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2009年10月13日

単孔式腹腔鏡下外科手術用機器
「ディスポーザブルマルチポート」、「湾曲5mm鉗子」、「先端CCD搭載の腹腔・胸腔ビデオスコープ」を欧米、アジア一部地域で発売

~ 患者さんにより負担の少ない手術を目指して ~

「単孔式腹腔鏡下外科手術」のイメージ

「単孔式腹腔鏡下外科手術」のイメージ

オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:森嶌 治人)は、患者さんにより負担の少ない手術を目指して、臍下部等に設けた1カ所の切開創から差し込んだトロッカー※1に、内視鏡や鉗子などを挿入して行う単孔式腹腔鏡下外科手術(LESS Surgery:Laparo-Endoscopic Single-Site Surgery)用機器の発売を2009年10月13日から欧米およびアジアの一部地域で開始します。なお、日本では薬事認可後に導入予定です。
発売する製品は、1カ所の切開創から内視鏡を含む最大4本の鉗子の同時挿入が可能なディスポーザブルマルチポート「QuadPort TM」、シャフトの先端側と手元側を湾曲させることにより、他の鉗子との干渉を防ぎながら直感的操作を可能にした湾曲5mm鉗子「HiQ LS」、手元操作部の湾曲により鉗子との干渉を防ぐことが可能な先端CCD搭載の腹腔・胸腔ビデオスコープ「EndoEYE LS」です。

※1 トロッカーは、体腔内に内視鏡や鉗子などを挿入して手術するために、体腔内と体外を継ぐ連絡路の役割を担う医療機器のこと。

市場導入の背景

腹腔鏡下外科手術は、開腹手術に比べて切開部分が小さく、術後の回復も早いため患者さんに負担の少ない手術方法として1990年代以降普及が続いています。当社は本手術で使用する内視鏡や周辺機器、治療機器に至るまで幅広いラインアップの製品を通じて市場ニーズに応えてきました。また、近年ではお腹に2~4つの切開創に差し込むトロッカーおよび挿入する機器の細径化の進展により傷の縮小化が図られています。さらに、これに加えて、1つの切開創だけで行われる単孔式腹腔鏡下外科手術が医療現場で実施されるようになってきており、当社は本手術に対応する機器を商品化することで、患者さんへの負担の更なる軽減に貢献していきます。
当社は、このような腹腔鏡下外科手術の発展のみならず、消化器内視鏡、処置具、外科内視鏡の融合技術によって将来の「NOTESTMを含む低侵襲治療の実現に向けた技術開発に取り組んでいきます。

Natural Orifice Translumenal Endoscopic SurgeryTMの略で、「経管腔的内視鏡手術」を指します。胃・大腸・子宮・膀胱などの管腔臓器を通じて軟性内視鏡を腹腔内にアプローチする外科・内科境界領域の内視鏡治療手技です。患者さんへの負担軽減を目指した手技として、基礎研究がグローバルにさかんに進められています。

各種製品の主な特長

ディスポーザブルマルチポート「QuadPortTM

  1. 柔軟なスリーブ構造により、様々な切開層の大きさや腹壁の厚さに対応します。また、湾曲鉗子の挿入が容易に行え、鉗子操作時の自由度が向上します。
  2. 外径15mm×1、10mm×2、5mm×1の4つのポートを採用し、内視鏡や鉗子の外径に応じて選択的に挿入が可能です。
  3. 術野を確保するために、炭酸ガスの送気やエネルギーデバイス使用時に発生する煙を排出する送気・排煙ポートを一体化しました。
  4. マルチポート部を取り外すことで、切除組織の回収が可能です。

ディスポーザブルマルチポート「QuadPortTM」
ディスポーザブルマルチポート「QuadPortTM

湾曲5mm鉗子「HiQ LS」

  1. 先端部と操作部が湾曲した硬性プリベンディングシャフトの採用により、術部に対して斜め方向からのアプローチ、直感的な操作が行えます。さらに、2本の鉗子をトロッカーに同時挿入した場合も体腔内外で鉗子同士の干渉を軽減できます。
  2. 鉗子全体を回転させることなく、シャフト操作部側の回転ノブを指で廻すだけで先端部の回転が可能なため、体腔外での内視鏡や他の鉗子との干渉を軽減できます。
  3. リユース(再利用)製品です。

湾曲5mm鉗子「HiQ LS」
湾曲5mm鉗子「HiQ LS」

先端CCD搭載の腹腔・胸腔ビデオスコープ「EndoEYE LS」

  1. 操作部はライトガイドケーブルを一体化したストレートなラインになっており、体腔外で鉗子との干渉がなく広い作業スペースを確保できます。
  2. 手元操作部が90°に湾曲可能なため、体腔外での鉗子との干渉を軽減できます。
  3. 先端部にCCDを搭載することにより、先端部が加温されクリアな視野を確保できます。また、深い観察深度やオートフォーカスを実現します。

先端CCD搭載の腹腔・胸腔ビデオスコープ「EndoEYE LS」
先端CCD搭載の腹腔・胸腔ビデオスコープ「EndoEYE LS」

主な仕様

ディスポーザブルマルチポート「QuadPortTM

  • 15mmポート×1、10mmポート×2、5mmポート×1、送気・排煙ポート×2
  • 対応する腹壁の厚さ:最大10cmまで
  • 対応する切開層の大きさ: 20mm~60mm

湾曲5mm鉗子「HiQ LS」

  直径 有効長
フック型電極 5mm 350mm
把持鉗子(ジョアン型) 5mm 350mm
把持鉗子(クリンチング型) 5mm 350mm
剥離鉗子(メリーランド型) 5mm 350mm
剥離鉗子(ファインメリーランド型) 5mm 350mm
剥離鉗子(直角型) 5mm 350mm
鋏鉗子(メッツェンバウム型) 5mm 350mm
把持鉗子(ロング) 5mm 470mm
ハンドル(ラチェット付) - -
ハンドル(モノポーラ電極付) - -
全機種ともに、オートクレーブ滅菌対応。

先端CCD搭載の腹腔・胸腔ビデオスコープ「EndoEYE LS」

視野角 70°
視野方向 30°
観察深度 15-100mm
外径 5.4mm
有効長 318mm
オートクレーブ滅菌対応
ライトガイドケーブル一体型インラインデザイン
操作部湾曲可能角度:全方向に90度

参考資料:オリンパスが既に販売している主な単孔式腹腔鏡下外科手術関連機器

  1. VISERA 腹腔・胸腔ビデオスコープ OLYMPUS LTF TYPE VP 〔全世界で発売中〕
    先端が4方向に湾曲可能な外径5.4mmのフレキシブルビデオ腹腔鏡。先端湾曲機能により、多方向からの体腔内観察が可能です。先端小型高性能CCDの採用により、細径にもかかわらず明るく鮮明な画像を実現します。
  2. VISERA 腹腔・胸腔ビデオスコープ OLYMPUS LTF TYPE VP

  3. ディスポーザブルマルチポート「TriPort TM
      〔欧米及び一部アジア地域で販売中、日本では薬事認可後に導入予定〕

    1カ所の切開創から内視鏡を含む最大3本の鉗子の同時挿入が可能なディスポーザブルマルチポートです。外径5mm×2、12mm×1の3つのポートを採用し、内視鏡や鉗子の外径に応じて選択的挿入が可能です。
  4. ディスポーザブルマルチポート「TriPort TM」

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