、安定的なデータ取得が測定者の熟練度に左右され、チップの交換が頻繁になることがありました。
そこでオリンパスでは、名古屋工業大学 種村眞幸教授との共同研究により、カーボン・ナノ・ファイバーをマイクロカンチレバーの探針とし、探針が磨耗しても先端径の変化の度合いが小さくて済む先端部が略柱状のナノ・ファイバーの選択成長技術を開発しました。また一部、経済産業省平成19年地域新生コンソーシアム研究開発事業(委託事業)を利用して量産技術の開発も進め、カーボン・ナノ・ファイバー探針をもつマイクロカンチレバー「OMCL-AC160FS-B2」および「OMCL-AC240FS-B2」の製品化を実現しました。

主な特長の詳細

  1. 高アスペクト比の探針形状
    従来の走査型プローブ顕微鏡用マイクロカンチレバーの探針は、コーン型やピラミッド型形状をしており、探針は根元から先端に向かい徐々に細くなっています。これに対し、今回発売するカーボン・ナノ・ファイバー探針は、従来のシリコン製マイクロカンチレバーの探針を探針支持部として、その先端に更にナノテクノロジーを応用した200ナノメートル長さの柱状突起を形成しました。柱状突起は直径20から50ナノメートル程度を維持した高アスペクト比の形状をしており、走査型プローブ顕微鏡に取付けて使用すると、従来よりも狭い溝や急峻な角度の側面を有する微細構造の凹凸形状を忠実に測定することができます。
  2. チップ交換頻度の低減が可能
    従来のコーン型の探針を鉛筆の芯(先端部)に例えると、カーボン・ナノ・ファイバー探針はシャープペンシルの芯に例えることができます。装置測定条件の設定によっては探針に大きな力が加わることとなり、その状態で数十画面の走査測定を行なうと、コーン型の探針では探針先端が磨耗して太くなり、初期測定画像からの解像度の低下が目立つことがありました。これに対し、カーボン・ナノ・ファイバー探針の本製品は繰り返し走査により磨耗した場合でも、先端部の細さの変化が小さいため画質の劣化を最小限にとどめ、初期測定画像と同じ画質レベルの像を撮ることができます。マイクロカンチレバーは消耗品であり、常に高い画質レベルの像を撮るためには新しい探針に交換して使用しますが、本製品ではシリコン探針の数倍長持ちさせることができるので、煩わしい交換作業の回数を減らすことができます。
  3. ポリシリコン薄膜表面測定での画像比較
  4. 使いやすい‘TipView’構造
    本製品は、カーボン・ナノ・ファイバー部を成長させるベースのマイクロカンチレバーに、使いやすいと好評をいただいている‘TipView’構造を採用した弊社製のシリコン製カンチレバー「OMCL-AC160TS-W2」および「OMCL-AC240TS-W2」を採用しています。
    ‘TipView’構造とは、探針の先端がカンチレバー部の先端位置にある構造を指し、レバーの背面から観察してもレバー部で探針が隠されることがないので、光学顕微鏡が組み合わされたSPM装置に取付けて使用すると、試料上の測定部位への探針の位置合わせが容易で短時間で行えます。

主な仕様

型式 OMCL-AC160FS-B2 OMCL-AC240FS-B2
カンチレバー カンチレバー寸法 160(L)×50(W)×4.6(T)μm 240(L)×30(W)×2.7(T)μm
共振周波数(大気中) 300 kHz (typ.) 70 kHz (typ.)
バネ定数 42 N/m (typ.) 2 N/m (typ.)
カンチレバー材質 シリコン(4~6 Ω・cm)
背面金属反射コート アルミニウム
探針 形状 柱状CNF探針付きテトラヘドラル、“TipView”構造
探針支持部長さ 14 μm 15 μm
探針支持部材質 シリコン
探針(CNF)長さ 0.2 μm以上
探針傾き角 レバー先端方向にむけ12度、6~18度以内に制御
先端から200nm部分の探針幅 50 nm
探針先端半径 10 nm(typ.)
探針材料 非結晶カーボン
チップ チップ形状 台形横断面、丸肩チップ
チップ寸法 3.4(L)×1.6(W)×0.3(T) mm
パッケージング チップ数 18チップ
ケース中のチップ形状 個別に分割済み
パッケージ箱 粘着シート付き耐静電気プラスチックス箱
添付データ SEM画像(3チップ分)
カーボン・ナノ・ファイバー探針は電気測定用には設計されておらず、探針は非晶質カーボン製ですが、カンチレバー全体の 導電性は保証されていません。
3チップ入りのOMCL-AC160TS-Q2、OMCL-AC240TS-Q2もご用意しております。
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
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