本文の始まりです


2012年3月21日

がんなどの早期発見・早期治療をサポートする消化器内視鏡の次世代基幹システム

「EVIS EXERA III(イーヴィス エクセラ スリー)」を発売

~観察性能の向上、患者様の負担軽減に加え、医療機関の業務効率改善にも貢献~

消化器内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS EXERA III」 上部消化管ビデオスコープ GIF-HQ190

上部消化管ビデオスコープ GIF-HQ190

大腸ビデオスコープ CF-HQ190L/I

大腸ビデオスコープ CF-HQ190L/I

消化器内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS EXERA III」

オリンパスメディカルシステムズ株式会社は、次世代の内視鏡基幹システムとして、内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS EXERA III」を発売します。消化器分野向けには、2012年4月1日から欧州、米国、オセアニアで販売を開始し、各国の法規制対応後に順次、アジア、中近東、アフリカなど、日本と英国を除く地域への販売を予定しています。また、内視鏡外科手術や気管支鏡用などとしても同様に、世界各国での販売を予定しています。

EVIS EXERA III は、世界シェア約7割を持つ(当社調べ)消化器内視鏡市場において、欧米をはじめとした各国に向けて約7年ぶりに導入される当社最上位の基幹システムです。
本製品は高画質化により、がんなどの病変の観察性能を向上させたほか、医師・医療スタッフに対する使いやすさと、患者様に対するスコープ挿入時の負担軽減を追求しています。また、データ管理機能の追加により、医療機関における業務効率の改善にも貢献します。

「EVIS EXERA III」の製品構成

  • ビデオシステムセンター CV-190
  • 高輝度光源装置 CLV-190
  • 上部消化管ビデオスコープ GIF-HQ190 GIF-H190 GIF-XP190N
  • 大腸ビデオスコープ CF-HQ190L/I CF-H190L/I PCF-H190L/I PCF-PH190L/I

市場導入の背景

がんは早期発見と早期治療により治癒できる病気であり、内視鏡検査はその早期発見に貢献してきました。このため、欧米では80年代後半よりがんの罹患率、死亡率共に少しずつ減少していますが、一方で人口の増加により、今後も内視鏡検査数は増加が見込まれています。
また、近年欧米では、医療費の削減を背景として、診断方法の適性化が追求され始めています。病変部の診断に、選択的に内視鏡による形態診断を取り入れるというもので、これまでの、がんだけでなく疑わしき病変は全て組織採取をして病理検査を行うという診断方法と比較して、医療費の削減が期待されており、これに注目をした研究発表が、欧米を中心に行われるようになってきています。
当社はこのような状況を受け、形態診断に欠かせないさらなる高画質化と高性能化を実現し、より微細ながんなどの病変の早期発見や、早期治療をサポートする次世代の内視鏡システムEVIS EXERA IIIを開発しました。当社はこれからも、消化器内視鏡のリーディングカンパニーとして、医師や医療従事者のニーズを反映した最先端の内視鏡を開発し、医療に関わる人が願う高い医療効果と効率性に応えることで、世界の人々の心と体を思いやる医療環境の実現に貢献し続けます。

主な特長

さらなる高画質化により、がんなど微小病変の早期発見をサポート
当社独自の技術である「狭帯域光観察(NBI: Narrow Band Imaging)」は、暗い体内を、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい狭帯域化された2つの波長(青色光/緑色光)の光で照らすことで、粘膜表層の毛細血管と粘膜微細模様を強調して表示し、拡大すると毛細血管が増え粘膜表面が込み入った模様に変わるというがんの特性を利用し、がんの早期発見をサポートするという技術です。NBIは、2005年に発売した前機種に搭載して以来、多くのがんの早期発見に貢献してきましたが、光の波長を絞る必要があることから、通常光観察に比べて光量が減るという特性があり、病変の発見や遠景での病変観察において、より詳細な観察を行うための十分な明るさが求められていました。EVIS EXERA IIIでは、光源装置に新型キセノンランプを採用したほか、ビデオシステムセンターのノイズ低減処理、CCDの感度向上等の複合的効果によりNBI観察時の明るさを向上させ、がんの早期発見へのさらなる貢献が期待できます。
また、スコープは上部細径スコープ(GIF-XP190N)を除く全ての機種において、当社スコープの最上位規格であるHDTV規格を搭載し、さらなる高画質製品のラインナップ充実化を実現しています。さらにGIF-HQ190とCF-HQ190L/Iには、ボタン操作ひとつで近点と通常観察の焦点切り替えを可能にした「Dual Focus」機能を搭載し、病変のより詳細な観察を可能にしています。

大腸スコープの挿入性向上など、患者様の苦痛低減と、使いやすさを追求
大腸スコープ4機種には、屈曲した形状の大腸に対しよりスムーズな挿入を行えるように「受動湾曲部」を設け、また手元からスコープ先端への力の伝わりやすさを追求した「高伝達挿入部」を採用しました。これにより、高度なテクニックを必要とする大腸スコープの挿入を容易にさせ、患者様にはより苦痛の少ない検査を受けていただくことができるようになります。
「受動湾曲部」は、手元側の操作によって任意の方向へ曲げることが可能な通常湾曲部と違い、腸壁に当たるとその力で自然に曲がる構造になっています。通常湾曲部と受動湾曲部を合わせて湾曲部全体で見たときに、スコープ先端側から蛇管にかけての湾曲形状が徐々に緩やかになるように設計されており、腸管同士や他臓器との癒着がある患者様に対する負担軽減と、挿入性の向上を追求しています。「高伝達挿入部」は、大腸の長さや形状により、手元側の力が途中のループやたわみで失われ、挿入が困難になるケースがある大腸スコープにおいて、手元の力を先端部まで伝わりやすくし、スムーズな挿入をサポートします。
また、EVIS EXERA III のシステム本体(ビデオシステムセンター(CV-190)と高輝度光源装置(CLV-190))へ内視鏡スコープを接続するコネクタに、ワンタッチ接続が可能な完全防水の新型コネクタを採用しました。これにより検査前のセッティングから、検査後の洗浄/消毒工程を簡易化し、ヒューマンエラーの低減に貢献します。

医療機関における業務効率の改善に貢献
EVIS EXERA IIIでは、将来的に、当社のITシステムと連携させることで、内視鏡検査室の稼動状況・予約一覧や、内視鏡検査に伴う検査結果やスコープの洗浄記録に加え、検査時間、稼働率、スコープ使用回数などの記録データを一元管理することができるようになります。これらのデータにより、より効率的な内視鏡室の運営をサポートすることができるほか、病院全体のシステムと連動させることで、医療機関の業務効率改善のサポートも可能になります。

さまざまな診療科向けスコープやカメラヘッドにも対応
EVIS EXERA IIIは、滅菌可能な1CCD/3CCD HDカメラヘッド、"ENDOEYE" 先端湾曲ビデオスコープ、外科軟性内視鏡、そして気管支鏡など、さまざまな内視鏡に対応しています。

  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
  • 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
  • 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。


本文の終わりです