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2013年6月24日

超音波を用いて対象物内部を破壊せずに検査

超音波フェーズドアレイ探傷器の最小・最軽量タイプ※1を発売

「OmniScan(オムニスキャン) SX」シリーズ

超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan SX PA」(左)超音波探傷器「OmniScan SX UT」(右) 検査の様子(航空機の機体検査)

超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan SX PA」(左)
超音波探傷器「OmniScan SX UT」(右)

検査の様子
(航空機の機体検査)

オリンパス株式会社(社長:笹 宏行)は、ライフサイエンス・産業事業の新製品として、工場設備の溶接部や腐食部、また航空機の機体や部品などの内部を非破壊で検査が可能な超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan SX PA」と、超音波探傷器「OmniScan SX UT」を2013年7月から全世界で順次発売します。

超音波探傷とは、検査対象物に超音波を当て、その戻り時間と強さにより、検査対象物内部の欠陥の位置や大きさを検査する手法のことです。超音波探傷技術の一つであるフェーズドアレイ機能は、医療用エコー検査のように、検査対象物の内部を映像化でき、欠陥の位置などを視覚的に捉えることが可能です。

今回発売する「OmniScan SX」シリーズ2機種は、現在販売している超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan MX2※2」のインターフェイスをそのままに、機能をシンプルにした小型軽量タイプの探傷器です。従来品よりも、体積比約50%の小型化、質量約33%減を実現し、高所や狭い場所への持ち運びや、手で持ちながらの検査が容易となります。

※1 2013年6月24日現在、オリンパスの超音波探傷器「OmniScan」シリーズにおいて
※2 2011年5月発売

発売の概要

製品名 発売予定日
超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan SX PA」 2013年7月
超音波探傷器「OmniScan SX UT」※3
※3 フェーズドアレイ機能(検査対象物内部を医療用エコーのように映像化できる機能)がついていないタイプ。超音波の波形をモニターに表示することで、検査対象物内部の欠陥などを検査することが可能

主な特長

  1. 手持ちの検査も容易となった小型軽量タイプ
  2. 高解像度タッチスクリーンを搭載
  3. シンプルな機能で操作性向上

発売の背景

超音波フェーズドアレイ探傷器は、工場の生産設備やビル、橋梁の建築資材となる大きな鉄骨の溶接部などの検査に多く用いられています。従来のタイプは高機能で信頼性が高い反面、多様な設定や操作が必要なため、使用者に長時間のトレーニングが求められる場合がありました。また、工場内の足場が悪い高所や狭い場所などに持ち込み、探傷器を手で持ちながら検査をする場面では、より小型の装置を要望する声が多くありました。

当社ではそうした要望を受け、機能をシンプルなものに絞り込み、より簡単な操作を通じてトレーニング時間の短縮にもつながる小型軽量タイプの2機種を新しくラインアップに追加しました。

主な特長の詳細

  1. 手持ちの検査も容易となった小型軽量タイプ
    今回発売する「OmniScan SX」シリーズ2機種は、現在販売している超音波探傷器「OmniScan MX2」と比べ、体積比約50%の小型化、質量約33%減を実現しました。工場内の高所や狭い場所にも持ち込みやすく、探傷器を持ちながらの検査も容易となります。また、防水・防塵性能も備えているので、耐久性にも優れている製品です。
  2. 高解像度タッチスクリーンを搭載
    「OmniScan SX」シリーズ2機種は、小型のボディーに対角21.3cm(8.4インチ)の高解像度タッチスクリーンを搭載し、すばやく快適な操作性を実現しています。
  3. シンプルな機能で操作性向上
    「OmniScan SX PA」は、単数の超音波ビームを使用して検査をするため、複雑な設定が不要でよりシンプルに操作をすることができます。従来のフェーズドアレイ探傷器は、複数の超音波ビームを組み合わせても検査ができるため、精密な検査が可能な一方、複雑な設定を行う必要がありましたが、「OmniScan SX PA」は、使用者のトレーニング時間が短縮でき、より簡便に操作をすることができます。
    また、シンプルな機能ながら、2機種ともにTOFD検査※4にも対応しており、大型パイプの溶接部検査などで、効率良く精度の高いサイズ測定が行えます。
※4 TOFD(Time of Flight Diffraction) は溶接部の傷の検出・寸法測定をする超音波探傷方法の一つ。超音波の送信・受信をする探触子を、溶接部を挟むように対向配置し、複数の受信波の時間差を測定することで、傷の位置や大きさを測定します

ライフサイエンス・産業事業とは

「医療」および「映像」と並ぶ、オリンパスの3大コア事業のひとつで、主な製品は光学顕微鏡と非破壊検査機器です。産業事業では工業用光学顕微鏡、光学測定機のほか、工業用内視鏡、超音波探傷器、渦流探傷器、X線分析装置などの非破壊検査機器により、研究開発および生産現場における品質向上と、航空機や大型プラント施設など、社会インフラの安全と安心に貢献しています。

主な仕様

外形寸法(W×D×H) 267×94×208mm
質量 3.4kg(バッテリーを含む)
ディスプレイ タイプTFT LCD、サイズ21.3cm(対角)、解像度800×600ピクセル、表示色1600万色
バッテリー スマートリチウムイオンバッテリー×1、稼働時間 約6時間(条件により異なる)
パルサー電圧 40V、80V、115V(PAチャンネル)/95V、175V、340V(UTチャンネル)
帯域幅 0.6MHz~18MHz(-3dB)(PAチャンネル)
0.25MHz~28MHz(-3dB)(UTチャンネル)
フェーズドアレイ仕様※5 16:64 PR、同時励振素子数 16、フォーカルロウ数256
※5 超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan SX PA」のみ
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