2012年10月4日
細胞を高精細で3次元的に観察できるレーザ走査型顕微鏡2機種を新発売
生物用共焦点レーザ走査型顕微鏡「FLUOVIEW(フロービュー) FV1200」
多光子励起レーザ走査型顕微鏡「FLUOVIEW FV1200MPE」
オリンパス株式会社(社長:笹 宏行)は、生命科学を研究する大学・研究機関などに向けた蛍光顕微鏡※1の新製品として、生物用共焦点レーザ走査型顕微鏡※2「FLUOVIEW FV1200」と、多光子励起レーザ走査型顕微鏡※3「FLUOVIEW FV1200MPE」を、2012年10月5日から日本より順次受注を開始し、全世界で展開します。
当社では、生物用共焦点レーザ走査型顕微鏡と多光子励起レーザ走査型顕微鏡を「FLUOVIEW」シリーズとして展開しています。この「FLUOVIEW」シリーズは、レーザ光を走査(スキャン)しながら試料に照射し、試料から発する蛍光を検出することで、コントラストが高い3次元画像を得られるのが特長です。
今回発売する「FV1200」と「FV1200MPE」は、「FV1000」「FV1000MPE」の後継機で、前機種と比べて剛性・操作性の向上、高感度化・低ノイズ化を実現しました。さらに、「FV1200MPE」は、組織透過性に優れたIRレーザを用いるため、「FV1200」では難しい厚みのある細胞でも深部まで観察可能です。
※1 | 観察対象に光を照射し試料・標本から発する微弱な光(蛍光)を観察する顕微鏡 |
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※2 | 焦点以外の蛍光をカットし3次元撮像が可能な顕微鏡。レーザ光源を用い、試料・標本を走査しながら画像を得る。 |
※3 | 焦点のみから蛍光を発する特性により3次元撮像が可能な顕微鏡。IRレーザ光源を用い、試料・標本を走査しながら画像を得る。 |
発売の概要
商品名 | 受注開始日 |
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生物用共焦点レーザ走査型顕微鏡「FLUOVIEW FV1200」 | 2012年10月5日 |
多光子励起レーザ走査型顕微鏡「FLUOVIEW FV1200MPE」 |
「FV1200」「FV1200MPE」の主な特長
- 剛性と操作性が向上した、新製品の倒立型リサーチ顕微鏡を採用
- 高反射率の銀コーティングガルバノミラーを新設計
- 高感度・低ノイズで観察ができる、超高感度検出器を「FV1200」用に新開発
市場導入の背景
生命科学の研究分野では、生きた細胞を用いてタンパク質や神経などの役割・機能を解明し、創薬や新しい領域への応用を目指す研究が盛んに行われています。これらの分野では、生物用共焦点レーザ走査型顕微鏡と多光子励起レーザ走査型顕微鏡は、蛍光観察を行える機器として、また、一般的な顕微鏡では難しい深さ方向の情報を取得し細胞を細部まで立体的に観察できるという特長から、多くの研究機関で活躍しています。
一方で、生きた細胞を培養しながら一定間隔で経過観察を行うタイムラプスなど、研究の多様化や観察の長時間化に伴い、微弱な蛍光を観察する為の高感度化と、顕微鏡の安定性や操作性なども求められてきました。
こうした研究者のニーズに応えるため、当社は長年培ってきた光学技術とデジタル技術により、更なる高感度化、安定性と操作性を向上した「FV1200」と「FV1200MPE」を新たに市場に導入します。
主な特長の詳細
1. 剛性と操作性が向上した、最新の倒立型リサーチ顕微鏡を採用
レーザ走査型顕微鏡は、顕微鏡をはじめ、レーザ光源、スキャンユニットなど数多くのユニットで構成されています。「FV1200」と「FV1200MPE」の顕微鏡部には、当社最新の倒立型リサーチ顕微鏡「IX83」を採用しました。生きた細胞から固定標本まで幅広い試料・標本に対応する「IX83」は、ロの字構造により剛性を高め、微細な試料・標本の観察時の障害となる熱や振動など観察への悪影響を減らすことができ、長時間にわたるタイムラプス観察にも適しています。また、「IX83」のタッチパネルを用いることで直観的な各種設定や操作が可能となり、操作性も向上しています。
2. 高反射率の銀コーティングガルバノミラーを新設計
試料を走査(スキャン)するガルバノミラーに、新設計の銀コーティングミラーを採用しました。前機種と比べて反射率を改善、近赤外領域においては反射率を最大25%以上向上させ、より効率よく、より高感度で蛍光検出を行うことができます。
3. 高感度・低ノイズ観察ができる、超高感度検出器を「FV1200」用に新開発
超高感度検出器ユニットを「FV1200」用に新開発しました。また、光検出器として、従来のアルカリ金属系の光検出器(PMT)より光子エネルギーのシグナルへの変換効率が高いガリウム砒素リン系(GaAsP)を採用したほか、ノイズを約20%抑える冷却機能も新開発し、従来の共焦点顕微鏡では観察の難しかった暗い試料だけでなく蛍光の褪色を起こしやすい試料でも、超高感度かつクリアな蛍光観察が可能となりました。
FV1200 主な仕様
レーザ光源 | 可視光レーザAOTFレーザコンバイナ | LDレーザ 405nm, 440nm, 473nm, 559nm, 635nm, Multi Arレーザ(458nm、488nm、515nm)、HeNe(G)レーザ(543nm)
調光方式: AOTFによる連続可変 |
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スキャンユニット | 共焦点検出器 | 蛍光用光検出器(PMT)3CH オプション増設PMT 1CH または冷却GaAsP PMT 2CH |
走査方式 | 銀コーティング ガルバノメータスキャナミラー2基による光偏向方式 | |
ツインスキャナユニット | 走査方式:ガルバノミラー2基 | |
透過検出ユニット | 透過検出器と透過照明光源を内蔵 電動切換え、本体とファイバで接続 | |
顕微鏡 | 倒立型:IX83、正立型:BX61, BX61WI |
FV1200MPE 主な仕様
レーザ光源 | ネガティブチャープ搭載
多光子パルスレーザ |
モードロックチタンサファイアレーザ本体、電源ユニット、水冷循環式チラー |
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可視光レーザAOTFレーザコンバイナ | LDレーザ 405nm, 440nm, 473nm, 559nm, 635nm, Multi Arレーザ(458nm、488nm、515nm)、HeNe(G)レーザ(543nm)
調光方式: AOTFによる連続可変 |
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スキャンユニット | 共焦点検出器 | 蛍光用PMT 3CH オプション増設PMT 1CH または冷却GaAsP PMT2CH |
走査方式 | 銀コーティング ガルバノメータスキャナミラー2基による光偏向方式 | |
ツインスキャナユニット | 走査方式:ガルバノミラー2基 | |
多光子用検出器 | 落射蛍光検出器 | マルチアルカリPMT(2CHまたは4CH)もしくは冷却GaAsP PMT(2CH)+マルチアルカリPMT(2CH) |
透過蛍光検出器 | PMT 2CH(正立顕微鏡BX61WIのみ搭載可能) | |
顕微鏡 | 倒立型:IX83、正立型:BX61, BX61WI |
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